3-2 真実
クツソが満面の笑みで告げると、寝耳に水と言わんばかりに口をぽかりと開ける。
「なかなか口を割りませんね」
「今のところジュグを脅かす証拠は出ていないけれど……」
レアンはカリヤスが無言でいることに疑問を抱く。
「後はお任せあれ、元将軍殿」
クツソは愉快や愉快と、扇子で遊びだす。
「それと、クツソ。何を遊んでるの?」
「何を? ワシは将軍ぞ! 口をつつし……」
首にナイフをあてられ、言いかけた言葉を飲み込み震えている。
「お前も予定通り捕まえるわよ」
「ななな!?」
「うやむやになったけれども、元はお前を捕まえに来たのだから」
「そういやそうね」
「みつけました!」
ボロボロに痩せた銀髪や赤毛の少女が彼女達に連れられて数名現れた。
「なぜだ!? これはカリヤスのやったことだ! ワシは知らん!」
「やはり、カリヤスは関係なかったようだなお嬢さん方」
「なぜそう言い切れる!?」
「カリヤスにこの件を聞いたところ、きっぱり知らないと答えたからよ」
「ワシだって知らん!」
「そうやって必死になって他人へ罪をかぶせようとするのが何よりの証拠よ」
たしかに、これではクツソはこの件を知っていてカリヤスへ擦り付けた様子に見える。
「あくまでもワシを疑うのか! では……なぜカリヤスを捕らえた!?」
「そうすればお前が本性を表すでしょう?」
あえて泳がせていたのか、自然すぎて気がつかなかった。
クツソが何を言っても覆しようがなく墓穴を掘るだけ。絶対敵にまわしたくないタイプだ。
「クソオオオオオオ!」
観念したのだろう。死ぬわけでもないのに、断末魔さながらの叫びだ。