表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/102

15 旅の目的?

今回も読みに来ていただき、本当にありがとうございます。

●この物語に出てくる魔法や職業に付いているルビや漢字表記は独自解釈の箇所があり、一般的なファンタジーのもの(小説やゲームなど)と異なる場合があります。

●誤字脱字はチェックしているつもりですが、多々漏れる事があります。

ご指摘下されば、どうしてもその漢字や文章を使いたい場合以外は、出来る限り反映させて頂きます。

 二人は街から出てしまったので、街を囲む壁沿いに通る道を進んでいく。


「トマ。あの街の偉い人がお城に住んで居るって言うコトは、どこかの王国に入ったってことかなぁ」

「何と云う国かは分かんないけど、王様かぁ。どんな王様か知らないけど、顔くらいは見てみたかったなぁ」

「今のボクたちでは有名じゃ無いから、王様や貴族が相手では会うことなんて無理だよ」

「物語なんかだと、ここら辺で国の偉い人に会えるアイテムが現れるとか、事件が発生するんだけど……その気配すら無いね」


 二人は愚痴と云うのか、無駄話をしながら歩き続けている。


「話は変わるけどさぁ。さっきバッファローがいた所って、やっぱり降りられないかなぁ」

「どっかに行ける所はあるとは思うけど、アークシュリラはあれと戦いたいの?」

「別に戦いたい訳ではないよ。あの草原の更に先に山が見えたから、あっちの方が面白そうかなと思っただけだよ」

「そう云うコト。確かにこっちって、なだらかな草原と少しの森と言うか林しかないよね」

「ボクたちは旅をしてるんだから、いろんな景色を見れた方がやっぱり楽しいじゃん」

「同じ様な風景じゃ、旅をしている意味も半減するね」


 旅に出た目的は吟遊詩人の話を聞いて、英雄的なコトをやろうとは少しは考えたが、その者の様にいろんな街や場所へ行きたいと云った思いの方が二人には大きかった。

 やはり、いろんな景色を見る方が自分たちの旅に合っていると、少しずつだが元々の考えに戻っていった。


 二人は相変わらず、目的もないまま街道を並んで歩いている。

 街道を歩いているのだから、滅多に魔物も襲っては来ない。

 まぁ、目的地のある旅ならいたって順調と言う感じだけど、二人にとっては退屈でしかない。


 しばらく街道を行くと、二人の旅人がトマとアークシュリラが進む先で、言い争いをしているのが見えた。

 その周囲には、それを止めに入った人や単なる野次馬らしき人々が何人もいて、道を塞いでいる。

 殴り合っていたのか、その中心にいる人物の顔から血が流れてもいる。


「どうする? トマ」

「旅人同士の様だね。あれだけの人が居るのだから、私たちがどうこうしなくても解決すると思うよ。だから、草原の方に迂回しようか」

「それもそうだね」


 二人はその人たちに巻き込まれない様に、少し大回りに避けて草原を進むコトにした。


「何を言い争っていたかは分からないけど、ボクたちも言い争いをするかなぁ」

「私はアークシュリラと違って興味本位で突っ走るコトがあるから、アークシュリラがキレて怒るかもね」

「う~ん」


 トマの性格を知っているアークシュリラは、返答に困る。

 そうだねとはさすがに言えないが、そんなコトはないと否定してもトマがどう受け取るかが判らない。仕方なくお茶を濁すコトにした。


「そうだよ。私が暴走しだしたらアークシュリラがキチンと止めてね。その時は喧嘩になるかも知れないけど……これが、今回、私がアークシュリラと一緒に旅に出たかった一番の理由だからね」

「判ったよ」


 アークシュリラは以前、トマに自分が居なくても旅に出たかを聞いた。

 その時はトマの回答がなんだかむず痒くて、理由までは聞けていなかった。

 しかし、今になってその訳を知ったのだった。


 この旅を始める前までは、トマと言うか魔法使いは自室に籠もって魔道書を読んだり、魔法の研究をしたりするのが好きだと思っていた。

 しかし、アークシュリラは今までに何人もの魔法使いらしき人物を見ている。

 それで、旅が好きな魔法使いだっているんだと感じた。


 魔法使いと云う枠で一元的に考えていた自分に恥じて、その考えが間違っているコトにも気づいた。

 そもそもこの旅も、トマから誘ってきたモノだった。

 まだ旅に出て少ししか経っていないが、いろいろ見聞きしたコトによりアークシュリラの中で、トマが少し変わった魔法使いでないと思える様にもなってきていた。

 それにトマはトマなのだから、ちょっとくらい変わった魔法使いであっても一向に構わないとも思って居る。


 実際に剣士だって、冒険の旅に出ているモノも居るし、街や村などに居るモノもいる。

 まぁ、街や村に居るモノは、以前のアークシュリラみたいに剣術を教えている場合が多いし、山に籠もって修行をしているコトもある。

 剣士も、全て同じってコトはない。


 二人は街道が見える範囲で草原を歩いていた。そのために崖下の草原は、もう見えなくなっている。

 二人が旅をしていて、初めて道が二つに分かれている所に来た。

 二人はほぼ草原を歩いていたから、分岐のない一本道の場所しか街道を通っていないだけで、この世界では別れ道がないと言うコトはない。

 そもそも街同士を計画的につないでいる訳でなく、道自体は自然発生的に出来たモノである。なので、当然のこと三叉路や十字路など、道が交差する所は多数存在する。


 一本の道は今居る所から真っ直ぐに伸びていて、もう一つの道は右側に曲がっている。


「右の道は、さっき寄った王国のどこかの街へ行きそうだよね」

「私もそう思うから、じゃ真っ直ぐだね」


 少し行くと、道は次第に左に緩やかに曲がって来た。

 そして、人陰もまばらになってくる。


「こっちって、行っちゃダメだったのかなぁ」

「人が随分と減っているね」

「それに、風もなんかベトつくね」

「そうだね」


 二人の他にも少なくなったとは云え旅人は居るし、前方からも人々がやって来るから行き止まりになっていて、通行が出来ないとは二人は感じていない。

 しかしこの道が、あまり人気のないコースと云うコトだけは確かだと二人には思えた。


 そんなコトを思いながら二人が歩いていると、道は林の中に吸い込まれている。

 この林自体の木はそんなに多くないが、それでもそこを通っている道は、木々によって陽射しが届いていない箇所がいくつもあった。

 二人は他の旅人と同じ様に、道づたいに林の中に入っていった。

●最後まで読んで頂きありがとうございます。

誤字脱字はチェックしているつもりですが、多々漏れる事があります。

ご指摘下されば、どうしてもその漢字や文章を使いたい場合以外は、出来る限り反映させて頂きます。

●今回は、トマとアークシュリラが街からでて話している回になります。

今回、トマがアークシュリラと旅をしたかった目的を話します。

だらだら進行で済みません。

多分、次回辺り事件が発生すると思います。


次回のお話は、2月14日0時0分に公開する予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ