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71 この魔力はナニ?

本日も読みに来て頂きありがとうございます。

 二人はトマが感知した魔力がある処へやって来たが、そこにはナニモノかが居た痕跡だけしか残っていなかった。

 誰も居ないのでは見聞きすることが出来ない。


 トマは経験や記憶を頼りにこの魔力がナニによって発生したのか、短時間のウチに思索を巡らしていく。

 そして、いくつかの事象にまとめてからそれの思考検証も高速で行い、二つの候補にしぼってからアークシュリラに語った。


「これ程の魔力を必要とするのは、召喚が一番近いけどね」

「呼び出すレベルは、どのクラス?」

「アークシュリラが魔法を使った前後に発動させたとしたら、残存魔力から言って眷族でも下級レベルだね」

「なら、危険はないんでしょ」

「いや、アティンヴェスも下級レベルだと思うよ」

「アティンヴェスね。そんなのを呼ばれたら事件だよね」

「火の眷族にだって魔法攻撃はダメとか、イヤ、もっとやばい物理的な攻撃が効かないのも居たと思うよ」

「物理的な攻撃が……」


 アークシュリラは、自分の剣術が効かない相手が居るコトをトマから改めて言われたので、もしその相手と対峙したときはどの様にすれば良いかを考えた。


 トマはアークシュリラが返事をして来ないので、続けて話をした。


「他には、封印かなぁ」

「火の封印? それは、普通のと違うの?」

「うん、違うよ。普通のは魔法で対象が逃げないようにロックを掛けるけど、それは火の精霊などに見張らせるからね」

「えっ、精霊を使うの?」

「そう、魔法は年月を経るに従って弱くなるけど、精霊だとそれが起こらないからね。でも、封印するモノよりも強い精霊じゃないと効果は期待出来ないから痛し痒しだね」

「他の属性……風にもあるのは、使う精霊を変える意味なの?」

「そうだよ。どの属性も一長一短があるけど、火は閉じ込めるのも強力だし、その上、対象を弱体化できるからね」



*************************************************

 この世界での封印魔法について、少し説明をします。

 この世界に封印魔法は、大きく分けて二種類があります。

 一つは属性のないモノで、もう一つが属性のあるモノです。

 ちなみに、一般に言われている封印魔法は前者を指します。


 属性のない方は、対象を閉じ込めるためのロックに魔力や魔石とか護符を使用します。

 ですから、長い年月の間に魔力や魔石の力が減少したり、魔石や護符が劣化とか損耗したりして封印が解けるコトが起こります。


 一方、各属性の封印魔法は、封印をするために各属性の精霊を使います。

 精霊と云えども不死ではないですから、死ぬことはあります。

 死んだら封印は解けるのではと思われますが、精霊は自身が発生した現象がなくなるまでは、死んでも同じ状態で即復活するので永遠に近い封印が可能です。


 火の精霊――炎の精霊を例にしますと、この世界から炎と云う現象がなくなるまでは、誕生した姿形で直ぐに復活すると言うコトです。


 各属性とは火以外に風や水、土にも封印の魔法は存在すると云うことです。

 その中で強力に閉じ込められるのは土ですが、対象にはなんら影響を与えるコトはありません。

 火の封印は、封印されたモノを徐々に弱体化させていきます。

 直ぐに封印が解かれなければ、万が一にでも封印が解けた場合の被害は少なくてすみます。

 土に次いでの閉じ込める力もあります。


 水ですと閉じ込めた対象を徐々に無力化するコトが出来ますが、長い年月に亘っての強固な封印は施せません。


 風は封印と言うよりかは檻みたいな感じで、悪さが出来ないくらいの微弱な魔力が周辺に流れてしまいます。

 それを気にしなければ、一番長い期間に亘って対象を動けなく出来ます。

*************************************************



「そうなんだね。それで、トマはこの魔力はナンだと思うの」

「魔法を使ったモノが普通の人間で、更に初心者でなければ召喚だと思うけどね」

「召喚だと、ボクたちが探している人ではないのかなぁ」

「一概にそうだとは言えないけどね」

「もしかして、供物?」

「召喚されたモノがコビトを欲しているかは判らないけど、捧げている可能性はあるよ」


 一般的に供物は狩った動物だったり、採集した果物であったりする。

 中には生きたままの状態でなければ、受け取らないモノも存在する。


「三ヶ月だよ。トマはその間にナン回くらい召喚をしたと考えるの?」

「最低でも二回かなぁ」

「二回ね。ボクは今回が始めてと思うけどね」

「始めての根拠はあるの? 私はあるよ」

「じゃ、聞かせて」

「ヘルタフはいくら聞いても、何人が捕まったかは教えてくれなかったじゃん」

「そうだったね」


 アークシュリラが助け出す人数を知ろうと幾度となく聞いても、ヘルタフは攫われた人数を教えてくれなかった。

 そこでトマとアークシュリラは、ただ人数を知らないだけと判断したのだった。


「最初に召喚をして依頼したところ、供物は獣臭いモノ以外にしろと云われたと思うんだ。そんなモノがいるのかと探している途中でノドーラを見つけた。そして数が揃ったから再び召喚魔法を使った感じじゃないかとね」

「だから最低でも二回なのか。じゃ、もうノドーラは、そいつらの手元に居ないということ?」

「もし、この魔力が召喚魔法を使ったモノだったら、私はそうだと思うよ」


 トマの理由を聞いて、アークシュリラはふと疑問が湧き上がった。


「供物は獣臭いモノ以外って言ったとトマは言うけど、供物を指定するコトがあるの?」

「普通はないよ。もしノドーラを見つけられなければ、召喚は成功しないからね」

「そうだよね。コビトは見つけるのが大変だもんね」

「私だったらそんなコトを言われたら、そのモノをあきらめて他のモノを召喚するよ」

「納得してないけど、トマの理由は判ったよ。でも、そうまでして呼ばなければならない、下級レベルの眷族っているの?」

「それに目星を付けるコトは難しいね。相手がどういった意図を持って呼んだか判らないからね。それと、残っている魔力量の感じと一番合うのが召喚魔法ってコトだけで、実際には違うかも知れないけど」


 そもそも、実際に使った魔法が判明しないコトには、いくら話し合った所で意図なんかが判るコトはあり得ない。

 今時点で明らかに成っているモノは、この魔力が戦闘によるものではないコトと、魔法陣を設置や発動させたコトにより起こったモノでもないと云うコトだけであった。

 そして、この場所に居た人たちの行方も、杳として判らなかった。

●最後まで読んで頂きありがとうございます。

誤字脱字はチェックしているつもりですが、多々漏れる事があります。

ご指摘下されば、どうしてもその漢字や文章を使いたい場合以外は、出来る限り反映させて頂きます。

●今回は、トマがアークシュリラに残っている魔力が発生した原因を想定して話すお話です。


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