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73 街を見つける

今回も読みに来て頂き、ありがとうございます。

 アークシュリラに、気配(ツァイヘン)の魔法について説明を受けたトマが言った。


「判ったよ。それなら、アークシュリラを信じて進もう」


 二人は草原を歩いていく。


「アークシュリラは、ノドーラについて知っているコトってある?」


 トマもファリチスにコビトが居なかったコトは知っているのに、ボクに聞いてきたってコトは……

 それならと、ウィンデラスから色々と教えられたモノの中にあるかもと考えて、自身の記憶を辿ってみた。

 しかし、ノドーラに関するモノは全く無かった。


「ファリチスに居なかったし、そんな記憶もないから、全く知らないね」

「私もノドーラにどんな能力があるのかとか、知らないんだよ。だからナンで攫っているかを推察も出来ないね」


 そもそもノドーラでなければダメなのか、それともコビトならナンでも良いのかすら解っていない。


 そんなコトや今夜のご飯などを話しながら歩いている。

 そして遠くに塔が見えた。


「あれって、塔だよね」

「本当だね。そうなると大きな街だよね」


 高い塔を建てる技術や意味がある街で、面積が狭いとか人口が少ないと云うコトはあまりない。

 塔の使用目的によるが、だいたいが街の周囲を警戒したり、領主などの館を立派に見せたりするモノであるからだ。


 次第に、街の全体が見渡せる位置に着いた。

 街の外周を高い壁が囲んでいるし、所々にそれより高い櫓がいくつも見える。

 櫓には、弓を背負った兵士が数名ばかり見えた。


「とっても大きな街だね」

「トマが言った通りだったね」

「まぁ、始めて使った魔法じゃ、感覚が判らないから仕方ないよ。私だってそうだったからね」

「そうなの?」

「防御をする魔法がいくつも存在するコトは知っていても、つい感情的になって忘れたコトはあるよ。何回も放っていつもと違う感覚を覚えたら、どうしてなのだろうと考えるコトも必要だね」

「その感覚が判らないコトにはダメだよね」

「そうだけども、アークシュリラなら経験していれば判ると思うよ」

「判るように、頑張るよ」

「じゃ、街の近くに行ったら気配(ツァイヘン)の魔法を掛けてみれば、これだけ巨大な街なら結界や対魔法(アンチマジック)は掛かっているからね」

「うん、試しに掛けてみるね」


 二人は街を囲む外壁沿いを歩いて、ひと気のない所へ移動した。

 それでも壁際にいくつも建っている櫓からは、トマとアークシュリラが確認出来るだろう。


気配(ツァイヘン)

 そしてアークシュリラが呪文を唱えたが、特に変化は無かった。

 少ししてからアークシュリラが言った。


「街の中も範囲だから人は居るハズだけど、本当にナニも反応しないね」

「今、使った魔法がナニによって阻まれたかは判った?」

「ここに居るから判ったけど、魔法じゃ判んないよ。この違和感は結界だよね」

「そうだけど、魔法で判ったんじゃ無いの?」

「うん。調べる魔法は風にもあるけど、今のボクではナンかがあるしか判んないよ」

「剣術と同じで、これも経験をするしかないね」


 まだアークシュリラは魔法に慣れて居ないから、反応の差異が良く判って居なかった。

 この世界にある魔法は、使えば答えが頭の中に表示されるモノではない。

 トマが使った感知魔法でも魔力の強弱は判るモノの、それがナニによって発生したかは判らない。

 なのでトマは、自身の経験に基づき正解と思うモノを選んでいるだけである。

 そのために、自分が書物などから知り得た知識や経験したコトがない場合は、正解を導きだすコトは出来ない。


 アークシュリラはその後も、いくつかの魔法を壁に向かって放った。

 もちろんそのどれもが、中に居る人には感じられないほどの弱いモノである。

 まぁ、街に居るレベルの高い魔法使いなら感じ取れるけど、そのどれもが街を壊すレベルではない。

 なので、子供が練習をしているくらいにしか思わないだろう。


「どう、感覚はつかめた」

「まだ、判るヤツと判んないヤツがあるけどね」

「そう。少しでも判れば充分だよ。だったら、これ以上は無理だから街へ入ろうか?」

「そうだね」


 トマとアークシュリラは、門に備え付けられた扉の内側に居た守衛にギルドカードを見せて先へ進んだ。

 その時に確認したが、外周を囲む壁は厚さが2メートルもあった。


「この壁って、こんなに厚かったんだね」

「壁の上を歩けるかもよ」

「そうだね。櫓に居た人たちは武器を持ってたけど、あすこで戦うよりか壁の上で戦うかもね」


 そこを抜ける処にも頑丈そうな扉があって、その先に街が広がっていた。

 外周を囲うモノの厚さは良くある20センチメートルくらいの壁ではなく、まるで低い櫓が連続してある様だった。

 なので、いくつも連なって居るので、櫓より長城と云った方が正しいのかも知れない。


「大きな街だけあって、建物も立派だね」

「そうだね。石畳もあまり凸凹してないよ」

「トマ、先ずはギルドで良いよね」

「そうだね。先に宿を取らないとダメだよね」


 今日も野宿だろうと、あまり時間を気にしていなかった二人だったが、せっかく街に居るのにわざわざそれを選択する必要はない。


 ギルドの場所は入場するチェックの待ち時間に守衛に聞いたので、おおよその位置は判っている。

 それに向けて歩きながら、店先に並ぶ商品を眺めている。


「なんか変わったモノがあるね」

「あの葉っぱみたいなヤツだよね」

「そのまま食べるのかなぁ」


 何軒かの店先に、緑色の葉っぱから黄色い細い糸みたいなのが出ている、ダガーくらいの大きさのものがあった。

 その横にはトマトやニンジンがあるから食べ物と思うが、葉っぱを食べるのか、はたまた糸みたいなのが葉っぱの中にあってそれを食べるのかが判らない。


「宿屋が決まったら、買いに来ようよ」

「そうだね」


 そんな話をしながらギルドへ向かった。

 ギルドの建物は五階建ての重厚な石造りであり、良い意味で古色蒼然と街の景色に溶け込んでいる。


 トマとアークシュリラの二人は久しぶりのギルドで、この様な重厚な建築物に気圧されて入るのに二の足を踏んでしまった。

 なので少しの間、建物の出入り口でただ立っているコトになった。

 そして勇気を出して、分厚い扉を引いて中へ進んだ。

 中も外と同様に、長い年月を感じさせる造りになっている。

 いくら歴史を感じさせるモノでも、ギルドはギルドでしかない。

 当然のように、依頼の掲示板はあるし受付のカウンターもある。

 それらは見慣れた設備なので、この様な所でも二人が行き先を間違えるコトはない。

●最後まで読んで頂きありがとうございます。

誤字脱字はチェックしているつもりですが、多々漏れる事があります。

ご指摘下されば、どうしてもその漢字や文章を使いたい場合以外は、出来る限り反映させて頂きます。

●今回は、トマとアークシュリラの二人が、新しい街を発見するお話です。

さて、ノドーラ攫いのモノはこの街に居るのでしょうか。


ダガーくらいの葉っぱに包まれた、黄色い紐のあるモノって何でしょうか。

随分と歩いているので、そろそろ見たことのないモノがあっても良いのかなぁと思いだしました。

ノドーラの物語に話しに影響するんでしょうか?

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