8日目 終末世界で君と
私は唐突に目覚める。
ここは?
私は?
何もわからない。
そうしていると目の前の少し汚れた白いワンピースを着た少女が話しかけてくる。
「やっと会えたね。おはよう。」
その少女が説明してくれた。
私は彼女によって作られたロボット。
そう言われた。
鏡を彼女は見せてくる。
「これがあなただよ。」
そこには白髪で青い目の少女がいた。
ロボットと言われても一目ではわからないだろう。
そんな少女。
「これが、私?」
「そうだよ。」
そうして私の生活が始まった。
私を作った少女の名前は、ノア。
そして私は、アミと名付けられた。
どこかの言葉で友達を意味する言葉らしい。
彼女は部品などを拾ってきて一人で作り上げたらしい。
この世界は彼女しかいない。
そのことが不思議で理由を聞こうとしたのだが悲しそうな表情をしていたのでやめておいた。
昼間は、色々使えそうなものや食べられそうなものを探して、夜は拾ってきたものをノアがいじる。
そんな風にしながら生活をしていた。
「アミは私を恨んでる?」
唐突にそんなことをノアが聞いてくる。
「恨む?どうしてですか?」
「こんな世界に生まれさせたから。私が寂しかったなんて理由だけで。」
そうか。そんな風に思っていたのか。
私は機械の体ながら感情を持っていた。
だから、そんな不安を感じているのだろう。
しかし、
「私は楽しいですよ。ノア。」
「楽しい?」
「ええ。あなたといろんなところに行って、いろんなものを見て。あなたが生んでくれなければできなかったことです。」
「アミ......。」
「ありがとう。ノア。」
そう言ってノアの頬を触る。
「ノアあなたとずっと一緒にいますよ。」
――……
数年が経った。
何年もノアと一緒にいて、違和感を感じる。
彼女は全く変わらなかった。
精神の話ではなく肉体の話だ。
まったく老化していないのだ。
不思議に感じたのだが、私にはそれを聞く勇気はなかった。
何か理由があるのかもしれない。
それに寝言で
「レン......。」
とたまにつぶやくことがあった。
そのことについても聞きたかったが私は自分から言ってくれるまで待つことにした。
彼女とずっと一緒にいたい。
それだけわかっていれば私にはよかった。
――……
ある日、私たちは廃墟を探索していた。
気を付けて一歩一歩進んでいた。
しかし、ガタン!と音がして瓦礫が落ちてきた。
私は咄嗟に
「ノアっ!」
とノアをかばうように覆いかぶさった。
衝撃を覚悟して、強く抱きしめた。
その時だった。
ノアの体が光りだした。
そして腕を上に向けて光を放った。
ドン!!!
と大きな音がして落ちてきた瓦礫どころか上部分がすべて消し飛んだ。
「ノ、ノア......?」
「......!?」
ノアはハッと私を見た後、私を突き飛ばして逃げてしまった。
私はすぐに追いかける。
「待って!待ってください!ノアっ!」
そう言って腕をつかむ。
ノアの腕は震えていた。
「......見たでしょ。私は化け物なんだ。」
ノアは震えながらそう言う。
「アミにはまだ言ってなかったよね。アミの前にもいたのロボットの友達が。レンっていう子。でもね......。」
「私のせいで死んじゃった......。」
鳴きながらそう言った。
「ノアのせい?」
「うん。私のことを知って逃げようとして、高いところから足を踏み外したんだ。」
「私の事?それって......」
「私、私が、世界をこんな風にしちゃったんだ。」
衝撃だった。
ノアが?信じられない。
そんな私を見てノアが
「ほんとだよ。私はある国が作っていた兵器でね。ある時、暴走しちゃって世界がこうなったんだ。」
「............。」
「アミ、それでも私と一緒に居れる?いつか暴走するかもしれない私と。」
アミは泣きながらそう聞いてきた。
私のせいってそう言うことか。
このことを知って、レンというロボットは逃げようとして、恐怖で足を踏み外したんだ。
まあ、その恐怖がわからないでもない。
私にも感情はある。
だけど、
「ノア?忘れたんですか、ずっと一緒って言ったじゃないですか。」
そう言って私はノアを抱きしめた。
「ど、どうして......?」
ノアは泣きながら聞いてくる。
「ノアわかりませんか?あなたはこのことを知られたくなかった。でも、力を使った。それと同じです。私はあなたのことが大好きなんですよ。」
「アミ......。」
そうつぶやいて、ノアは泣き続けた。
「ずっと一緒ですよ。ノア。」
「うん!うん!」
私達はそうして抱き合っていた。
こんな世界であろうと私は寂しくないだろう。
つらくないだろう。
だって、彼女がいてくれるから。




