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嬉しいのはなんで

「一年、勇気って言います。よろしくお願いします。先輩。」

「……なんだよ。」

「ズボンのポケットの中。ハートのエース。」

「マジか!」

 先輩は驚いた顔をする。

「僕、そんなこともできるんで!よろしくっす!」

 

「おれ、そん時思ったよ。なんて面白いやつが入ったんだって。」

「面白いやつって感じだったんだ。嬉しいな。」

「嬉しい……のか?」

「ああ、当たり前だろ。人柄をほめられたんだぞ。嬉しいに決まって……。」

 あれ。

 おれ。

 こんなことで。

 こんなこと……?

「ハハ、やっぱお前、おもしれえよ。自画自賛かよ。」

「うるせーよ!お前、もうクラシックパスやんねーよ。」


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