表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

天王寺家の野望

 Side 天王寺 ゴウトク


 天はワシを見放してはおらなんだ。


 ワシはこうして生きておる。


 この場所、この土地にてな。


 見下ろせば手塩にかけて黒鬼隊が勢ぞろいしておる。


 フハハハハハ。


 先ずは何処から復讐してやろうか――

 

 あのガキども。


 散々ワシをコケにしおって。


 全員纏めて殺してやる。


 火の海に変えてやる。


 いや、殺すだけでは飽き足らん。


 散々苦しめて殺してくださいと追い詰めるのを眺めてから殺してくれるわ。


 そして日本もこの手に再び手中に収めてやる。


 待っているがいい愚民ども。


 ワシは帰って来た事を知らしめてやるわ。



 Side 天王寺 イチゼン


 やはり俺は神に選ばれた存在、天王寺家の人間だった。


 こうして俺は返り咲く事が出来た。


 今はちょいと窮屈な思いをしているが、それも今を我慢すればこそだ。


 荒木や木里、藤崎や谷村の周りにはいい女が揃っているそいつらを纏めてあいつらの目の前で俺の者にしてやるのもいいな。


 あいつらが住んでいた町も焼け野原にしてやる。


 そしてやがては俺に天下が回ってくる。


 フハハハハハハハ。


 笑いが止まらんね。

 

☆ 


 Side 谷村 亮太郎


「大変な事になりましたね~」


 アイン・ミレニアのいざこざで事態を把握するのが遅くなった。

 総理官邸で呼び出され、臨時的に総理大臣を務めている人から事情を聴かされた。

 この場にはプレラーティ博士や雪代 マイナさんとかもいる。


「まさかドサクサに紛れて生きていただけでなく、核シェルターなんて大それた隠れ家なんて物を用意していたとは」


 プレラーティ博士がこの場にいる人間の気持ちを代弁する。


「その通りだ。奴のシンパは想定以上に多かった。行方不明になった自衛官などはほぼ奴の下にいると見て間違いないだろう」


「で? どうするんですか? 放置する形で?」


 恐る恐る僕は聞いてみた。


「既に部隊を編成して送り込んだ」


「言っておきますがアイツらの戦力は本物です。並の部隊じゃ太刀打ち出来ませんよ」


 と、助言しておく。

 ぶっちゃけて言えば木里君や荒木さん達がおかしいのだ。

 軽く見積もっても黒鬼隊の実力は特殊部隊クラスである。

 並の部隊では歯が立たないだろう。


「何時までも少年少女達に国を任せるような情けない国のままにしたくないのだ」


「……そうですか」


 そう言われたら何も言えない。

 総理はたぶんテコでも動かないだろう。


 

 総理との対談を終え、待合室で藤崎君と合流して今後どうするかを話す。


「安藤さんは異世界に行っちゃって連絡取れないしね」


「それにもう戦いから身を引いた人間も多い。今更収集するのも何ですし――」


 実際藤崎君が言う通りだ。


「財団の力を借りるのは論外だしね。仮に借りれたとしてもアイン・ミニレアの戦いで疲弊している」


「望みは薄いけど自衛隊に任せるしかないんですかね――」


「そうなるかね――」


 また大きな戦いにならないように祈ろう。

 だがこう言う祈りって奴は大概外れちまうから嫌なんだよな。



 Side 自衛隊攻撃部隊


 作戦目標は核シェルターに閉じこもった天王寺ゴウトクの捕縛。


 装備はともかくパワーローダーは最新鋭の、あの少年少女達が使っていたアインブラスターだ。


 ブラッド粒子炉搭載型でビーム兵器も標準装備。 

 未来の日本の国防に無くてはならない強力なパワーローダーだ。


 にも関わらず苦戦しているのが現状だ。


 核シェルター周辺の迎撃網が想定以上に厚く。

 更には陸上戦艦の姿も確認できている。


 また、敵もパワーローダーの武器を更新しているらしく、空中を飛んだりビームを放ったりしている。


 噂の黒鬼隊が使う漆黒のパワーローダーもそうだ。

 どうやら改良されたらしく、此方も空中を飛んで機械のような正確な動きで次々と此方の戦力を撃墜している。


 更には無人パワーローダーの姿もある。

 想定以上の動きで此方を翻弄し、まるで歯が立たない。


 このままでは全滅も時間の問題か――



 Side 天王寺 ゴウトク


 我が居城を襲いに来た蛆虫どもを排除出来た。


 そうだ。

 これでいい。


 待っていろよ――あの小僧ども、必ず報復してくれる。


 フハハハハハハハハハハハ!!

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ