第19話:独立子爵への叙爵(システムの創造主)
不正を働いた領主が、国王の号令によって没落した数日後。王都の王宮大広間にて、ケニーを主役とした特別な式典が執り行われていた。
王座に座る国王の左右には、ケニーがコンビニ網を通じてあぶり出した「数字の真実」に戦慄し、平伏する貴族たちが並んでいる。
1. 陛下の信頼と「実務」の評価
「ケニー。お前が作り上げた『コンビニ』という網は、余の想像を遥かに超える価値を証明した。単に民を潤すだけでなく、国家の裏側に潜む『毒』をあぶり出し、正義を助ける陛下の眼となったのだ」
国王の声が厳かに響く。
「お前はまだ二十歳だが、その知略と実行力は、もはや伯爵家の一子息という枠に収まるものではない。よって――」
国王が立ち上がり、儀礼用の剣をケニーの肩に授ける。
「本日をもって、ケニーを『子爵』に叙す。実家の伯爵家から独立し、自らの領地と、この全店舗網を統括する権利を正式に認めるものとする。これからは『王家の直臣』として、余と共にこの国の未来を築け」
2. 独立貴族ケニーの誕生
ついにケニーは、親の威光に頼る立場を卒業し、自分の足で立つ「独立子爵」となった。これは、彼が構築した400店舗の帝国が、正式に「国家の重要機関」として認められたことを意味する。
「……ありがたき幸せに存じます、陛下。この100、200、そして400と広がる看板は、すべて陛下の治めるこの国を不夜の如く照らす灯火となりましょう」
ケニーの答辞に、異論を唱える者は一人もいなかった。彼を敵に回せば、物流を止められ、税の収納を止められ、さらには自分の領地の「数字の嘘」を暴かれる。それは貴族にとって、物理的な死よりも恐ろしいことだった。
3. さらなる拡大への大義名分
独立子爵となったことで、ケニーは自ら他領の貴族と「直接の店舗設置契約」を結ぶ全権を手に入れた。
今までは「伯爵家の顔」を立てるために慎重に進めていた出店も、これからは「王家直臣の子爵」として、国家プロジェクトの体で進めることができる。
「……さて、今までは遠慮していたが、ここからは全速力だ」
王家の紋章を掲げた看板が、さらに遠くの、まだ「光」の届いていない辺境の領地へ向けて、爆発的な勢いで増殖を開始する。400店舗は、瞬く間に500、600へと膨れ上がり、ケニーは文字通り「世界の心臓部」を握る男へと登り詰めていった。




