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あれからカリヤスの無実が証明され、他国の連中は自国へと帰還していった。
先に来たクイーンヤードに引き渡されて喚いていたクツソは疲れて黙り込んだ。
自害しようとすると気絶する魔法具を噛まされて、おとなしく連行されてしまった。
「エンペラーキングダムさん……なんでカリヤスの疑いが晴れたんだ?」
「ああ、スイレイ様の手紙があってな」
「くわばらくわばら」
「カッスー! お前も逮捕だ!」
「なぜだ!?」
「クツソの娘だからに決まっている」
「いーやーじゃ! はーなーせー! どうじんし! どうじんし!」
「黙ってろ」
「カッスー。手紙とどけてくれてありがとう」
「スイレイ様、な、ぜ……カリヤスが犯人と言いながら渡してきたではないか! 手紙にはカリヤスが怪しいと書いたのではなかったの?」
「あなたって悪人に向いてないわ。中身確認しないタイプよね」
「え」
「自分が一方的に騙すほうだと思い込み、相手に騙されることを想定しなかった?」
「あ」
「手紙を渡した瞬間の、だましていると勘違いしている貴女を見るのが、楽しくてしかたなかったわ」
◇
「もうこの国からはおさらばでいいよね?」
「ああ、後50人くらいと会わないとならないからな」
「?」
「こっちの話だ」
「カリヤス殿」
「サショウ殿……ご無事であったか」
「なぜ母上が?」
「さあ皆さん、宴ですよ!」