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11 ウルフとの戦い

今回も読みに来ていただき、本当にありがとうございます。

●この物語に出てくる魔法や職業に付いているルビや漢字表記は独自解釈の箇所があり、一般的なファンタジーのもの(小説やゲームなど)と異なる場合があります。

●誤字脱字はチェックしているつもりですが、多々漏れる事があります。

ご指摘下されば、どうしてもその漢字や文章を使いたい場合以外は、出来る限り反映させて頂きます。

 アークシュリラが右後方に走って行ってしまったので、トマは一人残されるコトになった。

 アークシュリラが言っていたとおりだったら、既にウルフは自分たちを襲う準備が整っているとトマは考えた。

 この状況では、そいつらの存在を確認している時間はそんなにないと思える。

 だったら無駄に時間を使っていて、相手をこれ以上有利にすることは愚の骨頂になる。


 なのでトマには、もうアークシュリラの言葉を信じるも信じないもなかった。

 トマはアークシュリラに言われた方向を向くと、おおよその距離を見定めた。

 これなら多少距離が違っても、平気だよねと呟いてから魔法を放つ。


氷槍アイスランス!】


 水針アイスニードルより太い尖った氷が数本、勢いよく飛び出して行った。

 少しして、何かに命中したらしい鈍い音がトマに聞こえて来る。


 逃げて何処かにいってくれれば良いが、自分たちに来たら困る。

 トマはどうなっているかを確認をするために、自分が放った魔法が着弾した所へ慎重に近付いて行く。

 アークシュリラが言っていた通り、そこには鋭利な氷の柱、イヤつららがぶっ刺さった2匹のウルフが血まみれで倒れていた。


 アークシュリラは、後方と右側にいる4匹が合流しそうな地点を見定めて、懸命に走っている。

 両方が来てくれるとウレシいけど……アークシュリラは心の中でそう思った。


 ウルフも自分たちに向かって来ないで、逃げようとしている獲物に攻撃をすべく駆け寄って来る。


 よし、全部が来たねとアークシュリラは呟いて、立ち止まると剣を抜いた。


 ウルフの確認を終えたトマが、アークシュリラの走って行った方角を見る。

 そこには、4匹のウルフに囲まれているアークシュリラが見えた。

 トマは援護射撃をするかと考えたが、どうしても自分の魔法だとアークシュリラにも何発かは当たってしまう。

 上手く避ける方法がないから、トマは魔法を放つのを諦めた。


 アークシュリラは下段に剣を構えて、ウルフの出方を見定めていた。

 ウルフは少しずつ囲みを狭くしていく。

 4匹のうち一匹が吠えてから、タイミングよくアークシュリラ目掛けて飛び掛かった。

 しかし、アークシュリラによる一撃を受けて、着地は腹からドテっと落ちたきり動かないでいる。


 アークシュリラはウルフを斬ると、この剣はなんて良く斬れるんだと言った。

 もちろんウルフはその言葉の意味を理解することは有り得ないし、アークシュリラとしても聞かせるつもりで言ってもいない。


 アークシュリラは、この剣を貰ってから初めて斬り合いをしている。そのためにいろいろと試したい感覚が涌いてくる。


 ウルフは次々とアークシュリラに飛び掛かるが、どの一匹も無事に着地することが叶わずに絶命している。

 アークシュリラは、4回だけ剣を振っただけだった。


 残念、もう終わっちゃった。

 そう呟いてから、トマの居る方向に顔を向けて手を振った。

 それを見たトマも手を振った。


 トマが血まみれのウルフ2匹を魔法で運びながら、アークシュリラの所にやって来る。

「これは随分と大胆にやったね」

「アークシュリラ。そうは言うけど、しょうがないじゃん! ウルフが逃げられない様に、一気に大量に放ったからさぁ」

「トマの倒したウルフじゃ毛皮は高く売れないと思うけど、それで解体の練習をしようか」

「そうだね」


 アークシュリラは、自分が倒したウルフの中から一匹を選んだ。


「それじゃ、一緒にやろうか」

「うん」

 アークシュリラの思った通り、トマは上手くウルフの皮を剥がせなかった。

 皮に穴が開いているのもあるけど……


「ここは力を抜いて、ダガーを軽く当てる感じで」

「あっ、出来た」

「そう、そんな感じ。魔石はここに有るよ」

「この白いの?」

「そう。割れてなければ、丁寧に取り出してね」


 何本もの氷槍アイスランスの直撃を受けて、大きなあなの開いているウルフに四苦八苦しながらも、トマは自分が倒した2匹の解体を終えた。

 アークシュリラは、トマが上手くいかずに困っていると、その都度アドバイスをしてくれた。その上で既に4体の解体も終えている。


 私も慣れてくれば早くなると思うけど、次は出来るだけキレイに倒そうとトマは思った。


「私が倒したウルフの皮って、売れないんだよね」

「傷や穴があると買い取ってくれない場合もあるけど、安くなるが売れるコトもあるよ」

「そうなんだ。で肉も高そうならギルドで売っても良いかもね。今度は慎重に倒すからさぁ」

「そうだね」

「それにしてもアークシュリラの剣術って、やっぱりスゴいね。一匹に対して一回しか剣を振ってなかったよ」

「ウルフだからね」


 確かにアークシュリラの言う通り、ウルフは討伐のランクで言うと決して高い方では無い。

 初心者でも倒すことが出来る魔物である。だがしかし、そのウルフだって数がまとまれば当然のことで、簡単に倒せる相手ではなくなる。

 今回は、それが4匹も居た。

 あくまでも魔物などの強弱を区別するランクは、一匹だけを言うのであって、何匹ものウルフの群ならば、一匹のオークの方が討伐は断然楽になる。

●最後まで読んで頂きありがとうございます。

誤字脱字はチェックしているつもりですが、多々漏れる事があります。

ご指摘下されば、どうしてもその漢字や文章を使いたい場合以外は、出来る限り反映させて頂きます。

●今回は、トマとアークシュリラがウルフとついに戦うお話です。

アークシュリラの剣技の凄さがあまり表現されていませんね。

次の戦いはもう少しかければと思っています。


次回のお話は、2月3日0時0分に公開予定です。

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