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17 小鬼の処理

今回も読みに来ていただき、本当にありがとうございます。

●この物語に出てくる魔法や職業に付いているルビや漢字表記は独自解釈の箇所があり、一般的なファンタジーのもの(小説やゲームなど)と異なる場合があります。

●誤字脱字はチェックしているつもりですが、多々漏れる事があります。

ご指摘下されば、どうしてもその漢字や文章を使いたい場合以外は、出来る限り反映させて頂きます。

 終わったと云うアークシュリラの声を聞いたトマは、道を行き来する人々にそのコトを告げてからアークシュリラの所へ向かった。


 トマがアークシュリラの居る場所に到着した。

「トマ、思っていたより多かったから、少し時間が掛かったよ。ゴメン」

「これ全部やっつけたんだよね。途中で剣の音が変わったけど……ありがとうね」

「うん。少し遊んだんだ」


 小鬼たちを見ると、所持している武器はどれも錆びていたり刃が欠けていたりして、お世辞にも良いモノとは言えない。


「アークシュリラ、この肉や皮とかもギルドで売れるの?」

「これって、多分なんだけどゴブリンだと思うから、皮も肉も売れないね。これだけ傷んでいるんじゃ、武器も買い取ってくれないかなぁ。そうなると燃やして穴に埋めるだけだけど、魔石だけは安いが買い取ってくれるハズだよ」

「じゃ二人で魔石だけ取ろうよ。安くても魔石をギルドに持っていけば、コイツらが本当にゴブリンなのか別の魔物かをきっと教えてくれるよね。それと穴は私が魔法で掘るからね」


 トマはそう言って呪文を唱えた。

穴掘り(グラーベン)!】


「随分と深い穴を掘ったね」

「今回はナンもしてないから、少し欲求不満だったからさぁ」

「あぁ」


 二人はそんな会話をしながら、辺りに倒れている小鬼たちから魔石を取りだした。


「トマ。今回は皮とかを剥ぐ必要はないから、ここら辺……胸の中央付近にダガーで切り込みを入れて魔石を取り出してね」

「これは簡単で良いね」


 魔石を取り終わる度に小鬼を穴に放り込んでいき、次の小鬼に取り掛かった。


「これで最後だね」

「じゃ、コイツらを燃やして」

「判ったよ」

燃やす(ブレネン)!】


 炎が収まるまでの間、二人はその炎を見つつ待った。

 火が消えたので、トマは魔法で穴を埋めた。


 思っていたよりかは少々時間が掛かったけど、無事に処置が終わって二人は再び街道に戻っていった。

 そこには何も知らないであろう、数人の人が行き来していた。

 別に教える必要はないので、二人も街道を進み出した。

 道はそこだけに木々があった訳ではなく、林はしばらく続いている。


「この道って、林の中を抜けるから人気がないのかなぁ」

「それも一つだと思うよ。身を隠す木々はたくさんあるし、トマが言ってたとおり直進の攻撃魔法では戦えないよね」

「そうだね。私は今まで魔法の威力を上げるコトばかりに意識を持っていたけど、誘導と言うか曲げられないとダメだね」

「それって出来るの?」

「分かんないけど、多分出来ると思うよ」

「なら、頑張ってね」


 林を抜けると風の感じが、一遍してくる。

 先程より、ベタつきが増してきた。

 それにファリチスでも、たまに感じた匂いがする。

 二人にはその正体が判らぬままだが、ファリチスでも感じた匂いだったから危険はないと思って進むコトにした。


 少し進むと街があった。

 二人は、いつもの様にギルドに行くことにする。

 目的のギルドは、街の出入り口近くにあった。

 そのギルドの建物は、ファリチスと同じで木で造られている。


 ギルドの出入り口扉を引いて、二人は中へ入った。

 前に行ったギルドが大きかったからかも知れないが、このギルドの中はとても閑散としていて寂しい。

 それに、食堂を兼ねているカウンターでは、年老いた冒険者らしい人が酒を呑んでいる姿しか見えない。

 そう、このギルドの中には、若い冒険者は誰一人としていなかった。


「大きな声では言えないけど、強そうな冒険者はいないね」

 アークシュリラがトマの耳元で囁いた。

 トマもギルドに入った瞬間から、そのコトは感じていた。

「時間的なものかもよ」

「そうかなぁ」


 二人は、いつもの様に先ず掲示板を見にいく。


「魔物退治の依頼は一つもないね」

「そんなコトってあるんだね」


 今までに行った何軒かのギルドでは、ウルフなどの初心者でも倒せる魔物討伐の依頼は必ず掲示されていた。

 それがないと言うことは、初心者が倒す魔物がいないコトになる。

 本当にそう言うモノが居ない平和な街なら良いが、あの林には小鬼が居たし、ウルフだっているだろう。


「アークシュリラ。全部見たけど、荷物運びとかしかないね」

「そうだね」


 これ以上見続けても仕方ないので、トマとアークシュリラは受付に行くことにした。


「この街に来る道沿いにある近くの林で、魔物を倒したから魔石を買い取って欲しいけど良い」

「どんな魔物ですか?」

「これだけど」


 アークシュリラとトマは、それぞれが小鬼から取り去った魔石を、アイテム袋から全て取り出して受付のカウンターに置いた。


「これ全部ですか?」

「多い?」

「いいえ、そうではありません。この全てをあの林で倒したのですか?」

「そうだよ」


 受付の人が一つ一つ鑑定していく。


「確かに討伐されて直ぐの、ゴブリンの魔石ですね」

「じゃ、お願いね。それと良い宿屋を紹介して欲しいけど、それも出来る」


 二人はゴブリンの魔石を売って、ギルドで紹介して貰った宿屋へ向かった。

 宿屋もギルドの傍にあった。

 それらはまるで街の出入り口付近に集められている様だった。


 通常なら領主の館やギルドは街の中心にある。

 それはギルドの傍には、冒険者や商人相手のお店――宿屋とか武器屋や雑貨店などのいくつものお店が建ち、次第に街を形成していくからである。


 また、領主の館は執務を行う者が傍に居を構えるから自然と家々が建っていく。家々が建つと、今度はそれらの相手をするお店が出来ていく。

 それに条例なども領民全てにお知らせをするコトはなく、街の中にある掲示板に掲示するから情報が早く入手出来るのもある。


 どちらも人々が集まって来る、施設と云うコトだ。

 それが中心部にないと云うことは、わざとそうしていると云うコトでしかない。


 二人はその点が少し気になったが、宿屋で一泊分の部屋を借りるコトにした。


●最後まで読んで頂きありがとうございます。

誤字脱字はチェックしているつもりですが、多々漏れる事があります。

ご指摘下されば、どうしてもその漢字や文章を使いたい場合以外は、出来る限り反映させて頂きます。

●今回は、アークシュリラが倒した小鬼たちを処理するお話です。

久しぶりに次の街に着きました。


次回のお話は、2月20日0時0分に公開する予定です。

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