ベネデッタ
転送装置を使って第一世界へ転移したベネットは、空が赤黒く染まっていることに気付いた。
「うわ、なんだこれ……」
「ベネット様、随分と遅かったですね」
空を仰いでいると転送装置の傍で待機していたテスタメントに声を掛けられ、振り向く。
「テスタメント……遅かったとは?」
「私は常にベネット様の周辺のことを見聞きしております。転移魔法とやらを使えば、ここまではすぐに来られたのでは?」
「あー、忘れてた」
「まぁいいでしょう。状況を説明します。現在この世界では数百年に一度起こる『モンスタースタンピード』と呼ばれる現象が発生しており、魔物が世界各地で一斉に大暴れをしています。それにより甚大な被害が生じるそうですが……現状はチーム『円卓』の皆様が契約した精霊王たちの活躍、我らが大罪の七姉妹の活躍、この世界が好きでイベントよりも優先して戦ってくれているプレイヤー方のお陰で上手く防衛が出来ています。しかし、魔物の数は非常に多く、勢いが止まらない為に防衛網が突破されるのも時間の問題となっています。よって、ベネット様には元凶のジエンドルーラーを倒してもらいます。そのジエンドルーラーの情報ですが、推定となりますが相手の感情の一部を増幅させて誘導したり、ジエンドの力を与えて強化する能力があると思われます。それ以外は未知数です」
「分かった。では、行ってくる」
「いってらっしゃいませ」
ベネットはマップを開いて遥か西に表示されているマーキングの座標を確認し、マジックスキル【アイステレポート】で転移した。
上手くいったようで、ベネットは非常に高い山の上に転移した。足場は景色を一望するには都合の良い平地になっており、少し先の崖端には遠くにある一つの都市を見下ろすルーラーの少女が立っていて、気配に気付いて振り返った。
彼女自身は幼さはあるが人形のように整った顔で、ブロンドの髪をリボンでツインテールにしているが毛先から半分ほどまで赤黒く変色しており、青く綺麗だっただろう瞳も赤黒い色が混じっている。
服装はコートを羽織り、薄い胴鎧に籠手や脛当てを装備してショートスカートにスパッツを履く軽装タイプの冒険者らしい格好をしているが、その全てが黒く赤黒い模様が浮かんでいる。
ベネットは眼鏡をインベントリに仕舞ってからメメント・モリを取り出して構えると、躊躇なく引き金を引いて連射した。
元が魔法使いで戦闘能力自体は低かったミリアムと違い、ルーラーの少女はしっかりと弾丸を目で見て必要最小限の動きで躱した。
「いきなりとは随分失礼ね」
「む……日本語?」
「日本人の転生者だから、話せて当然よ」
「……」
メメント・モリを装填し終えたベネットは再び構えて連射する。
ルーラーの少女は躱しながら横へ移動し、崖から飛んで宙に浮いた。
「あのさぁ、敵だからって問答無用過ぎない? 私のこと知りたいとか思わないわけ?」
「思わんな。既に真実までの情報は揃った。言葉は不要だ」
「あっそ!」
ベネットが装填を終えたメメント・モリを向けるが、ミグニコにも匹敵する速度で動き始め、照準が追いつかない。
側面から接近されて頭部に蹴りが入りそうになるが、動きを読んでいたベネットは最小限の動きで躱しつつ左手に終雪を出して振るうが、それより速く動かれて空振りとなった。
「【ブリザード】【ホワイトアウト】」
動きを止める為に吹雪と濃霧を生み出しつつ背後に振り向きながら再び終雪を振るえば、金属音が響いた。
ルーラーの少女の両手には、赤黒く染まりながらも豪華な意匠が施された剣があり、右手の剣が終雪とぶつかっていた。
そこから踏み込んで左手の剣で首を狙われるが、既にベネットはメメント・モリを構えていた。
気付いたルーラーの少女は銃口から逃げるように濃霧の中へと消えた。
濃霧なんて関係なく見えているベネットはメメント・モリを撃つが、ルーラーの少女も濃霧に関係なくあっさりと躱した。
「視界を奪ったって効きはしないわ。魔法で索敵が出来て居場所も割り出せる。こっちも魔法で――!」
魔法を出そうとした直後、首の後ろから喉を氷の槍が突き出した。そこからルーラーの少女を囲うように魔法陣を展開し、氷の槍を射出してあらゆる角度から串刺しにした。綺麗な氷の表面を赤い血が流れて先端から滴り落ちた。
ベネットが氷雪女王の力で氷の槍を消すと、空中にいたルーラーの少女は重力に従って落下し、崖の下へ落ちた。
手応えを感じず、死体の確認をする為に崖に近づき、そっと下を覗いた。
「あはっ♪」
崖の下で待機していた無傷のルーラーの少女は目が合うと笑った。
すかさずベネットがメメント・モリで頭部を撃ち抜くが、頭の中身を見せた状態で動いて両手首を掴まれて動きが封じられた。そのまま押し込まれて宙を浮き、地面に倒れるとルーラーの少女が馬乗りになった。
「くっ」
「あの程度の攻撃なんて効かないわ。これでも生命力には自信があるからね」
「よく喋るな」
「話すのは好きだから。それに今の私にとって会話は重要な要素なの。神様から貰った新しい力は感情操作とそれに伴う洗脳。あとは相手の強化。遠くからでも相手の感情を好きなように弄れるけど、近ければ近いほど、言葉を掛ければかけるほど、時間を掛ければかけるほど効果は増す。あなたには視覚と聴覚と触覚から影響を及ぼしてあげる」
話している間に頭部が元に戻ったルーラーの少女の瞳は、アニメや漫画の表現のようなぐるぐる目をしていた。
嫌な予感がしたベネットは振り解こうとするが、その握力は非常に強く、ぐるぐる目から視線を逸らせなかった。
「さぁ、あなたは私と同じで人間の邪悪さに絶望して、恨み、憎しみ、復讐したいと思うようになる。同時にそれを手伝う私が好き好き大好きになって、思わずキスしたくなる。どう? したいでしょ? お願いしたら、してあげるわ。そして力を上げる」
「う……」
目が、言葉が、手の感触が……ベネットの感情を強制的に増幅させる。
人間に強い殺意が向き、私利私欲に走るだけのクズ共の顔と心中の大衆を見下した思想がフラッシュバックする。
敵であるルーラーの少女に対し抱き着き甘え、離れたくないという愛情が芽生えてしまう。
その二つを拒絶する理性が強靭に働こうとするが感情と体の制御が効かず、どうしていいか分からず混乱し、瞳孔が開いて呼吸が浅く速くなる。それに伴う心拍数の異常上昇にゲームシステムが警告を発するが、ルーラーの少女の干渉によってバグり、機能が停止した。
理性と感情が乖離して心がぐちゃぐちゃになったベネットは、自身の処理能力を超えて眠るように気絶した。
――全く、仕方がないな。
「……あらら、気絶しちゃった。でも凄い精神よあなた。普通の人間ならすぐに従順な手駒になるのに。まぁ、気絶している間にも洗脳できるから問題無いんだけどね」
「そうかよ」
「え?」
気絶した筈のベネットが目を開けた。
あまりにも早過ぎる覚醒にルーラーの少女が間の抜けた声を発した瞬間、手首を押さえている手が芯まで凍結し、そのままボキボキに砕けて無くなった。
「なんで?」
ただ疑問だけが浮かんだルーラーの少女は、手が自由になったベネットに頭を撃たれて倒れた。
「やってくれたなクソガキ。お前のせいで俺が出る羽目になったじゃねぇか」
再生するまで時間があると判断し、ベネットはメメント・モリを脇に挟み終雪を目の前に突き刺し、インベントリからハーブシガーとライターを取り出して一服を始めた。
ルーラーの少女が頭部を再生させながら立ち上がった。
「どういうこと? あなたは気絶した筈」
「気絶したのはベネット。俺はベネデッタ。元々の人格だ」
「なにそれ、二重人格? 中二病のつもり?」
「フン、信じられんならそれでもいいさ。ほら、わざわざ態勢が整うのを待ったんだ。来いよ」
ベネデッタはまだ吸えるハーブシガーを地面に捨てると、踏んですり潰して消火し、メメント・モリを左手に持ち、右手で終雪を引き抜いて峰を肩に載せて臨戦態勢を取った。
そして【覇気】を全開で出しつつ、抑え込んでいた底知れない殺意を出して極限の集中状態であるゾーンに入った。
「…………」
なにこれ……感情操作が効いてないし、攻められない!?
見て感じたルーラーの少女は自分の力が全く効いていないことを認識した。さらに自分以上の憎悪や絶望や憤怒の混ざったどす黒い感情を持ったまま理性を保ち、一分の隙も見せない姿勢に心の底から恐怖心を覚えた。
それにこれは……この感覚は――ヤダ、私の記憶を……心を見るな!
見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな!!
「見るなああああああ!」
心の中を暴かれたルーラーの少女は激昂し、勢いに任せて両手に出した剣で襲い掛かる。
ベネデッタは動きを読んで容易く迎撃できたが、敢えて終雪で受け止めた。凄まじい威力に終雪とベネデッタを通して衝撃が地面に波及し、崖が割れて崩れ落ちる。
ただ、前もって実体化した魔法陣を展開していたベネデッタが落ちることは無い。
「大いなる力は、時として畏怖や嫌悪の対象となる。元が普通の人間だから分からなかったんだろうが、お前は力を示し過ぎた。やり過ぎたんだよ、第二王女アリシア。いや、アマノ・サキ」
「前世の名前を呼ぶな! 私の心に入って来るなぁ!!」
怒りのままに振るった攻撃は全てあっさりと防がれ、両手の剣に莫大な魔力を込めようとした瞬間、側面に瞬間的に生成された氷の剣によって腕が切断されて落ちた。
「っ!」
「憐れだな」
メメント・モリが向けられて回避行動に入ったが、ベネデッタはその動きを読んで捉えて撃った。
確実に躱さなければ直撃していたコースであり、アマノ・サキが急ブレーキを掛けて止まるが、銃弾に意識を向けて気付けなかった背後にある手のひらサイズの魔法陣から氷の槍が射出され、確実に心臓を貫かれた。
「……う、うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
自分以上の殺意、自分以上の強さ、覗かれ続ける心にどうしていいか分からず、アマノ・サキは再生して魔法で手の内に戻した剣を握って大声を発して突っ込んだ。
それを見切られ、終雪で胴鎧ごと横に切断されて落ちていく。
山の急斜面を転がり落ちながら再生し、顔を上げれば目の前にベネデッタが立っていた。
「その程度か?」
「うううううううっ! うううううううう!」
言葉が見つからず唸り、歯軋りし、アマノ・サキは堪えても流れる涙を無視し、立ち上がって殴り掛かるが、ひらりと躱されたうえでその腕を終雪で切り落とされ、メメント・モリで片膝を撃ち抜かれて無様に倒れた。
「立てよ。死ぬ気で来ないと俺は殺せんぞ?」
「……フフフ、アハハハハハ、アハハハハハハハ♪」
腕と膝を再生し、立ち上がったアマノ・サキは狂ったように笑い出した。
ゆっくりと振り返り、虚ろな目と歪んだ笑みを見せて言った。
「もういいわ。一人で来たからこっちも一人で相手してあげたけど……間違いだった。私はもう正義の側でも何でもない、世界を滅ぼす存在。手加減とか情けとか最初から必要無かった。私が得意とする戦い方で、勝てばそれでいいんだ」
中途半端に残していたアマノ・サキとしての意思が消え去り、彼女が人間として残っていた証である瞳の青色とブロンドの髪が完全に赤黒く染まった。
そして呼び出しの合図として指パッチンをすると、モンスタースタンピードに使っていた数十万を超える魔物の軍勢が転移して来た。
軍勢は様々な地域に生息する魔物であり、ベネデッタを取り囲むように隙間なく配置されているが、絶望感を与える為か少し距離がある。また、魔物たちは全てジエンドの力を与えられて赤黒いオーラを纏って凶暴化していた。
「じゃあ、死んで」
冷たい一言と共に手を向けて、アマノ・サキはベネデッタに攻撃を仕掛けるように命令を下した。
ベネデッタはメメント・モリを仕舞い、終雪を鞘に収め始めた。
「【三ノ秘・雪の果て】」
スキルを宣言しながら終雪をしっかりと鞘に収めれば、吹雪の降雪量が僅かに増え、接近しようとしていた魔物たちは糸が切れたように一斉に倒れて絶命した。
アマノ・サキもその場に倒れて死んでいるのを確認したベネデッタは実体化した魔法陣に乗って空高く移動し、まだ残っている軍勢を視認して掃討するべく魔法を使った。
複数個所に巨大な魔法陣を展開し【アイスエイジ】で全てを凍りつかせて倒した。
魔物の軍勢を壊滅させて地上へ降りれば、アマノ・サキが起き上がったところだった。
「お前の不死は、力を与えた対象の生命力を使って回復、または命を代償にして復活するというもの。これで残機ゼロだな」
「反則もいいところね。心の中を見られた時点で、全部バレていたわけか。私が乗せられずに魔物たちをここに呼び出さなかったらどうするつもりだったの?」
「その時は延々と殺し続けた」
「アハハ……容赦ないわね」
乾いた笑いを発したアマノ・サキに戦う気力は既に無く、立ち尽くすだけだった。
「どうせ逃げても追って来るんでしょ?」
「ああ」
「……ままならないものね」
メメント・モリを構えたベネットは、目を閉じたアマノ・サキの頭部を正確に撃ち抜いた。
血と脳が飛び散るが、それらも含めて全て赤黒い粒子となって消えた。
赤黒かった空模様が元に戻り、ベネデッタも殺意のゾーンを抜けて武器をインベントリに仕舞っているとウィンドウが表示された。
『第一世界の大規模クエストが達成されました』
そのウィンドウに重なって二枚あるのが分かって切り替えれば、第三世界の大規模クエストの達成と、緊急クエストのワールドシップ襲撃も既に達成されているのが分かった。
続けて表示された達成報酬を適当に確認したベネデッタはウィンドウを全て閉じ、戦闘で乾いた喉を潤す為に魔法で小さな氷を作って口に放り込み、スキルで発生させた濃霧と吹雪を消した。
口が潤ったところで、この状況をしっかりと見ているであろう人物に向かって言った。
「テスタメント、聞こえているんだろう?」
目の前に小さなゲートを作ってテスタメントが現れ、一礼した。
「ジエンドルーラーとの戦闘、お疲れさまでした」
「ああ、それよりも手を貸せ」
「はい、私の出来る範囲でなら」
「俺の戦闘の映像、誰にも見せるな。消せ」
「分かりました。消去しておきます」
「それともう一つ、ベネットには大罪の七姉妹が救援に来て助けられたのだと伝えろ」
「はい」
「じゃあ、俺はもう引っ込む。後は任せた」
言い終えたベネデッタは糸が切れたように倒れそうになり、テスタメントが抱いて支え、お姫様抱っこに切り替えてからゲートを作って第一世界の活動拠点に戻り、宿屋の一室に泊まってベッドに寝かせた。
第一世界の問題が解決する少し前。
ワールドシップ襲撃と同時発生した第三世界の大規模クエストに対応するべく、オウカが早々に移動していた。
転移した先のプルデンス魔術学校はまだ平和な状況であったが、空は黒くぶ厚い雲が覆い、ゴロゴロと音を立て今にも雷が落ち土砂降りの雨が降りそうな状態だ。
オウカが只ならぬ気配を一方向から感じ取り、実体化した魔法陣に乗って学校の上空に移動すれば、山の向こうの地平線から赤黒いオーラを放つ何かが大量に飛んで来ているのが見えた。
確認しようと魔法のルーペを作ろうとして、通話とは違う通信の呼び掛けがあり応じた。
「こちらニーナ・メイスン。オウカさん、聞こえていますか?」
「ああ、聞こえている。どうした?」
「テスタメントさんから依頼され、あなたをオペレートします」
「それは助かる。相手がどんな敵なのか分からないか?」
「スキャンします。少しお待ちを」
ニーナがスキャンを始め、待っている間にオウカも魔法のルーペで目視することにした。
拡大され、大量の何かの個体がはっきりと見えた。
リアルでは基本的に見ることが出来ない存在、複数種類のゴーストがジエンドの力を纏いながら群れとなって飛んでいた。
「ひえっ」
姫騎士のロールプレイが一瞬で崩れ、情けない声が漏れた。
「スキャン完了しました。ゴースト――それも多種です。また、ゴーストの集団の中にジエンドルーラーの反応があります。注意してください」
「あ、ああ……」
マズイマズイマズイマズイマズイ!!
幽霊怖い! 幽霊怖い! 幽霊怖い!
相手したくない今すぐ逃げたい!
けど逃げたら姫騎士として面目がガガガガ……。
手足が震え、冷や汗が流れ、顔面蒼白で吐き気すら覚えたオウカは、それでも戦おうと気張り、気配を探ってジエンドルーラーのいる場所を魔法のルーペで拡大した。
「こ、こいつか……」
ジエンドルーラー自身もゴーストであり、相手に恐怖心を与える為かボロボロの黒い布を纏い、真っ赤に光る双眸が特徴の半透明な骸骨だった。
何アレ怖い!
誰か代わってよおおおおおお!
「むっ?」
心の中で嫌がっていると、目が合ったと認識したオウカの見ている前で、ルーラーが動き出した。
赤黒い魔法陣がルーラーの目の前の足元に展開された瞬間、赤黒い光が自分のオウカの足元から発せられた。
「――しまった!?」
精神的にダメダメな状態で察知が遅れ、オウカは強制転移させられた。
場所はルーラーの目の前。
当然、周りは視界を埋め尽くす無数のゴースト。
悪意あるその意思は生きたオウカを見つけると獲物と判断し、近寄ろうとする。
「い……」
オウカの体から火がメラメラと沸き立ち、周辺に炎が出現して抑えていた力が解放された。同時に、スノークリスタルリングと似た性能を持つユニーク装飾品『フレアリング』によって凄まじい【覇気】が発せられ赤いオーラが噴出した。
目の前にいるルーラーもその絶大なる強さに気付いたが、既に手遅れだった。
「いいいやあああああああああああああああああ!!!」
感情値が振り切れんばかりに泣いて絶叫しながら魔剣レーヴァテインと魔杖イフリート、二本の賢者の杖を瞬時に出し、火属性の最上位マジックスキルの一つ【ニュークリア】を発動した。
残存MPの全てが使われ、火属性特化で他の追随を許さない高過ぎるINTから繰り出された魔法により、オウカ自身が小型の太陽となって光り、数百万度という熱線と全てを破壊する衝撃波となった。
その様は、まさに“核”である。
物理が効かないゴーストもルーラーも、魔力が含まれた熱と衝撃波によって一瞬にして消滅し、近くの山が吹き飛び、その場の地形が抉り取られて巨大なクレーターが出来上がる。
極大のキノコ雲が発生し、衝撃波は離れた位置にあるプルデンス魔術学校を襲ったが、結界によって事なきを得た。
こうして、たった一撃で第三世界の大規模クエストは達成された。
のだが、その後ロールプレイを忘れて泣くオウカを慰めるのに、ニーナ・メイスンは苦労した。




