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第七話 麗華

朝が弱くてなかなか起きられない麗華だが…

ピルリルリル ピルリルリル ピルリルリル 

「…ん?…なに…なんだのよ〜…」

ピルリルリル ピルリルリル ピルリルリル

「…あ〜…何よもう…うっさいなあ…」

ピルリルリル ピルリルリル ピルリルリル

「あ〜うるさい!うるさいったらありゃしないよ!あ〜…はいはい、起きればいいんでしょ!起きれば!って、嘘っ!もうこんな時間?ヤダッ!ヤバッ!」

仕掛けてあったスマホのアラームの1番最後の時間に、やっと起きた。

…と言うことは、その前に仕掛けた早い時間(5分刻み)のは、いつの間にかあたしが勝手に止めてたようだ。

どうしよう…

朝は本当に苦手だ。

まあ、もうちょっと早く寝ればいい話なんだろうけど…。

すっかり学校の支度をしてドタドタと慌ててリビングへ行くと、シーンと静まり返っている。

「えっ?嘘っ?お父さんもお母さんもお兄ちゃんも、みんなもう出掛けちゃったの?」

ハッとして、壁の時計に目を移すと、もう8時半。

「えっ!もう8時半なの?」

なんで?

8時に起きたし、急いで顔洗って、髪とかして、制服に着替えて、部屋にぶちまけてた教科書とか全部慌てて詰めて…自分でもびっくりするほど、素早く動いたよ!だのに、なんでもう8時半?っておかしくない?

なんで朝って時間経つの早すぎんの?

って、まあ、それはいいとして、お腹減っちゃった!

急いで食べなきゃ!朝ご飯!朝ご飯!

それと、お弁当!お弁当!忘れちゃならない1番大事なお弁当。

あれ?

食卓テーブルの上にいつもの包みがない。

でも、冷たくなった厚切りトーストとカリカリベーコン、それと目玉焼き。

その横に申し訳程度のくし切りのトマト2切れはある。

「え?あれっ?今日、パン買えってこと?」

と言いつつ、テーブルの上を見ても、「パン代500円」も置いていない。

その代わりに、チラシの裏を用いた母からの伝言。

「麗華、おはようさん!何回起こしに行っても起きないから、お母さん、もうパートに行ってきます!今日から自分でお弁当作るって言ってたから、お母さん作らなかったよ!じゃあね!出る時、戸締りしっかりね!あと、遅刻はダメだよ!」

…お弁当自分で作る?

え〜と…そんなこと言ったっ…

「け」が出る前に、思い出した。

(お母さん、あたし、明日から自分でお弁当作るね!)

そうだった。

なんでそんな宣言しちゃったんだっけ?

…あ!そうそう…仲良しのなっちゃんも、栗りんも、ほとんどのクラスの女子が自分で作ってると知って衝撃を受けたからだった。

「だって、お母さん忙しいから」とか、「自分で食べたいおかず詰めたいから」とか、「彼の分も作るからお揃いで」などなど、みんな大人だなあって深く感心したんだった。

それで「あたしも」って…

あの時はものすごい一大決心だったんだよなあ…って、昨日の話だけど…

それで夜中までどんなお弁当にしようかって、冷蔵庫の中身確認して、お母さんに使っていい食材を聞いて…

立ったまま口をもぐもぐ動かしながら、使った食器をシンクへ。

どうしよう…8時55分までに学校に到着しなければ!

学校まで自転車を必死にこいで7分だから…え〜と、今、8時34分だから…まだ大丈夫!お弁当作らなきゃ!

いける!

だってまだ時間あるもん!

急いで歯を磨き、冷蔵庫を開けると、そこにお弁当にぴったりのおかず達。

「お母さ〜ん!おかず作って置いてくれたんだ〜!ありがとう!」

台所の端に綺麗に洗って干してある自分の弁当箱に、せっせとご飯とおかずを詰めていく。

時折りちらちらと時計を見ながら、慌てて手を動かす。

おかずの仕切りなんて、この際どうでもいい。

とにかく、この弁当箱におかずとご飯が詰まってたら、それでいいのだ。

学校のお昼休みに、腹が減って困るのは自分。

バイトの給料日前だから金欠で、パンや学食でラーメン食べる余裕なんてないんだもん。

「これでよし!」

洗い物は帰ってからやります!

そう言いながら、とりあえずシンクの水を張った洗い桶の中に朝ご飯の食器と一緒にドブン。

時間は?

8時45分。

やった!楽勝!楽勝!

余裕じゃんよ〜!

しっかり戸締りをして家を出た。


〜昼休み

「あ〜お腹空いた〜!」

なっちゃんと栗りん、きーさんとわかっち達、いつものメンバーでお弁当。

「さてさて…」

弁当箱を開けてゲンナリ。

「あれ?麗華どしたの?なんかガチョーンって顔してるけど。」

「うん、なんか麗華元気ないね?具合悪いの?大丈夫?」

「あ、ホントだ!どしたの?さっきまであんなに元気だったのに。」

心配してくれるみんなに弁当箱を開けて見せた。

「ど、どしたの?これ…」

「…今日から自分でお弁当作るって宣言したけど、今朝寝坊しちゃってさ…冷蔵庫にお母さん、おかず作って置いてくれてたから、急いで詰めれるだけ詰めたの…とりあえずお腹が膨れりゃいいやって…それがこれ………」

「…あ…あのさ…麗華…元気出し…」

なっちゃんが心配そうに言ってくれると同時に、「ぶっ!わ〜はっはっはっはは〜!」と、自分でなんか吹き出してしまった。

あたしにつられて、気を遣ってくれてた面々も一緒にゲラゲラ笑ってくれた。

それが救いって感じ。

見た目はぐちゃぐちゃと言うか、慌てて詰めました感満載だけど、味は抜群!

やっぱお母さんが作ってくれたおかず、美味しいなあ!

って、冷凍のおかずも多いけど。

ハハハ。

…で、明日から、明日から、ちゃんと早起きして自分で作るぞ〜!

お〜!

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。

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