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34 新しい街に入る

今回も読みに来ていただき、本当にありがとうございます。

●この物語に出てくる魔法や職業に付いているルビや漢字表記は独自解釈の箇所があり、一般的なファンタジーのもの(小説やゲームなど)と異なる場合があります。

●誤字脱字はチェックしているつもりですが、多々漏れる事があります。

ご指摘下されば、どうしてもその漢字や文章を使いたい場合以外は、出来る限り反映させて頂きます。

 二人が道を進につれて、遠方にわずかにしか見えなかった塔が次第に大きくなって来る。

 そして街を囲む壁も、はっきりと見える様になった。

 その壁は、石を野積みに積んだモノではなく、キレイなレンガを積んだものである。

 更に、ただ街を囲むと言うよりも随分と高く頑丈そうに二人には見えた。


 街道から続く壁の一部分に、門が設けられている。

 その門も木製ではなく金属で作られており、簡単には破壊出来なさそうであった。


「なんかスゴいところだね」

 アークシュリラが隣で歩いて居るトマに言った。

「そうだね。すごく頑丈そうだね。アークシュリラ、あすこに並ぶみたいだよ」


 二人が思っていた通りに、何名かの甲冑に身を包んだ警備兵によるチェックが行われていた。


「トマ。やっぱり、やっていたね」

「うん、やってたね」


 二人は警備兵にギルドカードを見せて、門をくぐった。


「道も石が敷き詰められていて、本当に大きな街だね」

「建物も立派だよね」


 二人は街へ入る際に冒険者ギルドの場所を警備兵から教えてもらっていたので、それを目指して進んでいく。

 その時に通り道の両側にある店などで、売っている商品やその値段も確認している。


「アークシュリラ。ギルドでアーマイザは売るの?」

「今はお金に余裕があるし、売らないつもりだよ」

「じゃ、情報収集と宿を教わるだけだね」


 アークシュリラはお金に余裕があると言ってはいるが、本心としては全く売るつもりがなかった。

 トマももしアークシュリラが売ると言ったら、自分がもらい受けるつもりでいた。


 二人は難なく冒険者ギルドへ着いて、建物の中に入った。

「人が多いね」

「なんか、あったのかなぁ」

 冒険者ギルドの中には大勢の人が居たが、その人々からは特段ナニかを待っている感じはしなかった。


「でも、受付に並んでいる訳でも、誰かを待っている訳でもなさそうだよね」

「確かにそうだね。ならば、いつもこんなに人が居るのかなぁ」

「そうじゃないかなぁ。とりあえず掲示板を見ようか」


 二人はギルド内の人々にぶつからない様に注意しながら、掲示板の前にやって来た。


 どこのギルドでも同じだが、ギルド内でのケンカは、職員の目もあるから普通は発生しない。

 だから、別に多少ぶつかってもケンカになる様なコトはない。

 しかし普通はであって、絶対に発生しない訳ではなかった。


 冒険者の中にはギルドに目をつけられている要注意人物もいるし、そもそもギルドに所属すらして居ない夜盗まがいのアウトローもいる。


「トマ、このコーコディェンってナンだろうね」

 アークシュリラはトマに小声で聞いた。

 トマは顔を横に振ってから、アークシュリラに小声で尋ねる。

「アークシュリラ。こっちのカングレイホって知っている?」

 アークシュリラも顔を横に振った。


 二人はギルドの掲示板でコーコディェンとかカングレイホなど、聞いたコトのない魔物の討伐依頼を幾つか発見した。


「どっちも、依頼レベルはAだね。ボクたちではまだ受けられないね」


 ギルドの職員にどんな魔物か聞けば、きちんと教えてくれるだろう。

 しかし、外野が『そんなことも知らないのか?』とちょっかいを挟んで来る確率が非常に高いから、それをギルド内で聞くコトはしなかった。

 ギルド内でのケンカは先ほども述べたとおり基本的に御法度だが、初心者の冒険者をからかうモノはいる。

 いつも通り受付で宿屋を教えてもらって、街の散策より先に宿屋へ行くことにした。


「コーコディェンとかカングレイホって、どんな生き物ナンだろうね」

「依頼書に絵が描いてあれば良いけど、さすがに名前だけじゃ分かんないよね」

「図書館に行って調べれば、分かるかもよ」

「そうだよね。後で図書館にも行こうよ」

 ギルド内にも簡易な図書館……いや図書室に魔物図鑑とか近隣情報のガイド程度は置いてある。

 今回はそこで調べて居て、他の者に絡まれたら面倒なのと、久しぶりの宿屋なので早く部屋でゆっくりしたかった。


 そこで二人は宿屋でいつもより一日長い二日間の部屋を借りて、今は部屋でのんびりしている。


「アークシュリラ。ここまで来る途中で売っていた商品の値段って、そんなに高くは無かったよね」

「そうだね。宿屋の料金も手頃だったしね」

「少ししたら散歩にいこうか」


 二人は図書館に行く道すがら、並んでいるお店を見て回っている。

 明日も丸一日あるのだから、別に今すぐに買う必要はない。しかし、この街では、どんなモノが売られているかが興味はある。


「トマ。ランタンの油ってまだあったよね」

「多分、お店を開けるぐらいは、あると思うよ」

「消耗品で不足気味なのは、保存食くらいだけど……買う?」

「必要?」

「要らないね」


 二人はアイテム袋に入れとけば劣化をしないコトを良いことに、消耗品を大量に購入していた。

 それが可能なのも、ゴブリンキングを倒した報酬があったればこそだった。


 道沿いにあったお店では、特段めぼしいモノはなく図書館に着いた。

 その図書館は石造りの三階建てであり、更に弱い結界の中にあった。


「結界が張ってあるね」

「えっ?」

「アークシュリラ、今通り過ぎたけど分かった?」

「この変な感じがするヤツ?」

「変じゃないけど、そうだよ」


 トマはアークシュリラが少しずつであるけど、確実に魔法を感覚的に捉えるコトが出来ていると感じた。


 図書館の受付で魔物関連の本の場所を聞いて、閲覧方法など説明と注意を受けた。


「コーコディェンってこんな形をしてたんだね」

「蛇に手足が生えたと言うより、ドラゴンの小さいヤツだね」

「でも、ブレスは吐かないらしいよ。それとカングレイホは爪がハサミで、前進せずに横に動くらしいよ」

「両方とも水辺に居るから、危険な生き物だね」


 これらの魔物も、ファリチスの図書館にあった魔物図鑑にも書いてあったハズだ。

 しかしファリチスの傍には沼や湿地は無かったので、二人がその様な魔物を覚えていなかったのも納得がいく。

 そもそもベテラン冒険者でも良く出会うヤツとか、遭ったら危険なヤツは記憶しているが、全ての魔物を覚えている者など存在しないだろう。


「水の中に連れて行かれたら、上手く戦いができないから今回は退治に行かないよ」

「私もそうだよ」

「でも、こんなのが居るってコトは、川や沼とかが近くにあるってコトだよね」

「そうなるね」

「街から出たら、そこへ行ってみようよ」

「変な魔物が現れたらどうする?」

「無理に戦わないよ。ただ見るだけなら問題はないでしょ」

●最後まで読んで頂きありがとうございます。

誤字脱字はチェックしているつもりですが、多々漏れる事があります。

ご指摘下されば、どうしてもその漢字や文章を使いたい場合以外は、出来る限り反映させて頂きます。

●今回は、トマとアークシュリラが新しい街に到着したお話です。

なんだか立派な街のようですね。

思いつきで書いているのでこれから先どうなるか……


次回のお話は、4月15日0時0分に公開する予定です。

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