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6日目 笑顔の魔法

私にとって魔法がすべてだった。


しかしある日世界から魔法が禁止された。


魔王が倒されたことによって危険な魔法はもう必要ないとされたのだ。



私は今までずっと部屋で国の支援を受けて魔法の研究をする。

そんな人生を送ってきた。


しかし、いきなりそれを取り上げられてどうしたらいいかわからず、ただただぼんやり生きていた。

机の上や、本棚にある数多くの本は埃がかぶっていた。

しかし、それには見向きもしないで、朝から晩までぼんやり窓の外を眺める。


そんな毎日。


魔法の研究をしているころ村の子供が母親と一緒にたまに遊びに来ていた。

魔法に興味を持ってくれていた。

そのことが私も嬉しくて、いろいろ教えていた。


今でもよく来てくれていた。

子供にもわかるくらい私は落ち込んでいたようでいろいろ話してくれるのだ。


家の花がきれいに咲いた。

リスを見たなど。


それを聞き、私は多少笑顔を取り戻していた。

しかし、これから何をしていいのか、悩んでいた。


そんなある日、新聞で驚くべきものを見た。

魔法の不正使用で魔法使いの集まりが指名手配されたのだ。


魔法を使って人に害をなしていると新聞には書いてあった。


そして国から、捕まえるために協力要請が来た。


私は悩んだ。

しかし、受けることにした。


これ以上魔法を怖いものと思われたくない。

私の好きな魔法を。


――……

それから数か月後、私は、とうとう足取りをつかんだ。


その集団は現れてはすぐに消えて、足取りが全然つかめなかったのだ。

しかし、今回とうとうつかんだ。


アレスタという小さな街に深夜来るらしいという情報を聞いたのだ。


私は、夜まで待ちアレスタに向かった。

魔法を使って害をなすのを止めてやる!と意気込んでいった。


そのはずだった。


しかし街につくと、初めに聞こえたのは歓声だった。

そして、街の人々の笑顔にあふれていた。


その人々たちの視線の先には指名手配されている魔法使いたちがいた。


「よく見ていてくださいね!」


そう言って小瓶を手の上に出して


「それ!」


と言って空高く飛ばす。


その後に、


「はっ!」


と魔力でその瓶に光線を当てた。


そうすると瓶が割れて、空にオーロラが出た。


「綺麗......。」

「素敵ね!」

「いいぞ!」


観客たちは大盛り上がりだった。


私はそれを見て自然と涙が頬を伝っていた。

そして在りし日の出来事を思い出していた。


――……

「お姉さん、魔法って怖いものなの?」


私が部屋で資料をあさっているときに、少女が私に恐る恐る聞いてきた。


「どうして?」


私は微笑んで静かに聞く。


「お母さんが魔法なんて怖いもの教えてもらいに行くのやめろって......」


少女は、伏し目がちにそう言った。


「......今日の夜、お母さんとここに来れる?」


「え、うん。多分......。」


「じゃあ、今日の夜来て。」


そう静かに微笑んで言った。


夜になりその少女は、母親ときた。


母親は不服そうだった。


「あの、もう魔法は......」


と言いかけるが、


「お母様、私に少し時間をください。」


そう頼む。


不服そうだったが了承してくれた。


私は瓶を一つ出す。

そして空に投げて、魔力を当てた。


そうすると空にオーロラがかかる。


「わぁ!」


少女は笑顔で喜ぶ。

母親は唖然としていた。


「お母様、確かに魔法は危ないものでもありますが、それは心次第、使い方次第なんです。使う者次第では悲しさを生みますが、このように笑顔も生めるんです。」


と少女を見る。


母親は、沈黙して少し考える。

その後オーロラと少女を静かに見つめて


「私も教わろうかしら。」


と静かに微笑んで言った。


そんな出来事を思い出していた。


新聞の人に害をなしているというのは全くの嘘だった。

その逆だった。


魔法を王が恐れるあまりに嘘を書いたのだろう。


私はこの光景を目にして、決心する。


私も戦おう。


そう決心した。


――……

数か月後、私は記者として記事を書いていた。


魔法に関する記事だけを書く記者だ。


人々から魔法の恐怖を払拭するため人を喜ばせる魔法を記事にしたり、魔法使いたちの人々を楽しませるために旅をしている真実を記事にしたりしながら旅をしていた。


王からは散々、こんな記事を書くなと廃刊させられそうになったが、魔法使い時代のつてで何とか印刷会社を見つけ出して、今も書けている。


そして今日も記事を書くために、彼らを取材しようと歩いていた。


アレスタであった彼らと私は、連絡を取り合う中になっていた。


そして今日取材をできるようになったのだ。


人々もだんだん彼らの動きや私の新聞で魔法のイメージが良くなってきている。


私はカバンの中のお守り代わりのオーロラを出す瓶を手の中でギュっとして、今日も頑張るぞ!と歩き出した。

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