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74 ギルドに入ってから、宿屋へ

今話も読みに来て頂き、ありがとうございます。

 ギルド内に入った二人は、ひと通り内部の造りやそこに居る人たちを見てからトマが言った。


「アークシュリラ。いつもの様に掲示板に行く? それとも先に受付?」

「受付に行って、宿屋を聞いてからかなぁ」


 二人は受付に行って、宿屋を紹介してもらった。


「じゃ、掲示板を見ようか」

「そうだね。この街では、どんな依頼が有るかなぁ」


 トマとアークシュリラは、下のランクから依頼の用紙を眺めていく。


「あまり、面白そうなのはないね」

「そうだね。どれも戦ったコトのある魔物ばかりだね」


 二人の見ている依頼が低ランクの冒険者を対象にしたモノなので、討伐する魔物も草原を歩けば出くわすウルフやマダーフォンなどであった。

 たまにゴブリンもあったが、その数は数匹程度である。


「こっちはどうかなぁ」


 アークシュリラは中ランクから、高ランクの依頼がある所へ移動していく。

 どこのギルドでも、低ランクの依頼が一番多い。

 それは、ギルドに集う冒険者のレベルが低いと言う意味ではない。

 依頼する方も高いレベルが対象だと報奨金が高くなるから、そう易々と依頼を出すことはできなかったからである。

 そんな冒険者が対象になるモノは、領主などの街を運営する人たちや貴族が出すコトになる。

 基本的にそう言った者たちは自分たちで兵士とかを所持しているので、報酬を払ってまで依頼する数はおのずと減ってくる。

 さらに、街自体に危険が迫るほどの魔物を討伐する機会は、そう滅多に訪れないコトも起因する。


「アークシュリラ。どんな感じ?」

「ナンか面白そうなのはあるけど、受けさせてくれるかなぁ」

「どれ?」

「このガヴェルーラ退治だよ。巨大なヘビだって」

「時間があったらね。私たちがここに来たのは、ノドーラを捕まえているモノを見つけるか、情報を入手するコトだからね」

「そうだったね」


 二人はギルドを出て、紹介してもらった宿屋に向かった。

 そこで、図書館へ行ってノドーラについて調べるため、二日ばかり部屋をとった。


 食事はいつでも出来ると言われたが、あまりお腹が減っては居なかったので先ずは部屋に行って落ち着こうとなった。


 部屋にはベッドがそれぞれの壁際に2つ離れて設置してあり、その足元の方に2つの椅子と小さなテーブルが置いてある。

 アークシュリラが、ベッドに倒れ込んでから言った。


「久しぶりに、ベッドで寝れるね」

「本当にそうだよね」

「明日は、朝から図書館で良いの?」

「ノドーラについての情報があれば、攫ってナニをしてるかが判るかも知れないからね」


 少し雑談をしてから食堂へ下りていった。

 食堂は泊まらない人にも食事や飲み物を提供しているようで、旅などはしないだろうと思われる老人や、筋肉の付き具合からあからさまに住民と思える人も混じってにぎわっていた。

 そこでの食事は、骨付きの肉を焼いたモノがでた。


 酒も呑めるので、一部の人たちの話し声も大きくなっている。

 二人は別に聞き耳を立てている訳では無いが、色んな会話が耳に入ってくる。

 さすがにこういう処では、コビトを攫ったとか捕まえたなどと云う、会話はしないだろう。

 しかし、冒険者たちなら魔物が現れたとか、どこどこで戦いがありそうだなど、二人にとって面白そうな話をしている場合もある。


 と云っても、情報収集に精を出しすぎて酒場に長居をすると、酔っぱらいに絡まられる恐れが高くなるから席を立つタイミングが重要になってくる。


「トマ。もう良いかな」

「うん。大丈夫」


 二人が席を立とうとすると、ノドーラと云う単語が耳に入って来た。


「トマ」

 アークシュリラが小声で言った。

 トマは頷いて店員にエールのお替わりを頼んでから、二人は座り直した。


「魔法はマズいから使えないけど、アークシュリラは聞こえる?」

「やってみるよ」

 アークシュリラは、目を閉じて集中をして聞き耳を立てている。

 トマも一応聞き耳を立てたが、周囲の雑音に阻まれて上手く聞き取れなかった。


 少しして、アークシュリラが言った。

「トマ。なんか市場の裏で、取り引きがあるらしいよ」

「取り引き?」

「うん。多分同じ人だと思うけど、ナニの取り引きかまでは聞き取れなかったよ」

「それは、いつあるの? それと、話しているのが、誰か判ったの?」

「そこまでは判んないね。でも、話し声がしてたのは、ボクから見て左側だけどね」


 トマは、自然という感じに体を左右に捻って、自分の右側を見た。

 何人もの人々が、テーブルを囲んで食事をしたり飲酒をしたりしている。


「あの中に居るの?」

「誰とは言えないけどね」

「その人たちは、仲間なのかなぁ」

「もし、取り引きがボクたちの探しているモノだったら、買うだけかも知れないけどね」


 こんな不特定多数が利用する場所で話し合っているコトは、捕まえていない可能性が高い。

 しかし、この街の法律に違反をしていないなら、捕まえていても罪の意識などはないから話しているコトも考えられる。


 頼んだエールを飲みきったが、その間でノドーラに関する会話は聞き取れなかった。

 これ以上、ここに居ても新たな情報を入手出来そうもなかったので、二人は部屋にもどるコトにした。


「ノドーラって聞こえた気がしたけど、あすこに居た人の中に本当にそんな話をしていたのかなぁ」

「そうだよね。聞き違いってコトもあるけど、似たような単語って私は知らないけどね」

「そう言っても、あの時以外でノドーラって云う単語が聞き取れなかったから……それに、取り引きがあっても違う商品ってコトもあるけど……」

「アークシュリラは、市場の裏を見にいきたい?」

「イツやるかが判んないから、行っても取り引きをしている人たちに会えるとは限らないしなぁ」


 ナニかの取り引きが近いウチに行われるコトだけは判ったが、それがノドーラの取り引きなのかは判らない。

 朝からずっと何日も張り込んでいて、もしも取り引きの現場を遭遇したとしても、普通に市場で取り引き出来ない商品の可能性もある。

 今回の二人は、それらの取り締まりや摘発をする訳ではない。


「じゃ、最初の予定通り、明日は図書館で良い?」

「それが目的に到達するには、一番早いかなぁ」

●最後まで読んで頂きありがとうございます。

誤字脱字はチェックしているつもりですが、多々漏れる事があります。

ご指摘下されば、どうしてもその漢字や文章を使いたい場合以外は、出来る限り反映させて頂きます。


●今回は、トマとアークシュリラ二人が新しい街に入ってからのお話です。

二人は戦闘能力はチトーでも、捜索能力は全くダメダメですからこうなりますよね。

どこぞの名探偵みたいに、わずかな手がかりから簡単に犯人を見つけられれば良いのですが……そうもいかないですね。


私としては、名探偵顔負けの能力で事件を簡単に解決してくれた方が楽なのですが……

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