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第15話:税金収納代行(最後のピース)

店舗数が400を超え、王家とのパイプも盤石となったケニーは、ついに仕上げとなる「金融インフラ」の掌握に乗り出します。

1. 貴族たちへの「甘い提案」

ケニーは王都の夜会で、周辺領地の貴族たちを前に、天使のような微笑みでこう提案しました。

「閣下、領民からの税の徴収に苦労されていませんか? 遠方の村まで兵を出し、重い硬貨を運び、計算ミスや横領に頭を悩ませる……。そんな時代はもう終わりにしましょう」

ケニーが提示したのは、「税金収納代行サービス」でした。

「我が『コンビニ』で、いつでも税を納められるようにするのです。手数料はわずか数パーセント。集まった税は、我が社の物流網を使って安全に王都の国庫、あるいは閣下の金庫へお届けします」

2. 「財布」を握るということ

貴族たちにとって、これは「徴税コストの削減」という願ってもない話でした。しかし、これがケニーによる「経済的去勢」の完成であることを理解している者は一人もいません。

税金をコンビニで扱うということは、その領地の「総資産」と「キャッシュフロー」を、ケニーが王家よりも先に把握することを意味します。

「どの家が困窮しているか」「どの商会が脱税しているか」「貴族の隠し資産がどこにあるか」……。すべての金流(カネの流れ)がケニーのPOSシステムを通過するのです。

3. 王家の承認と「不可逆な支配」

「陛下、このシステムにより、王都への献上金はより迅速に、より正確に届けられるようになります」

ケニーの提案に、王家も諸手を挙げて賛成しました。王家の紋章がついた店舗で税を収めることは、民にとっても「正当な行為」として受け入れられ、爆発的に普及していきました。

4. ケニーの独白

深夜、400店舗の徴税データが次々と更新されるモニターを眺めながら、20歳のケニーは独りごちます。

「店長は俺の目。兵士は俺の腕。そして税金は俺が握る『命綱』だ……。これで、この国の貴族たちは、俺がレジのキーを一つ叩くだけで干上がることになる」

前世で本部に売上を吸い上げられ、首を絞められていた男が、今や一国の「徴税権」すらシステムの一部に組み込んでしまった。

「……いらっしゃいませ。納税ですね? ありがとうございます」

その言葉は、もはや丁寧な接客などではありません。この国そのものを「お買い上げ」した支配者の、冷徹な勝利宣言でした。

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