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起
お久しぶりです。
書き留めようと試みたのは
好きなことばが浮かんでは消える
その事実がサクサクと胸を刺すから
刺し傷が癒えないうちに重なってゆくから
この感受性が繋いだことばを
次の日の私が忘れてしまうのは
あまりにも切ないと思ってしまった
いつかどこかで
同じように世界を見る人へ
届けばいいと願ってみる
曇り空は、グレーに光る空
満開の桜は、美しき別れ
新月の夜は、星のための夜
葉の裏の筋は、生命の動き
哀しみはきっといつか、肥料になって
喜びはめぐりめぐって、優しさになる
そうであれと願い、
そうありたいと噛みしめ、
新しい一日を迎える
朝日が柔らかい日と
少し痛い日があって
けれどそれは等しく
角膜をしっとりと潤す
ああ、何の夢を見ていたんだっけ