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詩全集

君の心臓を、終わらせた

作者: 那須茄子

温かな赤色と

反転した世界


私たちは投げ出された

これは不幸な事故

だった


もう一人は隣で倒れている

まだ息をしている

まだ息をしていた


身体はあちこち

酷い有り様で

苦しそう


死にきれていない

これじゃあまりに

可哀想だから代わりに

死なせてあげるよ


微かに脈を打つ

小さな命

丁寧に早く

弔ってあげないと


どうしようもなくて

ただその

はだけた白い肌に

爪を立てて

終わらせた

優しく悲しく

痛がらないように

そっと殺した


温かな赤色と

反転した世界


私たちは投げ出された

これは不幸な事故

だったんだ





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