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31/102

31 ここって

何とか書き上げました。

あまり読み直していないので、誤字脱字や文章がおかしな所がいつもより多いと思います。

温かい目で読んで下さい。


●この物語に出てくる魔法や職業に付いているルビや漢字表記は独自解釈の箇所があり、一般的なファンタジーのもの(小説やゲームなど)と異なる場合があります。

●誤字脱字はチェックしているつもりですが、多々漏れる事があります。

ご指摘下されば、どうしてもその漢字や文章を使いたい場合以外は、出来る限り反映させて頂きます。

 トマはアークシュリラが魔法の教本を読んでいるだけで、実際に試している所は見たことが無かったので言った。


「じゃ、やって見せてよ。私が居れば、もし暴発しても防げるからね」

「そ、そうだよね」

 アークシュリラは目を閉じて、魔力を集めるために集中しだした。

 トマはナニも言わずに、それを見ている。


 しばらくして、アークシュリラの指先が微かに明るくなったようにトマには見えた。

 アークシュリラは、独学で魔力を集めるコトが出来ている。

 これにはトマ自身も少し驚いた。

 それはトマが習い始めた時がいくら子供だったとは言え、魔法の師匠に集め方のレクチャーを受けたのであって、独学では魔力を集めるコトが出来なかったからである。


「アークシュリラ。少し明るくなったよ」

「えっ、本当?」

「やっぱり、目を閉じないと魔力を集めるのは無理?」

「目を閉じなくても出来るけど、閉じた方が集中出来るから……」

「今はどっちでも良いけど……いや良くないよ。火の魔法は目を閉じていたら危ないよ」

 トマはアークシュリラが魔法の勉強をやり始めた時に、灯り(ライト)と火の魔法を使いたいと言っていたのを思い出して聞いた。


「当分は、火の魔法を練習しないから大丈夫だよ」

「やっぱり、火を熾すのは難しいの? それとも魔力が足りないの?」

「いやそうで無くて、様々な魔法で練習するより灯り(ライト)の魔法で魔力を集める練習をした方が良いってこの本に書いてあったからだよ」


 確かに初心者が様々な魔法を中途半端に練習するより、一つを確実に使える様になった方がこれから先様々な魔法を覚える上で良いことはトマも経験上理解出来た。

 アークシュリラは良い本を選んだんだと思った。


「そう。それなら平気だね。アークシュリラって、自分に魔力があるか分からなかったのに、良く勉強を続けられたね」

「最初は魔法を使いたいからこの本を買ったけど、魔力がなくても魔法の仕組み、トマとかにとっては本当に初歩だけど、これを知れたコトはこれからの戦いできっと生かせると思ったからね」


 アークシュリラなら魔法が使えなくても、上手く戦いに役立たせるコトが出来るとトマは感じた。


「もし分からないコトが有ったら、遠慮しないで聞いてね」

「うん、分かったよ」


 トマとアークシュリラの二人が何日か進むと、進行方向がついに崖になっている所へ行き着いた。

 もともと右側は崖だったから、進むとしたら左側に行くしかない。


「ねぇトマ。これって崖下の土地が下がったんじゃなくて、ボクたちが居る所が台地みたいになっているんじゃないの」


 トマとアークシュリラは、今まで崖下の草原が沈下して低くなっていると思っていた。

 しかし、右側と前方が崖になっている処に来て、その考えが根本的に間違っていると思うようになった。


「そうだね。ここで左側に進むとファリチスの方に行くよね。まさか来た道を戻るなんて言わないよね」

「戻って途中から右に行っても良いけど、ここからでも同じだよね」

「まぁ、何かが有ると聞いてここへたどり着いたなら、戻ってもう一度捜索って言うのもあるけど……多分だけど草原と小さな村しかないと思うよ」

「そうなんだよね。それにしても、これって結構な大きさの台地だよね」


 ここにあまり強い魔物が居なかったのも、急峻な台地だったからそれらが上って来られなかったと考えれば納得がいく。


「降りられる所はないから、魔物とかが上っても来れなかったんだね」

「そうなるかなぁ。ボクたちの旅ってこのままファリチスに帰って終わりなのかなぁ」

「ちょっと待って、アークシュリラ。私たちって、今までに吟遊詩人に一度も出会ってないよね。それっと不自然だと思うんだ」

「そっかぁ。この広さなら、一人くらいと出会ってもおかしくはないよね。ファリチスにだって三ヶ月に一回程度は、違う人が来ていたもんね。だったらこの先で降りられるのかなぁ」

「分かんないけど……もし有ったとして、魔物たちが上って来られないほど危険な所かもよ」


 崖下に降りられる所があると期待して、二人は歩き始めるコトにした。


 またしばらく歩いて居ると、二人は前方の草原に大きな穴が開いているのに気付いた。


「アークシュリラ、穴が有るね」

「何の穴だろうね」


 二人は穴に近付いていく。

「変なん匂いや音はしてないし、それに怪しい煙も出ていないね」

「そうだね。でも、この穴って結構大きいよね」

「私たち二人が手をつないでも、半分くらいも届きそうにないよね」


 アークシュリラが近くに落ちている小石を穴に落として、二人は聞き耳を立ててみる。

 しかし、何も音は返ってこなかった。

 確かに小石を落としただけなので穴自体の深さは分からないが、しかし穴の中に水が溜まっていたり何かが存在していたりしないコトは分かった。

 そして二人は、この穴って深いのかも知れないと思った。


「ロープもあるし、下りてみようか」

「で、ロープはどこに結わいておくの」

「そうかぁ。ロープだけじゃ、固定しないと下りられないね」


 それに誰かがロープなどで下りたために穴の外周部に土が削れた跡は無く、もちろんロープの残骸も穴の付近には落ちてなかった。


「この穴って、誰も入ったコトがないのかなぁ」

「最近出来たモノかもよ」


 地中にあった空洞が何らかの拍子に崩れて、地表に穴を作るコトは希にある。

 また、地中に住む魔物が地表に姿を現した跡やその者が利用している巣の出入り口かも知れない。


「魔物の巣ってコトは無いよね」

「トマ、今さらそれを言う? もし魔物の巣だったらボクたちが近付いた時に、こんにちはをしているよ」

 それもそうだとトマは思った。


「じゃさぁ、今度は私が火を落としてみるよ」

 トマは火を灯して、穴の中に落としてみた。

 火はしばらく落下していたが、5メートルくらいの所で止まった。


「あすこが底なのかなぁ」

「横に穴とかは無さそうだよね」

「ここからでは何とも言えないけど、横穴は無さそうだよ」

「さぁ、この距離をどうやって進む?」


 2メートルくらいなら、飛び降りるコトも出来る。しかし、5メートルとなると無事に着地が出来るとは思えない。


●最後まで読んで頂きありがとうございます。

誤字脱字はチェックしているつもりですが、多々漏れる事があります。

ご指摘下されば、どうしてもその漢字や文章を使いたい場合以外は、出来る限り反映させて頂きます。

●今回は、トマとアークシュリラの進みたい所が沈下したのではなく、二人の居る所がが隆起して台地のようになっていると判明します。

ナゾの穴を見つけた二人ですが、ナンの穴なのでしょう。

魔物の住み処、ほら穴……どうするか模索中です。


次回のお話も、全く構想がまとまっていません。

一応、4月4日0時0分に公開する予定で頑張っていますけど、公開が遅れることがあります。

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