お出かけすることにしました
我が家は3人家族と執事のおっさん一人にメイドさんが二人いる。
父親がハニエル・パンプキン(カボチャ?)
母親がカタリナ・パンプキン(カボチャだ)
一人っ子の俺ティオナ・パンプキン(俺もカボチャだ)
執事のおっさんセバスチャン(50代後半だと思う)一人身
メイドさんのサーナさん(20代後半)ぽっちゃり。
同じくメイドのラウおばちゃん(47才)多分執事と怪しい関係。
ちなみにこの世界にカボチャっぽい野菜はあるけど、パンプキンとは言わない。
俺は8才になった。
父親は30前に母親は多分30半ばか40前になったわけだ。
いまだに親の年がはっきりしません。
もちろんマイマザーはまだまだ美しい。
そんな我が家に新しい家族がもうすぐできる。
幼い子供が眠る横の部屋でギシギシアンアンやっていたパパママの頑張りが報われたわけだ。
だけどここで問題が一つ。
これまでは母親が行ってきた長女つまり俺の世話ーというか主に教育と説教を誰がするか。
カタリナママはこれまで道り自分が行うと言い張ったのだが、ハニエルパパプラス使用人ズの反対により却下された。
いわく、問題児の相手は大事な身体に触ると。
失礼な!俺だって中身は17才の高校生である。
ちょっとは自重しますよ?たぶん。
家族会議(使用人ズ含む)の結果、我が家に新たに二人、家族が増えることになった。
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俺の弟か妹ができるのと、もう一人客を迎える準備で我が家の使用人ズはこの頃とても忙しそうだ。
執事のおっちゃんことセバスチャンはもともとハニエルパパの仕事の手伝いもしているうえに、メイドさんたちへの指示や客の来訪の為の馬車や警備の手配、ついでに俺が壊した庭木の整備とホントお疲れって感じ。
メイドさんたちも日頃の家事に加えて身重のカタリナママの世話に客間の準備、セバスチャンの庭木整備の手伝いとずっと動き回っている。
ん?庭は俺のせいじゃないかって
しーらない。
カタリナママはリビングでちっちゃい靴下だの毛糸のパンツだのを楽しげに制作中。
これはチャンスです!
そろそろ魔法の練習に庭は狭くなってきたところ。
8才にして一人で外に出たことのない箱入りお嬢さんから脱却してやるぜ!?
ということで、洗濯物を抱えたメイドその一サーナさんに廊下で声を掛けた。
「ほすの、おてつだいする?」
首を傾げてにっこり。
「大丈夫ですよ~。お嬢様は本でも読んでいい子にしてて下さい」
「うん。じゃあ、本のおへやにいるね?」
「そうして下さい」
俺の返答に明らかにほっとした様子で「よいしょっ」と洗濯籠を抱え直すサーナさん。
書斎に籠っていてくれればしばらくは大人しいとでも思っているのだろうが。
バイバイ、と手を振ってわざとサーナさんが見ている前で書斎の中に入る。
ドアは少し開けたまま。
このドア開ける時に結構音するからね。
さて、これでバレるまでしばらく時間が稼げるだろう。
俺は本を読んでる時邪魔されるのを嫌うので、家の者は皆俺が書斎に籠っている間はほぼ放置だ。
忙しいことだし、2、3時間はきっと大丈夫。
そっと書斎を出て極力音を立てないようにドアをきっちりと閉める。
玄関から出ると途中にカタリナママのいるリビングの前を通るから避ける。
向かうはサーナさんが出て行った裏口。
今なら洗濯物を干しているサーナさんがカギを開けたままにしているはずだ。
帰りは、まあその時考えることにする。
こうして俺は裏口から裏庭をこっそり横切り、家の外へ脱出した。
お嬢様!初、冒険!なーんて。