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やっぱり、思い出せない
「懐かしいなあ。」
「ああ、マジで懐かしい。」
「最初にサークルに入って勇気を見たとき、なんでこんな元気な奴がなんで手品サークルなんて入るんだって思ったよ。」
「ちげえよ、おれはただ、人を驚かすことが好きなだけだよ。ほら。」
おれは、カバンの中から、トランプを一束取り出した。
そして、トランプをぺらぺらと裏向きにめくっていった。
「どこかでストップって言ってよ。」
「……ストップ!」
「はい、このカードね。スペードの3!」
一馬は、恐る恐るそのカードを見た。
「うわ、当たりだ!すげえよ、お前!!やっぱ!」
「そうかな……。」
「そうだよ!……てか、お前、なんで、こんなとこにいるんだよ。」
「だって、おれ、なんでか知らんけど。次の四限があるのかどうか、思い出せないんだよ。」
「思い出せない……。のか。そっか。じゃあ、しょうがねえな。てか、なんか、お前、入った時から、手品マジですごかったよな。」
「そうだっけ。」
「うん。マジで、すごかった。」
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