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第四十七話 魔獣退治

 地面に座り込んでしまった俺はアーシャに声を掛ける。


「悪い、ほんの少しでいいから休ませてくれ」


 何百mと走り続けていた為、俺の心臓はまたもや爆発しそうな程激しく動いている。脚も完全にいう事を聞いてくれず動いてくれない。


「大丈夫だよ、ゆっくり休んでいて、今度は私が守るから」


 一方アーシャの方は人型に戻り周囲を警戒している。息の乱れもなく体力の違いが如実に現れている。


「どれぐらいいたのだろうな、魔石に変わってくれたら良かったのに」


「デュラハンの鎧ならいい金になるんじゃないかな、問題が解決したら拾って帰らないと勿体ないね」


 お互い本気では思っていないが、こんな事ぐらい言っていないと気が滅入ってしまう。まだ魔力には余力があって魔石も青く輝いているのでそっちの心配はあまりしなくていいのが助かる。


 結局二時間程この場所に座っていた。まだ身体が重いが流石に動き始めた方がいいだろう。


「アーシャ待たせたな、何とかなりそうになって来たよ」


「何かずっと変な感じだよね、休んでいる間は何も来なかったよね」

 

 言われるまで気が付かなかったが確かにおかしい。地下四階からデュラハンが上がって来たのだとすれば、この座っている間に現れても不思議ではない。


「もう出尽くしたのかな」


 アーシャは希望的感想を述べたが、そうであって欲しいと心から願う。地下四階の通路は広いのだが立体迷路のようになっていて、別れ道が数多く存在する。普段だったら一角兎やマミーと良く出会うらしいのだが今は存在すら見かけない。


 たまに手に何も持っていいないゴブリンやオークが走って来る。まるで何かから逃げているようで無防備の状態で俺達に倒される。


「何なんだ一体、あいつらの行動が全く読めない」


「このダンジョンでゴブリンを見たのは初めてだよ、全く違うダンジョンにい………………」


 アーシャが言葉を止めた。生臭い風が前から吹いてきてかなりの強い殺気が漏れている。向こうも此方に気が付いたのか確実に殺気が突き刺さるように感じる。もう隠れても無駄だろう。


 俺達は自然と立ち尽くし前を凝視している。少し先のT字路の右側から冒険者を加えたケルベロスが姿を見せた。二階建ての家位ありそうな身体をしていて、俺達を視認すると三つ首が同時に冒険者を咀嚼し始めた。次のエサは俺達と言う事か。


「仁はひたすら撃って、何とか足止めするから」


 アーシャの声が震えている。俺も見ただけで分かる、今までのどんな相手より桁が違う事を。杖を強く握り魔力を込める。


 アーシャが獣型に再び姿を変え、「ファイヤーボール」を放ちながら走って行く、それに答える様にケルベロスは咆哮した。


「ショット」


 魔力をかなり込めて硬くそして鋭くして連射する。直ぐに顔に当たりのけぞるようになるが、あまりダメージが無いように思える。


 一つの首がアーシャを狙うがアーシャは横に飛びつつ左前足に斬りつけるが皮一枚程度しか斬れていない。その間に「ショット」を連発しながら小型の「バズーカ」を準備する為に岩を数個出現させ、魔力を更にこめる。


 アーシャは左右に飛んで何とか噛みつきを躱しながら斬りつけている。何十発目かの弾が三つ首の内の二つ目に辺り目を潰す事が出来た。アーシャも噛みつこうとしていた一つの顔の目に偃月刀を突き立てる。これで一つの首は両目、もう一つの首は片目が潰れ、開いている目は残り三つになった。


 しかし、アーシャが着地しようとした瞬間に今まで攻撃に使ってこなかった前足を振り切り、アーシャを蹴り上げた。アーシャにだけ重力が存在しないかの様に軽々しく吹き飛ばされ、俺の目の前で血を吐きながら転がり倒れている。


「アーシャー」


 叫んで呼びかけたが反応はなく、ただ身体が痙攣している。ケルベロスはこっちに向かってスピードを上げ弾を無視して突っ込んでくる。


 俺は撃つのを止め、「バズーカ」を二つ飛ばす。時間をかけて魔力を注いだのでケルベロスのスピードより速く、さらにカウンターになって命中する。


 轟音が鳴り響き砂煙が舞う。かなり効いたのかふらついているように見えたので、更にもう一つ飛ばす。今度は身体の中央に当たり大音響の中で後ろに吹き飛んでいく姿が見えた。


 直ぐにアーシャに駆け寄ると、身体はボロボロになっていたのでまずはポーションを振りかける。さらに最後のポーションを飲ませようとするが意識が無いためか口からこぼしてしまう。


 こぼさないように口を口で押えて無理やり飲み込ませる。するとアーシャの身体に光が纏い、流れていた血が止まって段々と荒かった息が落ち着いて来た。


「ぐぉおおおおおおおおおおおお」


 激しい雄たけびと共にボロボロのケルベロスが起き上がって来る。既に二つの首はちぎれているので、もう単なる馬鹿デカい犬のようにしか見えない。


「バズーカ」


 最後のバズーカの弾を発射させる。瞬時にケルベロスに当たりその身体ごと飛んで行く。T字路にぶつかって今まで以上の轟音が響いた後に直ぐに砂煙が舞い上がって暫く何も見えなくなった。



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