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怒涛の日を振り返ってみて

ピーピヨピヨ、、、ピーヨー


六畳一間の、入り口から対面してあるまーるい窓から朗らかな朝日が入り込む。ヨピヨピ鳥が眠りから僕を呼び起こす。二段ベッドのすぐ横で直接床で濃いピンクの短髪頭が片足を下の段に掛けながらぐーぐー寝ている。いつもの朝だ。けど違う事があるそれは僕の身体だ。昨日の怒涛の一日を過ぎ疲れが溜まっていたのだろう。腕も足も身体全部が重い。しんどいんですけど。太郎の足を退けたいのに耐えるしかできない。


嫌だなぁ…


ぼけーと昨日の事を振り返る。結局ホウカはおっちゃんに引き取られた。後から分かったのだか僕の両親とギルマスことダーリアン(おっちゃん)は昔の仲間だった。家に太郎と共に送って貰った時に発覚した。信用できるのか不安だったので両親が仲よさそうに接しているのをみて安心した。ホウカはもう僕達の友達だからね。先祖返りだからって人権を無視するような輩に渡すなんて嫌だった。あの後両親に大丈夫かな?と聞くとダーリアンはあぁ見えて僕達4人パーティーの中で一番面倒見が良かったから最適だよと頭を撫でられながら論された。


おっちゃんあんなに悪人面なのに…


でも魔物を引きずりながら現れた太郎を見ると目ん玉ひん剥いてた。傑作だった。太郎ナイス。


太郎は自分でもあんなに飛んでいくなんて思っていなかったらしい。身体主義者の証も刻んだので元々の運動神経も合わさって能力が花開いたのだろう。だからテイマーじゃなくて初めから右腕に刻めば良かったんだ。何回振り返っても歯がゆい…本人がドヤ顔なのでいいのだろうけど。あれって結局役に立ってるの右一線だけだよなぁ…


太郎は行き当たりばっかりだなぁ、なんか懐かしいなぁ


あっ後もう一つびっくりした事が帰ってきてから発覚した。

僕の誕生日の日、一昨日かな?スイちゃんが紹介したいと言っていたのはグレンとその母だったんだ。

僕達子供同士が生き急いで勝手に出逢ってるからお母さん同士が笑ってた。

もう友達になったの?とスイちゃんがいたずらっ子みたいな目で僕を覗き込んでくるから、気恥ずかしくてぷいってしちゃった。両親の昔の仲間の最後の一人がグレンの母だ。人の縁ってすごい。思わずグレンとそうなのっ!?と驚いちゃった。

元パーティーメンバーの4人に囲まれながら僕達3人はずっと昔から居たようななんとも言えない気分になった。太郎は少し離れた所で帰ってきてから漁って見つけた干し芋食ってた。好きだよね、干し芋。


振り返ってもまだまだ記憶が溢れるように思い出し足りない、だけど今はもう深く考えらんない


あぁー今日はどうしようかなぁ…

疲れまだとれてないし、寝よっかなぁ


痛っ


痛いよ太郎!

ゲシゲシと左足で僕の腰を蹴る、ムッカァやめてよ!






昨日息子がダーリアンに連れられて帰ってきた。

夕方になっても帰ってこないので、こりゃレンくんが初めての森ではしゃいでいるなと可愛い僕のお嫁さんスイちゃんと話ていた。お嫁さんは太郎くんの方が連れ回してるのよと笑っていたが、今日の息子達の冒険は一筋縄ではいかなかったらしい。ダーリアン曰くお前の息子はトラブルメーカーだとムスッとしていた。

だが僕達大人3人はダーリアンが心なしか嬉しそうにしているのを隠しているのがみえみえで微笑ましくなった。レンくんが連れてきた獣人は僕の親友が引き取る事になったらしい。特殊なケースである子だし僕はそれが最善策だと納得した。

僕の親友は誰よりも仲間思いで責任感も強い、ホウカという子もそれは伝わっているのではないだろうか。

生涯結婚する事のない独身貴族だ。問題はないだろう。

関係のない獣人の子供だが、ダーリアンの昔の恋人の面影がちらついた。これも運命だ。



「モモく〜ん、もうすぐ朝ご飯できるから二人を起こしてきて〜」

「あぁ、分かったよー」


寝太郎と小っちゃい探検家を起こしに行こう。








ーグレン家ー


「母さん、これ何?」

「何ってあんた色々包んでみた、、、あれなんだろう?集中して作ってたら分かんなくなっちゃったわ。朝ご飯よ。」



母さんとユールレ村に昨日越してきた。

なんでもこの村には昔パーティーを組んでいた仲間が皆んな居るから安心だって説明されていた。それにあんた勉強ばかりで遊ばせてあげられなかったから田舎がいいわと母さんが静かに怒りながら言う。


別にオレは魔術があればいいから、さほど今までの事は気にしていない。


でも今はこの村に来て良かったと思っている。

昨日出逢ったあいつらと友達で居たら魔術を研究するみたいに楽しいかもしれないとワクワクする。

レンの兄貴は危険だという意味でドキドキするけど。


強くなりてぇなぁ


よし、レンとホウカを誘って修行をしよう

拠点は屋敷があった庭の所でいいだろう






ーまたまたレン家ー



あ〜今日も愛する夫と可愛い息子がいて幸せだわ〜


はいはい、おかわりね。太郎くんは胃袋がブラックホールだわぁ。はい、どうぞ。まぁこのお肉は昨日太郎くんが倒した魔物のお肉だからたんと食べなさいな〜


「母さんおかわり」


……。



んー太郎くんの将来は大物ねっ!

よく食べる子はよく育つ!これが世の摂理よね〜

だからレンくんそんなげんなりした顔しないのっ


レンくんは昨日太郎くんに振り回されちゃったから仕方ないけどねぇどっちがお兄ちゃんなのかしら?ウフフ


でもレンくん太郎くんが神の休線になっちゃったの気にしてるみたいだけど、そんな悲観する事ではないとお母さん思うけどなぁ


だって面白そうじゃない、自分で決めて好きに生きるって。


太郎くんは使えるからとかで決めてないからねぇ、使いたいから刻むのよ


その心意気や良し!


ってお母さん思うわ〜


コンコンコンっ!


「は〜い今でますね〜!」






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