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2日目 魔王の生存戦略

禍々しい城の一室

銀髪の少女の魔族が玉座に君臨していた。


目の前には、跪く魔族の者達。


「面を上げよ!」


少女はそう高らかに告げる。


「勇者の動向を報告しろ!」


「はっ!勇者たちは今、アレスタン付近の街道を移動中です!」


「そうか、引き続き勇者たちの動向を探れ!以上だ!持ち場に戻れ!」


「はっ!」


そう言って魔族たちは部屋から出て持ち場に戻っていく。


魔王のお世話係のメイドのリルルを残して。


「......行った?」


魔王が小さくメイドに聞く。


「はい。」


「ふぅー。緊張したああ。リルル~これからどうしよう~!私、勇者と戦いたくないよ~。」


「......まったく、レイズ様。あなたという人は。」


魔王レイズは全然やる気がなかった。


――……数日前


レイズは部屋でゲームをしていた。


リルルは


「レイズ様。そろそろゲームをやめてお眠りください。」


「後少しだけ~」


そんな会話をしていた時だった。


扉がバーンと開けられる。


そこにはレイズの父親、魔王がいた。


「お、お父様?なんですかこんな夜中に?」


レイズは驚きながらもそう聞くと、


「こんな時間まで勉強か。さすがレイズだな。」


そう言った。


魔王が人間界の物を知らないのをいいことに、レイズはゲームのことを勉強の一環と嘘をついていた。


「は、はい!魔王様の後継者として当然です!」


リルルは、はぁとため息を吐く。


「さすがわが娘!しかもそのげーむ?とやらもローブで姿を隠し人間界でわざわざ手に入れた!わしも鼻が高い!」


「えへへ。」


「そんなお前を信じてあることを伝えに来た!わしは引退する!」


「......へ?」


「この城はお前に任せて田舎に行く!ではさらばだ!心配はいらないと思うが、部下たちは血の気が多い連中だらけだから弱気なことは口にするなよ!謀反を起こされるぞ!」


そうして魔王は去っていく。


「へ?」


レイズは茫然として部屋に取り残されて今に至る。


――……

リルルに魔王の間で泣きついていた。


「どうしようー!」


「自業自得です。」


「そんなこと言わずに!」


「はあ、あなたはもう魔王なんですよ。しっかりしてください!」


「無理よー!絶対無理-!」


そんな風に駄々をこねていた。


そうしているときに妙案が浮かぶ。


「勇者と和解するわ!」


「何言ってるんですか。無理に決まっているでしょう。部下が許しませんよ。」


「だから、隠れてよ。隠れて。」


「そんな簡単に行きませんよ。第一勇者も認めないでしょう。」


「任せなさい。私を誰だと思ってるの?勇者のマインドなんかばっちりよ。何回勇者として魔王と戦ったと思ってるの?」


「......それゲームの話ですよね。」


魔王は、返答せず作戦を立て始めた。

リルルはため息を漏らす。


――……

レイズは街にてローブでフードをかぶり姿を隠し街に来ていた。


そして作戦を実行する。


八百屋により野菜を買いながら


「なんか魔王が違う人に変わっていい人になったらしいよ。人間と友好関係結びたいんだって。」


そう告げる。


「はあ、そうなんか。」


それを告げた八百屋のおじさんはそんなどうでもいいみたいな反応だったが。


これをいろんなところでやった。


これが作戦。


作戦名、魔王のイメージ戦略。


魔王をいい人というイメージを刷り込み人間の敵対心を消す。


作戦をしているときだった。


「ねえ、勇者。魔王城までまだなの?」


そんな声が聞こえてきた。


(!?、勇者一行!?)


そこには勇者たちが歩いてきていた。


(まずい、逃げなきゃ!)


レイズは焦って走る。

しかし走ったせいでローブのフードが脱げて角が出てしまった。


そして勇者たちがレイズを見て黙る。


(......終わった。)


走って逃げる。


「待て!」


そう言って追いかけられる。


レイズは息切れしながらも何とか逃げ切った。


――……

今回の作戦は失敗した。


街に姿を隠して様子を見に行ったが、魔族が人間を油断させるためにやったことということになっていた。


(くそ!あいつらさえ来なければ!)


玉座でレイズは悔しがっていた。

しかしすぐ立ち直り


「リルル。私はまだあきらめない!絶対勇者と和解するわ!応援してなさい!」


そう告げる。


「やる気を違う方向に向けてください。」


そうリルルは呆れていた。


魔王の生存戦略は始まったばかりだった。


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