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10日目 狐の甘やかし

何でこうなった?


「よしよし。」


俺は金髪の狐耳と尻尾の生えた巫女服の少女に膝枕されて撫でられていた。



――……前日の夜。


俺は深夜、会社からの帰り道を歩いていた。


残業だ。


俺は、何故か仕事をよく押し付けられる。

そしてうまく断れないままこんな時間になる。


今度こそ断る。

そう心に誓いながら、歩いていると突然目の前に人影が現れた。


白い着物の女だった。

手には日本刀。


日本刀!?


俺は咄嗟に動けず斬りかかられ避けれなかった。


き、斬られた......!?


手で急いで触って確かめるが血が出ていなかった。


あれ?斬られたんじゃ......。


とりあえず斬られてないならそれよりも逃げなきゃ!と思い立ち上がろうとするが立ち上がれなかった。


「フオォォォォ!!」


と不気味な洞窟の中の風のような音をさせて白い着物の女が近づいてくる。


逃げろ!逃げろ!逃げろ!

しかし、足が動かない。


死ぬ!

と思った時だった。


俺とそいつの間にお札が飛んできた。


「やれやれ。あぶなかったのう。だいじょうぶか?」


声の聞こえる方を見ると狐耳と尻尾の生えた巫女服を着た少女が立っていた。

そして、


「せいっ!」


といってその着物の女に蹴りを入れると着物の女は消えていった。


「な、なにが起きて......?」


「大丈夫じゃ。さっきの悪霊は消えた。」


「悪霊!?」


話を聞くと、さっきの悪霊で狐耳の少女が助けてくれたらしい。


「とりあえずこの近くの神社に来てくれ。立てるか?」


そう言われてふらふらとしながらもやっと立てた。

そして神社の本殿の中に一緒に入る。


「わしは、この神社の神様じゃ。たまたま、悪霊の気配を近くで感じて払ったというわけじゃ。」


普通だったら信じられなかっただろうが、さんざん現実離れをしたもの見せられた今信じざる負えなかった。


「それでの、おぬしさっき斬られておったじゃろう?あの剣おそらく気力を吸い取る類の物じゃ。ということで回復するまでここにおるといい。ここであればしばらくいると気力が回復する。」


「回復するまでっていつまでですか?えっと......。」


「名前か?狐のお姉さんでも巫女さんでも好きに呼ぶと良い。うーむ、明日一日まではいた方がいいな。」


明日は休日だったので、神社に泊まることになった。


お客さん用の布団を貸してもらい寝る。


起きたときにはお日様が真上に上がっていた。


「ようやく起きたか。おはよう。」


「おはようございます。」


「もう昼じゃ。昼ごはんにしよう。」


そう言ってご飯を出してくれた。


「ありがとうございます。いただきます。」


そう言って味噌汁を一口飲むと


「!」


衝撃が走る。

絶品だった。

今まで食べたみそ汁の中で一番おいしかった。


「美味しいですよ!」


「ありがとうのう。そう言ってもらえると嬉しいぞ。」


と巫女さんは微笑んでいた。


ご飯を食べた後、いろいろ話をした。

と言ってもほとんど俺の愚痴に付き合ってもらっていた感じだった。


「そうか。」


「頑張っているな。」


と巫女さんは褒めてくれた。

そして、


「こっちに来てくれ。」


と言われていくと、頭を膝の上に乗せられて


「よしよし。いつも頑張っておるな。」


そう頭を撫でられていた。

心が落ち着いた。


そして目が覚めると夕方だった。


「ご、ごめんなさい!膝の上でグースカ寝てしまって!」


「いいんじゃよ。全然。」


そして気力も戻っていることに気づいた。

というより、仕事疲れによって消耗していた心も回復していた。


「そろそろ帰ります。」


「そうか。何かあったらまたここに来るんじゃぞ。霊的なこと以外でもつかれたらきてもいいんじゃぞ。暇してるからの。」


そう言った後巫女さんは微笑んでいた。


「はい。」


俺も微笑んでそう答えた。


そうして神社を後にした。



――……

神社でさんざん愚痴を吐けて、甘やかせてもらったおかげで、翌日はバリバリ仕事をこなせた。


そして、


「申し訳ないんだけどこれ頼んでもいい?」


ということにも


「すみません。ちょっとこれやってるので。」


と断れた。


そして俺は珍しく定時であがれた。


俺は、帰り道団子を買った。


そして神社に向かっていた。



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