第3話 友と娘
エメリーはアレックス隊長やマイケル達から話を聞いた後、ドキドキする胸を押さえながら、騎士学校の宿舎に戻った。
自分の部屋に入り机の前に座ると、エメリーはアレックス隊長、マイケルや他の騎士達の言葉を振り返っていた。
ー自分を信じる
ー仲間を信じる
ー補い合う
どれもわかっている事なのに、改めて言われると考えてしまう。騎士学校は競争ばかりだ。少しでも相手を蹴落とし、自分を有利にしていく。手段を選ばない者もいる。
ーそんな中で足りない所をお互いに補い合うなど、できるのだろうか…。
コンコンとノックの音がして、入ってもいいかい、と仲間の声がした。
どうぞと言うと、仲の良い皆が顔を覗かせている。
「さっき帰ってくる姿を見たら、なんか疲れてる顔してたからさ、みんなで一緒にアップルパイ食べに行こうって誘いに来た。行くだろ、エメリー?」
「うん、行く行く!準備してエントランスに行くから待ってて。」
エメリーは裾の長いワンピースに着替えて、三つ編みを解いてブラシで梳かし、黄紅色の髪の毛をポニーテールにした。そして、小さなカバンを持ち、勢いよく部屋を飛び出した。
エメリーは入学試験で1位だったため授業料、宿舎での費用が免除されている上に、金のロゼットを貰えるほど優秀だったので毎月返済義務のない奨学金ももらっている。おかげで、こうして皆と気晴らしに出かけたりもできる。
騎士学校は1学年20名で、10名ずつのグループに分けられている。仲のいい皆は同じグループで、2つのグループはお互いに競い合いっている。女子は騎士学校でエメリーだけだ。
宿舎から皆でわいわいと話しながら歩いていると、程なくアップルパイで有名な店に着いた。
甘い香りが店中に広がっていて、それだけでエメリーは幸せな気分になる。エメリーを真ん中にして、10人でぎゅうぎゅうに詰めて座り、紅茶とアップルパイを頼むと、ディックがエメリーに聞いた。
「何があったんだよ。心ここにあらずって感じで歩いてたぜ。」
「ウチのエメリー姫にも悩みがあるって事さ!」
「もしかしたら、あれかい?魔力の事?」
「確かになぁ…。エメリーの魔力の無さは…」
「んもう!みんな!それは言わないでよぉ〜!」
ワイワイと話せる仲間は何にも代え難い。皆、学年に1人しかいない女子にも分け隔てなく接してくれる。
運ばれてきたアップルパイは大きくて、それ一つでお腹が一杯になる。紅茶もポットにたっぷりあり、お代わりし放題という店だ。長居するにはちょうどいい。
エメリーはアップルパイを半分ほど食べた所で真面目な顔になり、話し始めた。
「さっきの魔力の話、実はちょっと悩んでいて…。」
「ごめん、からかっちゃったよ。そんなに悩んでたんだ。」
「うん。このままじゃ、騎士になっても役に立たないんじゃないかって思ってしまって。それで、知り合いの騎士の所に相談に行ってたの。そしたらね…。」
エメリーはアレックス隊長やマイケル達に言われた事を皆に話した。
「騎士は1人で戦ってるわけじゃないんだ。誰も完璧な人なんでいないんだ。だから、お互いに足りない所を補い合っていくんだって、言われたの。
そのためには、お互いを信じる事が大切なんだって。そして助け合うんだって。
騎士学校にいると、競争ばかりでしょう?
でも、私、決めたの。
私の足りない所は皆に助けてもらう。そして、皆の事も助けていこうって。皆の事を信じて行こうって、ね。
私の魔力の弱い所は仕方がないけど…。でも、いつかは強い魔力が出てくるかもしれないし…。
だから…これからもよろしくね。」
エメリーがそう言って頭を下げると、皆は互いの顔を見ていたかと思うと、おうっ!と小さな声をあげて拳を突き上げた。そして、だんだんと大きな声になり
「おうっ!おうっ!おおおうっ!」
と調子に乗っていると、冷静な顔の男が1人現れて言った。
「お前ら、バカか!うるせぇんだよ!」
同じ学年のもう一つのグループの1人、ショーンだ。
「女とアップルパイなんか食ってんじゃねえよ。」
そう言い置いて帰っていく後ろ姿を見て、ディックが
「けっ!バカはお前だろ!」
と小声で言う。
「気にすんなよ、エメリー。あいつ、学科ではお前に勝てないから、ひがんでんだよ。
さっ、アップルパイ、食っちまおうぜ。帰ったら試験勉強だ。エメリー、頼りにしてっからさ!」
「俺も頼りにしてます。」
「俺もです!」
エメリーはこの皆が同じグループで良かったと心から思った。
エメリーの宿舎には、週一回エメリーの実家からパンの差し入れがあった。出来立てのホカホカを兄達が馬車に乗って持ってきてくれる。
ついでに宿舎の近所で販売もして、お金儲けもしっかりとしているらしい。
若い騎士の卵たちだ。差し入れはあっという間に無くなる。パンの評判もいい。
お金をという宿舎の経理担当に、
「授業料も宿舎のお金も出してもらって、奨学金までいただいている妹のために、俺達家族がしてやれる事はこれっくらいなんで…。」
と代金は決して受け取らない。代わりにと兄達は新製品の試作品を持ってきては感想を聞いている。おかげで、新製品の売れ行きもいいらしい。
その日も兄達は馬車に乗ってやって来た。
皆に感謝されながら帰る後ろ姿を見ていたエメリーは、急に心臓がどきどきとし始めた。
「お兄さん、待って!待って!止まって!」
と、叫ぶエメリーに手を振っていた兄は、なぜか急にバランスを崩した。
「うわぁぁぁ〜っ!」
と叫んだエメリーが一瞬消えて、馬車に乗っていた兄達と共に元の場所に倒れ込むように戻った時、馬車の車輪が外れて横倒しになった。
エメリーは泣きじゃくりながら、お兄さん、お兄さんと呼び続けたが、のんびりとした兄たちの声が返ってきた。
「エメリー、なんで?お前、助けてくれたのかい?」
「どうやったんだよ。おでこ擦りむいてんじゃん、お前。」
騎士学校の校長が走ってきてエメリーに尋ねた。
「これは…。エメリー、何が起きたか言えるか?」
深呼吸をしたエメリーは立ち上がり、敬礼をして言った。
「不甲斐ない所をお見せして、申し訳ありませんでした。
兄達の馬車がここを離れようとした時に、不穏な気配がしました。兄がバランスを崩したので、危ないと思い…、あぶない、と、おもい…。」
「それで、どうしたんだ?」
「はい。危ないと思い、兄の所に飛び、2人をここまで運びました。その直後、馬車の車輪が外れて横倒しになりました。
みなさん、ご迷惑をおかけしました。兄達は大丈夫な様子です。ご心配をおかけしました。」
「すみません…。」
と頭を下げた兄達は首を傾げた。
「でも、おかしいなぁ。馬車は先週整備に出して見てもらったばかりなんだけど、なんでこんな事が起きたんだろ。」
校長が頭を下げながら言った。
「お怪我がなくて本当に良かった。後片付けは事務方に手配しておきましょう。馬車をこちらから出しますので、今日は一旦お家にお戻りください。
また、ご連絡を差し上げます。
エメリー、校長室に来なさい。」
校長や教官達がいなくなり、事務方の官史と兄達が事務所に消えると、ディックをはじめ仲間がエメリーの周りを取り囲んだ。
ディックが小さな声で、エメリーが飛んだ所、俺見たぜ!と言って肩を叩いた。
うん、俺も見た、と他の何人かが言った。後で話そう、とりあえず、校長のところに行ってきなとディックに言われ、うん、また後で、とエメリーは項垂れて歩き始めた。
校長室に行くと、校長はエメリーを見て眉間に皺を寄せて、まず座りなさいと言った。
「先程はご迷惑をおかけいたしました。」
と言って頭を下げるエメリーに、校長は更に深く眉間に皺を寄せて言った。
「あれは君のせいではないよ。誰かが君のお兄さん達が馬車を離れている間にネジを外したんだ。そうじゃなきゃ、あんな事は起きないよ。まあ、調べればすぐわかると思うけどね。心当たりはあるかな?」
「兄達は人に反感を買うような人たちではありません。」
というエメリーに校長は聞いた。
「じゃ、君は?」
「えっ?私…ですか?」
「君は金の勲章をもらうくらい優秀だ。
しかも、女子は君しかいない。ここで男女の差別がないとは言えないだろう?女の君の事を悪意を持って見ている誰かがいるということかもしれないね。断定はできないが。
馬車を壊し君のお兄さん達を傷つけて、一体なんの意味があるのか、私にはわからない。でも、犯人には意味があったのだろう。いや、意味なんてないんだろうな。嫌がらせだよ。くだらない事で君のお兄さん達が怪我をしなくて本当に良かった。
自分で犯人探しをしようと思わないように。私が手配して探し出す。君は自分のすべき事に集中しなさい。いいね?
馬車の修理費用は私から出そうと思っている。今までの差し入れのお礼、ということにして欲しい。皆には私が出す事は内緒だ。
これからも君の実家の美味しいパンの差し入れは食べたいし、差し入れが急になくなったら皆悲しむからね。
いつもいつも腹ペコの若い生徒達に差し入れをしていただいて、心から感謝しているとご家族に伝えてほしい。
話は以上だ。
おっと、忘れていた。
お兄さん2人を連れて飛べたのかい?目覚めてきたのかもしれないね。無理せず、励みなさい。
以上だ。」
校長室を辞するとエメリーは歩きながら考えていた。
ー私の事を悪意を持って見ている誰か?
そんな人がいるのだろうか?
事故だと思いたい。
授業が終わり宿舎に戻ると、仲間が集まってエメリーを取り囲んだ。
「やったな、エメリー。」
「初飛び、おめでとう」
エメリーは恥ずかしそうに、飛んじゃったと言った。
すると、ショーンがそばを通って、一回飛んだからっていい気になるんじゃねぇぞ、と悪態をついた。
ディックたちは顔色を変えてショーンに飛びかかりそうになったが、エメリーは皆を制して言った。
「その通りだわ。まだ1回飛んだだけだもの。
これから自分に自信を持って、もっと魔力を使えるようにするわね。ショーン、あなたの力も借りることがあると思うの。その時はよろしくね。」
にっこりと笑ってショーンを見るエメリーに、ショーンは何も言わず、無言で自分の部屋に入って行った。
しばらくしたある日、エメリーは校長に呼ばれた。校長は厳しい顔でエメリーに言った。
「馬車事件の犯人がわかったよ。事務にいる官史の男だった。女の君が騎士になって、金のロゼットをつけているのが気に入らなかったそうだ。
男は懲戒免職だ。それ相応の罰もこれから受けることになる。君とご家族には本当にご迷惑をかけた。これからはこんな事のないように管理体制を整える。」
エメリーは騎士学校の仲間が犯人でなくてよかったと、ほんの少しほっとしていた。
ある日の事、校長が生徒を集めて言った。
「これよりピリオネル山に向かってもらう。噴火が始まるという発表があり、学生にも出動要請があった。避難介助が任務だ。
言っておくが、これは演習ではない。何が起こるかわからない、ということを忘れるな。グループごとに教官の指示に従うように。
皆には月の姫君のご加護がある。
自らの力を信じて行け!」
赤い大陸スカーレットのピリオネル山は、青い大陸アズールのカナルディア山と並ぶ火山だが、何百年も活動を休止していて今は観光地として賑わっている。今日もかなりの人が街にいる事だろう。
エメリー達のグループはステイマン教官と共にピリオネル山の麓の街に飛んだ。
逃げ惑う人々で街が騒乱状態になっているのを見て、ステイマン教官が、まずいなと小さな声で呟いた。
エメリーは目の前には、泣きじゃくる迷子らしい女の子がいた。その手を取り微笑みながら、エメリーは歌を口ずさんだ。赤い大陸スカーレットで昔から歌い継がれている月の姫君を讃える歌だった。
エメリーが歌い始めると、その子が泣きながらも一緒に歌った。そばにいた仲間たちも歌いながら避難する人々に手を貸した。歌はだんだんと広がって行き、避難に向かう人々が歌い出した。
ー泣かないで
あなたは1人じゃないよ
あなたのそばにはいつも月の姫君がいる
怖がらないで
あなたは1人じゃないよ
あなたを赤と青の月の光が照らしている
月の姫君はいつもそばにいて
あなたを守っている
だから、泣かないで。怖がらないで。
自分の事しか見えなかった人々の心が少し落ち着いた所で、エメリー達が避難を誘導していった。
冷静になった人々は指示に従い、歌いながら手を取り合って避難した。怪我人も出ずに全員の避難が無事に完了するまで、さほどの時間は掛からなかった。
次に、エメリー達はステイマン教官の指示で家に残っている人がいないかを確認することになった。
ディックの魔力の1つ、透視で家の中を確認しながら進んで行くと、何ヶ所かで人影を発見した。エメリー達はその人達を連れて、次々と避難所へと飛んだ。
後少しで避難の確認が終了するという時に、小規模噴火が起きた。
ー急がないと…大規模な噴火が起きたら…。
皆が顔を見合わせた時、ディックが叫んだ。
「おい、やばいぞ!あの建物の中に大勢の人がいる。」
その場所は老人施設だった。
中に入ると動けない老人が何人もいて、助けが来るからと職員が手を握りしめて励ましていた。
エメリーがにっこりと笑って言った。
「みなさん、こんにちは。私達は騎士学校の生徒です。
みなさん一緒に避難所に行きましょう!」
1人、2人と老人と職員を連れて、仲間達が何度も飛んでは戻るを繰り返す。エメリーは後方支援に徹して、残る人達を励ました。
あとは最後に残った施設長とエメリーが飛ぶだけという時に大噴火が起きた。
施設長と飛ぼうとした時、エメリーは施設を直撃する巨石を見た。エメリーは何も考えず右手を巨石に向けて、止まれ!と叫んでいた。
次の瞬間、時が止まった空間を施設長とエメリーは飛んだ。施設長は気絶してしまい、避難所に着いたエメリーは支えきれずに倒れ込んでしまった。
「助けて!お、おもい!
施設長さんが重すぎるの…。」
とエメリーが言うと、ほんの少し笑いが起きた。
休むまもなく、ステイマン教官が次の指示を出す。
「騎士学校の生徒は5分休憩だ。非常食は持っているな?それを食べて、水を飲め。トイレも忘れずに行っておけ。
次の指示が出ている。5分後に集合だ。」
次の指示は騎士学校生徒が避難介助をしているエリアへの援助だった、
皆でその場所に着くと辺りは火山灰が降り注ぎ、前もよく見えない状態だった。
ステイマン教官はエメリー達を見て言った。
「ここにはショーン達が来ている。
避難は終了したらしいが、ショーンを始め5人の生徒の安否がわからない。皆で戻るという連絡が最後だ。火山灰にやられて気を失っている可能性が高い。
いいか、仲間を見捨てるような奴は騎士ではない。
何がなんでも探し出して、連れて帰るぞ。行け!」
「オレの透視が使えない。この灰のせいで見えないんだ。」
とディックが悲しそうに言うと、エメリーは皆に言った。
「皆で強くショーン達の心に語りかけてみよう。
返事が来るよ、きっと!」
ーショーン、どこにいるの?
皆で迎えに来てる。一緒に帰るよ。
どこにいるか、教えて!
ーショーン、みんなで帰るぞ!どこにいる?
いつのまにかエメリーは声に出して叫んでいた。
「ショーン、返事しなさい!どこにいるの!」
「………」
「ショーンのバカ!それじゃわからない!」
「オレの…魔力で…送る…読んで!まって…る」
ショーンの送ってきた映像がエメリー達の頭に浮かんだ。それはショーン達が火山灰に飲み込まれる直前の様子だった。
5人の生徒が固まってシールドを張ろうとした瞬間に爆風が起き、火山灰が5人に襲いかかっていく。ショーンは4人の仲間を守るためにその方向に向けてシールドを張ったが、自分はまともに火山灰を喰らっている。
「だれか、この場所がどこか読める?」
「赤い月が少し見えてる。山の形もだ。」
「火山灰の流れからすると…」
「あっちだ!行くぞ!」
と言うディックの声にエメリーが待ったをかける。
「はぐれたら戻ってこれないよ。全員で固まっていこう。」
「よしっ!全員で団子になろう。行くぞ!」
全員で飛んだ先には、倒れている4人の姿があった。4人はショーンのシールドに守られているようだった。
「意識はないが怪我はしてない。
この4人はこのまま連れて帰れる。急げ!
俺はこのまま、見つからないショーンのために残る。」
治癒魔力を持つティムが言う。
よし、俺たちが連れて帰る、と4人が1人ずつ背負って固まり、飛んでいった。
ショーンは近くにいるはずだからとエメリーが作戦を考えた。
まず残った6人のうち3人でシールドを張る。残る3人で風を起こし、火山灰をゆっくりと吹き飛ばしていく。
「どう?これでやってみない?」
風を起こすと、少しづつ火山灰に埋もれていたショーンが姿を現した。
「よかった、間に合った。助かると思う。急ごう。」
とティムがショーンを診て言った。
ショーンをディックが背負い、全員で団子になって避難所に飛んだ。
救助した5人は入院して、治療を受けることになった。
医務官から5人とも大丈夫だ、任せておきなさいという報告を受けて、エメリー達は10人で団子になり飛び跳ねて喜んだ。
エメリー達の体に付いた火山灰が飛び散り、辺りにもうもうと立ち込めた。
「お前達…元気だなぁ。
よしっ、宿舎に戻るぞ。今日の任務は完了だ。
皆、よくやった!」
自室で長い時間をかけてシャワーを浴び、やっと体が綺麗になると、エメリーは猛烈に空腹を感じた。
食堂に走るように行くと、ディック達が凄い勢いで肉に齧り付いていて、エメリーに手を挙げ、ここに座れと合図する。
エメリーの兄達が大量に届けてくれたというパンは残り少なくなっていた。すると、調理員が奥から山盛りのパンを取り出して、エメリーに差し出した。
「特別に取り分けて置いといたわ。お腹空いたでしょう?実家のパンだよ。たくさん食べなさいね。」
エメリーはにっこりと笑い、大きな声でありがとうと言った。
「倒れそうなくらい、お腹がペコペコです!」
山盛りのパンを持って皆の待つテーブルに行き、みんなで食べよう!とエメリーは言った。
信頼し助け合える仲間達がここにいる。
皆を見渡して、エメリーはにっこりと笑った。
エメリーは自分の魔力が炸裂していたことも気づかず、パンに齧り付いた。
数日後、やっと退院したショーンが皆の前でちょっと頭を下げて自室に入って行った。
ディックが、なんだあいつ!というのを制してエメリーが言った。
「皆、じっと聞いてごらん。ショーンのお礼の言葉が聞こえるよ。」
それは捻くれ者のショーンが皆の心に直接送る、精一杯のお礼の言葉。
ーあ、ありがとう!感謝…してる。
オレも、皆に信頼されるよう、素直になる。
待ってて欲しい。




