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6 パソコンの中へ


 真っ黒のモニターに見入る。どうにかして起動できないものか。

 しかし、物理的にスイッチを押せない僕にはどうすることもできなかった。

 いや、スイッチを押すのは物理的なことだけど、それは電気的に通電させるためのものだろ。


 どこかのトランジスタか何かを電気的に通電させることはできないだろうか。

 僕はパソコン本体の中に意識を集中してみた。

 マザーボードの配線が地平線まで続くハイウェイみたいに拡大され、僕はその中に吸い込まれる。


 一瞬恐怖を感じた後、僕の意識は両側に無数の部屋のある、先の見えない長い廊下の中にいた。

 無機質な金属のドアが延々と並んでいる。

 ドアには細かい文字でたくさんの文字が刻まれていた。

 これって、パソコンの内部ということか。僕の意識が入ったのは、今度はCPU?

 あるいはハードディスクのなか?


 蝿取り蜘蛛の中に入れたのは、何となく理解できる。

 同じ生き物だし。


 しかし、パソコンの中には入れるなんて思いもしなかった。やってみるもんだな。

 しかし、膨大なデータの中からあの子たちの母親を探すのは大変だな。

 一つ一つ部屋を開けてみるしかないんだろうか。

 僕は母親の名前を意識してみた。

 その瞬間、廊下に浮遊していた僕は突風に煽られるように移動し始めた。


 両側のドアが残像を残しながら僕の後ろに飛びすぎていく。

 そして次の瞬間、僕は止まっていた。

 目の前のドアを見てみると、ドアに刻まれた文字の中に母親の名前を見つけることができた。


 その部屋に入ってみると、三方の壁は床から天井まで本棚にびっしりと、緑の背表紙のファイルが並んでいた。

 普通なら、ここから目的のファイルを探し出すことだけでも一苦労するはずだけど、魂だけの存在の僕には難しいことじゃなかった。

 周囲に意識を拡散させて、見るともなく名前を思い浮かべると、目的のファイルの場所がわかってしまったのだ。


 霊魂って便利。

 意外な形で目的のデータを得た僕は、再びマンションの部屋に戻った。





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