48 それぞれの話し合い
今回も読みに来て頂きありがとうございます。
タイトルを変えました。
●この物語に出てくる魔法や職業に付いているルビや漢字表記は独自解釈の箇所があり、一般的なファンタジーのもの(小説やゲームなど)と異なる場合があります。
●誤字脱字はチェックしているつもりですが、多々漏れる事があります。
ご指摘下されば、どうしてもその漢字や文章を使いたい場合以外は、出来る限り反映させて頂きます。
アシュミコルとサラステーヴァが話し合っている頃、偶像の後ろにあった空間にいるトマとアークシュリラは、これからどうするかを話し合っていた。
アークシュリラはトマが感じた違和感を自分では抱かれないので、床に描かれているマークの付近に魔方陣があるとも無いとも言えなかった。
それでもトマがこれだけこだわるのだからあるのだろう、でも数時間も探して見つけられなかったのも事実なので、これからも見つからない可能性もある。
ならばトマの意見を無下に否定するコトはしないで、やんわりと言えば良いかなぁと考えてトマに言った。
「やっぱり、穴を開けようよ。トマが言う魔方陣をだすより確実だからね。それに敵が居たらボクがナンとかするから」
確かに自分が言っている魔方陣が、絶対にある保障は出来ない。
それは今まで自分が経験したどの魔方陣とも発する魔力が異なるモノだったから、あの違和感は魔法陣の発するモノではないのかも知れない。
それでも、確かにあの場所からなんか違和感を抱いたので、それがナンであるかを確認したいと言う思いがトマにはあった。
トマとしてはその思いだけなので、まだ魔方陣を探そうとは強くは言えなかった。
「でも、アークシュリラ。物理攻撃が効かない相手だったらどうするの?」
「剣で切れないってコトかぁ。そうなるとお手上げだね。ボクの魔法って、まだ全然だからね。でも、トマだったら平気でしょ」
「うん、多分ね。アークシュリラは、それでも良い?」
「良いよ。でも、ボクの攻撃が効かない相手が絶対に居るって決まった訳ではないよね。誰も居ないってコトもあるしね」
アークシュリラは自分が戦えなくても良いと、覚悟を決めている感じがトマにはした。
ならば四の五の言ってないで自分の出来るコトをやるだけ、自分が知りたいと言う欲求はこの際捨てよう。
「そうだね。外へ出ないコトには、ナニも変わりはしないよね」
トマとアークシュリラの二人は、先ずは出入り口の確保をしようと決めて、通路の行き止まりまで行った。
「じゃ、ボクは準備が出来たから、トマのタイミングで魔法を放って」
相手に物理攻撃が効くか効かないかは、斬り付けてみなければ分からない。
アークシュリラは剣の柄に手を添えて、相手が万が一攻撃して来ても良い体勢をとっている。
アークシュリラが斬り付けて相手に効いてなければ、自分がやるだけとトマは思って言った。
「判ったよ。火球!」
トマが今は塞がっている壁――一本道の突き当たりに杖を向けてそう言うと、複数個の火の球が杖の先から勢い良く射出した。
それらが壁に当たって、もの凄い爆発音が周囲に響く。
爆炎が収まって壁の火球が当たった所を見たが、壁は崩れるどころかキズ一つも付いていなかった。
「結構、魔力を込めたんだけど……あれで穴があかないの?」
「トマ、もう一回、放てる?」
「うん。今度は、魔力を込められるだけ込めてみるよ。火球!」
今度は先ほどと比べようのない数と大きさの火球が壁に向かって飛んでいった。
そして、それが壁にぶつかって爆ぜた。
少ししてから、もの凄い衝撃の爆風が二人を襲って来る。
そのために、二人は数メートル後方に弾き飛ばされてしまった。
二人は起き上がって火球がぶつかった所を見たが、やはり全く変化はなくまだ壁はそこにあった。
「あれで壊れないの?」
「ダメだった様だね。じゃ、他の方法を検討しよう」
突き当たりの壁が簡単に壊れないからこの場所で話し合っても良かったが、偶像がある空間と一本道の境が塞がって仕舞ったらもう出来るコトが無くなってしまう。
まだ、偶像の後ろなら魔方陣を出す方法を見つけるとか、偶像を破壊するとか出来るコトがある。
トマはそう考えて言った。
「そうだね。もう一度、あそこに戻ろうか」
二人は、再び偶像の後ろにあるスペースに行くことにした。
話は、サラステーヴァとアシュミコルが会話している処に戻る。
「ウィンデールが、着たようだな」
サラステーヴァがアシュミコルに言う。
「そうか」
サラステーヴァとアシュミコルが話し合いをしている所に、ウィンデールがやって来て空いている席に着いた。
「これで揃った訳だな」
サラステーヴァは話し合いの主導権を握ろうとして、ウィンデールが席に着くなり先ずそう言った。
「ところで、どこまで話が進んでいる」
「全く進んでおらん」
「そうか。ならば、吾がこのまま話に加わっても大丈夫だな」
「あぁ、構わん。アシュミコルは少々疲れたようだからな、ウィンデールよ手助けをしてやれ」
「ところでサラステーヴァよ。あの二人を何処に隠した」
「なんのことだ」
ウィンデールは、サラステーヴァがトマとアークシュリラの二人を知らないとは思ってはいない。
けれども本当に知らなかったら、話し合いをこれ以上続けても仕方ない。
そこでウィンデールは、トマとアークシュリラの容姿などを説明した。
「そのモノなら、ワラワの神祠へ勝手に侵入してたな」
「神祠なら、断りもなく、勝手に入るものだろう」
「秘してある霊廟だと言えば、判るか」
「そうか。それでその二人をどうするつもりだ」
「このまま放置しろとアシュミコルに言われたから、そうするつもりだ」
ウィンデールはアシュミコルを一瞥してから、サラステーヴァに尋ねた。
「二人の力だけで、外に出れるのか?」
「ワラワの秘してある霊廟だから、人間の能力では絶対に不可能だな。お主らの所もそうであろう」
この世界には、数え切れないほどの祠がある。
それは生き物たちが信仰するためにこしらえたモノや、神々が自から造ったモノもある。
前者は生き物たちや年月で破壊や破損するコトもあるが、後者は他の神による攻撃以外では壊れるコトがない。
まして秘密の処となると普通は見付けるのすら大変なので、壊れるコトはまずあり得なかった。
「確かにそうだな。それにしても、あすこが秘してある霊廟なのか?」
「ウィンデール、お主は知っているのか?」
「風が流れれば、私たち風の神々は認識出来るコトを忘れた訳でもあるまい」
「そうだったな。それでお主があのモノたちのために、出入り口を作ってやるのか」
「水の神の神祠に対して、そんな無駄なコトはせん。たとえ今から作業を始めて出入り口が完成したとしても、その時にはあの二人も寿命を迎えているだろう」
「それが賢明だな」
神々が他の神のやったことに何かをするのは、非常に長い歳月を要する。
今回のように出入り口を作り出すだけなら、ウィンデールにとってはサラステーヴァの許可を得ずとも500年もあれば可能である。
神々からすればそれは些細な時間だが、地上で生きるモノにとってはとても長い。
確かに地上には長寿命の生き物も居るが、神々のように無限に近い寿命はない。
精々長くても千年単位だった。
●最後まで読んで頂きありがとうございます。
誤字脱字はチェックしているつもりですが、多々漏れる事があります。
ご指摘下されば、どうしてもその漢字や文章を使いたい場合以外は、出来る限り反映させて頂きます。
●今回のお話は、トマとアークシュリラもちょっと出て来ますが、メインはサラステーヴァとアシュミコルやウィンデールの話し合いです。
やっぱり神さまには、トマの魔法では太刀打ち出来ないですよね。
力技でダメだったので、二人はどのように脱出するのでしょうか?
違和感の正体を見つけるのかなぁ……




