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古代文明

もしかしたら修正するかも・・・。



 翌日、ベネットがいつもの時間にログインして気の向くままにイレギュラーの世界を堪能するべくワールドルームから転送装置に入って転移し、地球の活動拠点に降り立った。

 そこから転送装置を使ってさらに転移し、火星の活動拠点に到着して空いているハンガーを探して移動する。

 奥まった場所に空いているハンガーを発見し、金ぴかで目立つTAアウルムを出そうとコンソールにライセンスカードを挿入したところで、メールが二件来ているのに気付いた。


 一件目は地球統一政府のオペレーターをしているニーナ・メイスンからだ。件名は『専属契約の話しについて』である。内容は社交辞令の挨拶と、詳しく話したいので直接会って話せないか、というものだった。


 二件目はベネットが贔屓にしているロイヤルユニオン社からだった。件名は『指名依頼』である。内容は古代文明の施設の調査だ。



 まずはニーナの話を聞くべく、転送装置で地球へ戻って軌道エレベーターの傍にある地球統一政府本部に向かった。


 本部は軌道エレベーターの傍にある。大きな施設で警備は厳重だが、その大半はテロを想定した対車両と対人間のものばかりだ。企業の襲撃は心配していない。

 周辺は既に街になっており、多くの企業が店を出して飲食店から武器販売店まで並んでいる。一般人だけでなく、戦いに疲れたイレギュラーや兵士も利用しており、この街に戦いを持ち込むことは、統一政府と企業とイレギュラーの全部を相手取ることに等しい。


 白くて立派な施設に到着し、ベネットが門の警備員にライセンスカードを見せて用件を伝えると、訪問予定を確認してから通された。


 玄関から入り広いロビーの正面にある総合受付に立ったベネットは、容姿で採用されたであろう美人な女性に声を掛けた。


「あの、オペレーターのニーナ・メイスンに会いに来たんですけど」

「警備員から聞いています。こちらの会議室に向かってください」


 施設の地図を出して会議室の場所を丸く囲って差し出され、ベネットは受け取って確認した。


「……わかった。ありがとう」


 地図を頼りに指定の会議室に着けば小さなホワイトボードが掛かっていた。


 『ニーナ・メイスン、使用中』


 と手書きで書かれており、ノックをすると「はい、どうぞ」と声が聞こえてベネットは扉を開けた。

 会議室は小さな部屋で、窓からの見晴らしはいいがホワイトボードとテーブルと椅子が幾つかあるだけの部屋だ。

 ニーナは椅子に座っており、ベネットが入って来ると立ち上がった。


「ベネットさんですか?」

「うむ。君がニーナだな?」

「はい。直接会うのは初めてですね。改めまして、オペレーターのニーナ・メイスンです」


 挨拶したニーナは着ているスーツが似合わない、童顔で小柄な若い女性だ。ブロンドの長髪を低い位置でリボンで結んでおり、くりっとした目の中の青い瞳からは純真さが窺える。


 ベネットが向かい側の席に座ると、ニーナも座ってコホンと咳払いをしてから言った。


「では、専属契約の話を始めましょうか。ですがその前に、今からメタ的な話をすることになりますが、構いませんか?」

「ああ、構わない」

「では……ベネットさんは『サポートNPC』という機能をご存じですか?」

「ああ、知っている」


 ベネットはサポートNPCという機能については知っている。他のゲームでお世話になったことがあり、ゲーム『イレギュラー』における専属オペレーターもサポートNPCに該当する。



『サポートNPC』


 高度なAIであり独立した意思を持つNPCたちがプレイヤーと個々に契約してサポートする機能だ。

 戦える者はストーリーやクエストに同行し、パラメータや装備はプレイヤーと同等の扱いで行動する。

 戦えない者でもアイテムの生産や商売での資産運用、システム面においての管理やサポートを行うことが可能である。



「では話は早いですね。このオールワールド・オンラインにおいてもサポートNPCの機能があります。私はあなたと契約し、あなたのサポートNPCになろうと思います。どうですか?」


 ベネットとしては拒否する理由は無い。

 ただ、幾つか疑問はあった。


「ふむ……幾つか質問がある。まず、契約料はどれくらいだ?」

「ゲーム『イレギュラー』のシステムそのままなら交渉といくところですが、オールワールド・オンラインでは必要ありません。ベネットさんの資産を共用することになりますので」

「それはつまり、金銭面で私がニーナの面倒を見るということか?」

「そうなりますね。ただ、言ってくれればアルバイトをしますし、他のプレイヤーのサポートを有料で引き受けることは出来ますよ」

「そうか。次、各世界の住人が他の世界に移動することは可能なのか?」

「普通は不可能です。ただし、サポートNPCになった場合は契約したプレイヤーのアイテム扱いになる為、設置されている転送装置から別の世界に移動することが可能になります」

「なるほど。最後に、何故私と契約したいんだ?」

「ベネットさんは伝説のイレギュラーです。数回オペレーターをしただけですが、その強さに惚れました。あとは、何となくですね」

「……質問は以上だ。契約の申し出を受けるよ」

「そうですか! ありがとうございます。それでは、こちらにサインをお願いします」


 ニーナが何も無い空中から出して差し出したのは、一枚の紙と赤いインクに入った羽ペンだった。

 ベネットが受け取って髪を確認すると、それには『サポートNPC契約書』というタイトルが書かれており、サポートNPCについての説明文が書いてある。その下にニーナ・メイスンの名前とプレイヤーのサイン欄が設けられていた。


 ベネットが羽ペンを手に取ってサイン欄に名前を書き終えると、紙と羽ペンが光って消え、ニーナが淡く光って消えた。


 ベネットの脳内に音声が響く。


『ニーナ・メイスンがサポートNPCになりました』


「これで私とベネットさんとで契約が成立しました。これからよろしくお願いします!」

「こちらこそよろしく」

「はい!」


 元気よく返事をしたニーナは、すぐに真面目な顔をして言った。


「それでは早速ですが、ベネットさんの今後の方針をお聞かせ願えますか?」

「うむ、特に無い」


 ベネットがそう答えた瞬間、期待していたニーナは肩を落とした。


「はぁ……そうですか。でも、何か目的や目標はないんですか?」

「ああ、それなら一つある。楽しむことだ」

「楽しむ? ゲームをですか?」

「そうだ」

「いいと思いますよ。私はオペレーター以外に、何をすればいいですか?」

「当面は自由にしていい。あっ、でも、資産を共用するのなら、散財は控えてほしい」

「わかりました」

「じゃあ、私はこれから指名依頼を受けに戻るよ」

「指名依頼ですか。それなら、私は専属オペレーター用の施設で待機していますね」

「ああ」


 ベネットとニーナは立ち上がり、地球統一政府本部を出た。


 TA用の格納庫まで一緒に戻って別れ、ベネットは依頼斡旋所に入った。コンソールから指名依頼を仮受諾し、受付で鍵をもらって個室に入り、ソファに座って待つ。


 すぐに一人の若い男性が入って来た。黒髪黒目で眼鏡を掛けた、知的な雰囲気のある細身の男である。

 彼はベネットの対面に座ると、口を開いた。


「あなたが伝説のイレギュラー、ベネットさんですね。あなたの帰還をロイヤルユニオン社の方々は嬉しく思っていますよ」

「そうか。覚えていてくれたんだな」

「私は仲介人ですので詳しくは知りませんが、本社にはあなたの活躍の記録が展示されていると聞きます」

「……マジ?」

「マジです」


 贔屓にしていたとはいえ、それには流石のベネットも少し引いた。別に称えられる為に戦っていたわけではない。


「無駄話はこれくらいにして本題に入りましょう。今回の指名依頼は地下にある古代文明の調査です。目標は施設の制圧。報酬は二千万ゴールドです。どれだけの戦力かわかりませんので、弾薬費は依頼主持ちで、補給用の車両を用意します。この依頼、受けられますか?」

「ああ、受けよう」


 依頼受託の手続きを済ませると、テーブルに世界地図が表示された。


「では詳細を話しましょう。ロイヤルユニオン社が実効支配している地域、火星の北極圏に古代文明の地下施設があります。入り口はTAが数機乗れるほどの巨大なエレベーターとなっており、数度の突入で何種かの兵器と遭遇しました。データは後で確認してください。また、地下施設はかなりの規模ではないかと予測しており、高性能な頭部パーツかレーダーを装備していくことをオススメします。話は以上です。質問はありますか?」

「いや、無い」

「では、依頼の成功を期待しています」


 仲介人は物を仕舞うと立ち上がりさっさと個室から出て行った。

 ベネットも個室から出て鍵を返し、格納庫に戻って空いているハンガーにTAアウルムを出して乗り込んだ。コックピットの内装は変わっておらず、パイロットスーツに着替えてシステムを起動した。

 今回は指名依頼なのでロイヤルユニオン社の所有する輸送機が送迎することになっており、指定のポイントへ向かって移動を始めた。


「……やっぱり、目立つなぁ」


 金ぴかの機体が動けば凄まじく目立ち、ベネットはコックピット内から周囲の視線に気付いて落ち着かなかった。

 だが、こればかりは機体の塗装を戻さない限りは変わらない。注目を受けつつ指定場所に到着して待っていると、見慣れた一機のTAが近づいて来た。ドルークのTAインペラートルだ。


 短距離通信の呼び掛けがあって、ベネットはすぐに応じた。


「ドルーク、どうした?」

「大したことではない。新しい機体に乗っているみたいだから、近くで見たいと思ったんだ」

「そうか」

「……いい機体だな。その金ぴかの塗装は趣味か?」

「いや、ハカセにやられた」

「ハハ、やはりか。オレも前に一度、光沢のある赤い塗装を勧められた。闘争の塊だから似合うってな」

「フフ、そうか」

「では、またな」

「ああ」


 ドルークが離れて待つこと数分。

 今度はニーナから通信が入った。


「お待たせしました。これよりサポートに入ります」

「よろしくニーナ」

「はい。目標地点までそれなりの時間になりますが、話し相手になった方がいいですか?」

「いや、コックピットでのんびりとするから別にいい」

「わかりました。では、何かある場合を除いては私も好きにやらせてもらいます」

「そうしてくれ」


 通信が切られ、静かになった所でベネットはアロマディヒューザーのスイッチを入れた。

 心安らぐハーブの香りに包まれつつ、古代文明の兵器のデータの確認に入った。



 設置式機銃

 壁や天井に設置された機銃。弾にマナコーティングが施されており、放っておくのは危険。


 ライフルドローン

 ライフルを装備したドローン。見た目は空飛ぶ円盤。推進機構が見当たらず、重力を制御して飛んでいると思われる。機銃と同様、弾にマナコーティングが付与されている。


 ストーカー

 四つ足でスライド移動してくる無人機。名付けた通り、どこまでも追尾してくる。壁や天井に貼り付く能力もあり、厄介。二門のマシンガンと一門のビーム砲を装備しており、弾にはマナコーティングが付与されている。


 ガードアーマー

 TAやNAに酷似した人型の無人機。左手にマナシールドと思われるエネルギーシールドと実体盾を組み合わせた複合盾、右手にバズーカを持ち、両肩にはガトリングも装備している。装甲は頑丈だがブースターを装備していない。


 ハンターアーマー

 TAやNAに酷似した人型の無人機。ビームサーベル型の武器腕を装備している。武器腕には外付けでマナシールドらしきものを備えている。両肩にはロケット砲がある。機体の装甲は薄いが機動力があり、接近されると危険。



「TAに酷似した人型無人機……か。どれだけ強いのやら……」


 敵データの確認が終わる頃には輸送機も来ており、TAアウルムをハンガーに固定して作戦領域に向けて出発した。

 背後には補給車両を吊り下げた輸送機がついて来ていた。




 到着までの間、ベネットは仮眠を取って過ごした。




 作戦領域に近づき、仮眠から起きたベネットは戦いに備え初めて動かす機体の最終チェックを行った。

 チェックはすぐに終わり、戦闘準備が整って前を見ると白い氷で覆われた大地が見えた。

 ニーナから通信が入ったのですぐに繋いだ。


「ベネットさん、起きてますか?」

「起きてないと通信に応じないだろう」

「そうですね。それより、作戦領域に近づいています。準備をしてください」

「もう済ませた」

「早いですね。っと、たった今、依頼主のロイヤルユニオン社より通信の呼び掛けがありました。応じますか?」

「ああ、繋いでくれ」


 ニーナを経由して、ベネットに通信が繋がった。


「初めましてだね。私は今のロイヤルユニオン社の代表だ。こうして話が出来て光栄だよ」


 通信から聞こえたのは、老いてしゃがれているが気品を感じられる男の声だった。


「そうか。初めまして、ベネットだ」

「うむ。時間もないだろうから手短に話そう。古代文明の地下施設、実を言うと我が社だけではなく、他の企業の支配地域でも同じようなものがあるという情報が入っている。企業同士はこれについてはお互いに干渉しない……というよりも、イレギュラー頼みになっていて妨害する意味が無い状態だ。今はどこが一番早く古代文明の技術を手に入れるかで争っており、優秀なイレギュラーたちの取り合いが起こっている。我が社は企業の中では規模が小さい方である為、このイレギュラー争奪戦に後れを取っていた。だが、我が社にとっての英雄が帰還し、今やどの企業よりも古代文明の技術に近づいたと思っている。だから改めて、この依頼の完遂を頼みたい」

「やるだけやってみるよ」

「……それを聞けて安心したよ。何か聞きたいことや、叶えられる範囲でのお願いはありますかな?」


 ベネットは何か欲しいものはないかと考えたが、現状の装備や依頼の報酬で満足しているので特に思い浮かばなかった。

 ただ、ロイヤルユニオン社について気になることが一つあったので、それを聞くことにした。


「……一つだけ聞きたい。ロイヤルユニオン社は()()生体兵器を作っているのか?」


 まだ、とベネットが言ったのは、ロイヤルユニオン社がゲーム『イレギュラー』当時から生体兵器作りにご執心な変態企業だからだ。

 生体兵器の暴走や異常繁殖、施設が壊れての脱走などが度々起こっており、イレギュラーたちにとっては恒例の依頼となっている。ベネットも何度か尻拭いで依頼を受けたことはあるが、余りの頻度に生体兵器の依頼は受けないと企業に言ったほどだ。

 その生体兵器は脅威になるようなならないような微妙なもので、イレギュラーたちからは“キモ可愛い”と評価されている。


 その質問に、代表は通信越しでもわかるくらいに苦笑した。


「……ハハ、まだ作ってるよ。今年でマイトシリーズは五十世代目だ。私個人としてはすぐに生体兵器の生産を中止したいのですが、研究者の大半は乗り気ですし、上層部と資産家もそれを楽しみにしている方ばかりでしてね……やめるにやめられないのですよ」

「あー……そう」

「私からの話は以上だ。では、吉報を待っているよ」



 代表からの通信が切られる頃には、作戦領域に入っていた。



 白い氷に覆われた大地の一部に大きな崖があり、その側面には不自然なほどに形の整った巨大な洞穴があった。

 TAアウルムと補給車両がハンガーから降ろされると、輸送機はすぐに引き返した。


「補給車両は私が遠隔操作します。必要なら指示をしてください」

「わかった」

「では、ミッションを開始してください」


 ミッション開始が宣言され、ベネットはTAアウルムを動かして洞穴に入っていく。

 洞穴の中は入り口こそ土と岩であったが、すぐに金属で覆われた壁や床に変わり、複数のTAが同時に乗れるほどの巨大な貨物エレベーターに到着した。

 貨物エレベーターのコンソールはTAなどが操作できるような大きくて単純な構造をしており、ボタンを押すだけで地下へ向かってゆっくりと真下に動き出した。


 一分ほど乗っていると到着し、頑丈な隔壁が開いて通路が出現した。TAが余裕をもってすれ違えるほどの通路で、高さも充分にある。

 入った直後にライフルドローン一機と遭遇し、ベネットは撃たれる前に性能がかなり向上しているビームライフルを撃って破壊した。


 補給車両を置いていかないようにベネットはTAアウルムを徒歩で進ませる。企業が先んじて突入して途中まで作られたマップによって入り組んだ地形でも迷うことは無いが、先の戦闘で敵味方の残骸があって補給車両が通れるようにする為に残骸を動かし、移動には時間が掛かった。



 ある程度進んだところで、グラサン頭の探知機能によって接近してくる存在が二機確認できた。

 ストーカーよりも素早く動く相手で、奥の曲がり角から出て来たのはハンターアーマーだった。

 既に両腕の外側にあるマナシールドに酷似したシールドを展開しており、ベネットは直感で前方に多弾頭ミサイルを射出しながらグレネードランチャーを展開し、ビームライフルを構えて撃った。

 多弾頭ミサイルはTAにとっては狭い通路の中、ギリギリの範囲で四発に分裂して飛んで行き、回避行動を阻害する。

 その中でベネットが狙った場所はシールド範囲外の脚部だ。機動性を重視した軽量型の脚に直撃すれば一発で中破し、二発目で壊れてもげた。バランスを失って一機は前のめりに倒れ、そこにグレネードランチャーが撃ち込まれ、一機撃破した。


 二機目は撃破された一機目を飛び越えて爆風から抜け出し、ステップブーストを使って一気に距離を詰めてくる。ブレードとシールドは干渉する仕組みなのか、至近距離でブレードが展開された時にはシールドが消えており、ベネットは動きに合わせてステップブーストでバックし、ビームサーベルが空振りに終わったハンターアーマーを撃った。

 脆い頭部が吹き飛び、胸部にもダメージを受けたハンターアーマーはすぐさまシールドで防御の姿勢を取るが、続けてベネットが撃ったグレネードランチャーは至近距離で安全装置が働いて爆発せず、鉄の塊としてビームシールドを強引に貫通して胸部に当たった。

 だが、強い衝撃を与えただけでダメージ自体は無い。

 それでも一瞬動きが止まったことで、ベネットは追撃のビームライフルを片脚に撃って膝を着かせ、背後に回って同じ場所に二発撃つことで撃破した。


「ハンターアーマー……なかなか強いな」


 ほんの十数秒だが、並のイレギュラーでは撃破されるレベルの戦いが終わり、奥へ進む。


 時々ある自動で開く隔壁を通って進めば、新たに補充されたであろうライフルドローンとストーカーに何度も遭遇した。

 ベネットの鋭い感覚と新しいグラサン頭の探知機能によって位置を正確に把握し、勢いよく出て撃ったり向かってくるのを待ち構えることで無傷で進んでいく。


 問題なく進んでマップが作成されていない手前まで来ると、ベネットは通路を封鎖する三機のガードアーマーと遭遇した。まっすぐ伸びた一本道の通路でしっかりと盾を構えており、通過するには飛び越えるか撃破するしかない。


 早速ガードアーマーがバズーカを撃つが、ベネットは必要最低限の動きで躱し、ビームライフルで狙いをつけて撃ち返した。

 ビームはバズーカに直撃して破壊し、三機のバズーカが使えなくなった。

 三機は両肩のガトリングを展開するが、それもベネットは正確な狙いで次々と破壊し、ガードアーマーの武装が無くなった。

 こうなってはただの置物であり、ガードアーマーは腕部内蔵式のビームサーベルを展開して三機揃って突っ込んで来るが、ベネットは接近しながらグレネードランチャーを展開して三機の足元に向けて撃ち、爆風で見えなくなったところで上を通り過ぎて背後に回った。

 重装甲故に鈍重で振り返るまでに時間の掛かるガードアーマーの背後を取ったベネットは、ビームライフルを壊れないようにそっと手から離して捨てながらビームサーベルを展開し、的確に急所を突き刺して二機を撃破した。

 最後の一機が振り返りながらビームサーベルを横に振るい、ベネットは躱しながらビームサーベルを相手の腕に当てて切断し、ガードアーマーが悪あがきで構えようとした盾を掴んで妨害しながら胴体にビームサーベルを突き刺して撃破した。


 撃破したガードアーマーを隅に退かし、少し見た目の違う隔壁の前に来るとニーナが言った。


「ここから先は未知のエリアです。気を付けてください」

「ああ」


 さらに近づいて隔壁が開くと、奥にあったのは入り口で使った物と同じ貨物エレベーターだった。



 さらに地下へ降りていくと、エレベーターの隙間から緑の粒子が漏れ出し始め、視界が緑色に変化を始めた。

 TAアウルムからは空間内のマナ粒子の数値が異常上昇を始めている警告が発せられた。

 同時に、ニーナも異常を認識して警告した。


「ベネットさん、マナ粒子が異常……です。つう…………気を……――」


 マナを使った通信の為、マナ粒子が濃すぎる環境では上手く機能せず、通信不能に陥った。補給車両も遠隔操作を受け付けなくなり、これ以上の追従は出来そうにない。


 それでもベネットは慌てない。

 通信ができない環境で依頼をすることなど、イレギュラーにってはよくあることで、慣れているのだ。

 どうせ持って行けないからと、補給車両の貨物を手動で開いてドローンやアームに弾薬の補給を行わせ、次の戦いに備えた。


 既に視界は緑色に染まっており、グラサン頭の機能の一つによってマナ粒子を透過処理して視界が確保された。




 数分して貨物エレベーターが止まると、隔壁が自動で開いた。

 短い通路の奥にはまた隔壁があり、目の前に立つことで開かれた。


 隔壁の奥は異常なまでに広い空間だった。マナ粒子に覆われて緑色に染まっているが、壁も床も頑丈な金属で覆われており、明かりもなくて暗い。

 グラサン頭の暗視機能によって、日中と変わらない視界を瞬時に確保したベネットは、警戒しながら部屋に侵入する。


 ある程度進むと背後の隔壁が勝手に閉じ、代わりに奥の隔壁が開いて部屋に入ってくる人型兵器が五機あった。


「……TA、か?」

 

 識別は『UNKNOWN』とあるが、どう見てもTAだ。

 開いた隔壁はすぐに閉じた。


 五機のTAはそれぞれ見た目や武装が異なっている。


 一機目は、四脚型のTAだ。四脚は底面のボール型のタイヤによって高速でスライド移動が可能であり、機体の安定性が最も高い。武装は両手にスナイパーライフル、肩にはスナイパーキャノンと、索敵と照準を補助するレーダーを備えている。


 二機目は、重量型のTAで右腕に大型ビームライフル、左腕に小型グレネードランチャー、両肩に多弾頭ミサイルポッドを備えている。


 三機目は、ガトリングの武器腕を持つ軽量型のTAだ。その武器腕のガトリングは片腕に二つずつ付いている。両肩にはビームランチャーを備えている。


 四機目は、中量型のTAだ。大型ビームサーベルを両手で持っており、肩には追加ブースターを備えている。


 五機目は、同じく中量型のTAで、両手にビームライフル、両肩にグレネードランチャーを備えている。



「五機……昔を思い出すな」



 ベネットが笑みを浮かべていると、五機のTAは何の合図も無しにいきなり武器を撃ち始めた。

 ステップブーストを駆使して躱しつつ撃ち返し、ベネットは本気を出す為に殺意のゾーンに入って過去の経験から必勝法を実行に移した。


 それは複雑な手段ではなく、なんてことはないただの引き撃ちだ。


 過去、ベネットは偽装依頼で五機のTAに同時に襲われたことがある。ベネットと対峙して依頼が失敗し、一度懲らしめてやろうとイレギュラーたちが手を組んで襲って来たのだ。

 ただ、イレギュラーは基本的に馴れ合わない性質である為、連携なども殆どできず、ベネットは引き撃ちで複数の射線を切りつつ各個撃破してあっさりと返り討ちにした。


 今目の前の状況は、それとは少し異なる。


 ベネットの感覚からして相手のTAの動きが実に機械的で、連携が緻密なのだ。左右に分かれて突っ込んで来るのは中量型のTA二機で、背後に回り込もうとしているのは軽量型のTAだ。逃げているのを観察し、隙を突こうとしているのは重量型で、誤射を恐れずに小さな穴を通すような狙撃してくるのは四脚型だ。


 ただ、ベネットにとってこの程度の攻撃を凌ぐのは簡単だった。


 最新のパーツで構成されたTAアウルムは、天才であるハカセの常識離れしたチューニングによって超強化されている。瞬間速度も最高速度も並の軽量型を凌駕し、ベネットの操縦にしっかりと応えられるほどに機敏な運動性を持っている。

 ステップブーストの技術も相手をしている五機とは比べるまでもない。必要最低限の動きで躱しつつ、瞬間的な加速で引き離す。

 軽量型も背後を取れず、既に連携は崩れてしまっている。


 ベネットの得意とするタイミングをずらした射撃は、ベテランイレギュラーでも回避が難しい。

 最も相手にしたくないガトリング型の武器腕を持つ軽量型TAを集中して狙い、数発ビームを直撃させて撃破した。


 続いて、遠くからの狙撃と大量のミサイルを躱しつつ正面からやってくる中量型二機の対処に動く。

 大型ビームサーベルを持つ方は後回しにし、ビームライフルとグレネードランチャーを撃って来る中量型TAにビームライフルを撃ち返す。

 無人機は学習するものではあるが、ベネットのタイミングをずらした射撃は先読みした射撃で躱しきれるものでは無く、向かって来ている状況も相まってすぐに当たり、数発で撃破した。


 今度は大きく回り込むように動いて中量型のTAと重量型のTAを無視し、狙撃している四脚を狙った。

 正面から超高速の弾丸が飛んで来るが、先読みによって少しの動きで躱しつつ接近し、逃げようと移動を始めた四脚の脚部にビームライフルを撃った。

 四脚の弱点は被弾面積が大きく、脚部が少し脆いことにある。

 ビームが直撃したことで脚が一本破損してバランスが崩れた。それでも一応動くことは出来るが、機動性は著しく損なわれてしまう。

 ベネットが見逃す筈もなく、ミサイルを射出して逃げ道を塞ぎつつビームライフルとグレネードランチャーを撃つことで、そのまま撃破した。


 残されたのは重量型と大型ビームサーベルを持つ中量型の二機だ。どちらも強力な武装だが、当てられなければ意味がない。


 接近戦に付き合うつもりが無いベネットは中量型を無視して重量型に攻撃を集中し、耐久以上の火力をぶつけて撃破した。


 最後に残った中量型は、引き撃ちすることで何もさせずに撃破した。



「……ふぅ」



 周囲に敵の気配もなく、戦いが終わってベネットが殺意のゾーンを解除して一息吐いていると、五機のTAが出てきた隔壁が再び開いた。

 ベネットがそちらに向かって中に入れば短い通路があり、奥にはまた隔壁があった。ただ、今までの隔壁よりもしっかりとした作りである。

 目の前に立つと自動で開かれ、中に入ればそこには細かい部分は違うが格納庫とほぼ同一のTA用のハンガーが五機分設置されていた。


「ここで作られた……いや、どちらかというと保管されていた?」


 ベネットは気になったが、まだ依頼中なので寄り道はせずにさらに奥にある隔壁の前に立った。

 自動で開いて短い通路を進み、また新たな隔壁の奥へ入れば、今度はSA用の格納庫だった。


「おっ、これは……SA? 古代文明の遺産……なんだろうけど、金ぴか……」


 ハンガーには一機のSAが固定されていた。

 男心をくすぐるカッコイイデザインのパーツで構成された機体であるが、全身金ぴかな塗装となっている。ただ、表面の装甲にマナと同一の光の模様があり、機体の節々からマナ結晶が出ていた。


 不思議な機体でそれから変な感覚が伝わってくるベネットは興味津々だったが、近づかない。

 何故ならその機体には厳重な封印処理がされているからだ。


 まず、直接触れないようにマナによるバリアが貼られている。


 次に、機体そのものに黄色くて目立つテープが雁字搦めに巻かれている。


 さらに、頭部にはバイザーが被せられて顔が見えなくされている。


 どう見ても曰く付きらしい状態であり、下手に触って何か起きるのを恐れたベネットは無視することに決めた。


 奥にはまだ隔壁があった。

 ただ、TA用ではなく人間用の大きさである。

 まるでベネットを導くかのように隔壁は既に開いており、ベネットはTAアウルムを降りることにした。

 シートの下に設置されている酸素ボンベと移動用のスラスター機能が付いたバックパックを取り出して背負い、酸素チューブを繋げて準備を済ませてからコックピットのハッチを開けば、大量のマナ粒子によって視界が緑一色になる。

 ヘルメットの機能によって視界不良は緩和され、さらにある情報がベネットの視界に表示された。


「ん? 酸素がある?」


 試しにヘルメットのバイザーを上げて見れば、呼吸が出来た。

 それともう一つ、環境による効果が発動しているのに気付いた。


「……MP自動回復・絶大? マナの影響……か?」


 ベネットは首を傾げた。


 ゲーム『イレギュラー』において、マナ粒子は人に全く害の無いものであるという設定であった。だが今は、魔法を使うMPが自動回復する効果がある。


「うーむ……気になる。けど、まずは依頼が優先だな」



 TAアウルムから降りたベネットは隔壁の奥へ入った。短い通路があり、すぐに行き当たった隔壁が開いて中に入る。


 その奥の部屋にはこの古代文明の地下施設を管理するコントロールルームがあった。

 全体を見渡せる座席とテーブルがあり、その前には大量のオペレーター用のコンソールと座席が並んでいる。正面には巨大なモニターがあって地図が四つ表示されている。地下施設の全体図、地球、火星、太陽系の全体図だ。

 


 地下施設の全貌を知れる地図を見たベネットは、地下の最深部が点滅しており、現在地のコントロールルームからそこに向かって一本の線が伸びているのに気付いた。


「……そこに行けということか?」


 奥にあるエレベーターの一つが開いており、それに乗ると勝手に最深部までのボタンが押されて下へ移動を始めた。

 数字が次々と変わっていくのを眺めて待っていると最深部に到着し、エレベーターの扉が開いた。


 最深部は、直径十メートル以上の巨大なマナ結晶と、その手前に設置された巨大なコンピュータがあるだけだった。


 ベネットが部屋に入って近づくと、部屋中に設置されたスピーカーから機械的な男の声が響いた。


「よくここまで来た」


「我々を見つけ出すまでに再生した人類の代表よ、君を歓迎する」


「今、この世界には異界からの襲撃者が来ていることだろう」


「それは我々のせいだ」


「手を出してはいけない力を使い、別の世界への扉を開いた」


「それが神を怒らせた」


「我々は抵抗したが、無尽蔵に現れる襲撃者に次第に疲弊し、ある決断を下した」


「扉を閉ざし、その元となった力を封印し、文明を破壊して我々の歴史を抹消した」


「一つの賭けだったが、我々がいなくなることで襲撃は治まり、この世界の延命に成功した」


「だが、もし再び人類が力を手に入れた時、襲撃者に対抗できるようにある備えを作った」


「それがこの巨大な結晶と、先に見たであろう人型の兵器だ」


「この巨大な結晶は、別の世界へ容易に繋がる程のエネルギーを有し、その技術が記録されている」


「先に見た人型兵器には、我々の兵器の技術の全てと、人類の可能性と希望が込められている」


「君達が我々と同じにならないよう、切に願っている」


「さぁ、世界の存亡を賭けた戦いに望むならば、受け取るがいい」


 言いたいことを言い終えると、スピーカーから声は聞こえなくなった。


 代わりに、正面のコンピュータのモニターに文章が表示された。


『データを受け取りますか?』


 はい


 いいえ


「……これ、大規模クエストっぽいな」


 ベネットは誰かに通話で相談しようかとも考えたが、相談する相手の悉くがノリノリでやろうと言い出すことに気付いて止めた。


「……よし、やるか」


 はい、にカーソルが合わさっていることを確認してから、キーボードのエンターキーを押した。


「――ぽちっとな」


 予め用意されていたのか、すぐ横の挿入口から一枚のディスクが吐き出され、触れるとアイテムとして取得できた。

 そのアイテムを取得するのがトリガーとなり、世界全体が震えるような感覚が起こってすぐに静まった。

 それからベネットの正面に、真っ赤なウィンドウが表示された。



 大規模クエスト『第十世界防衛戦』が発生しました。


 ホスト:ベネット、チーム『円卓』


 達成条件:防衛の成功、または、特定エネミーの撃破


 失敗条件:各地域の防衛対象の壊滅


 発生時刻:三日後(現実時間)


 参加人数:無制限


 戦闘地域:火星、地球、宇宙空間


 推奨装備:TA・SA、宇宙服、特定のスキルが付与された装備


 推奨スキル:【宇宙適応Ⅰ】以上


 パッシブスキル【宇宙適応】


 宇宙空間や特殊な空間で呼吸が可能となり、自分の意思である程度の姿勢制御ができる。スキルレベルが上がるとより動きやすくなる。

 水中はスキル対象外。


 エネミー特効:TA・SA

 注意事項:大規模クエスト失敗の場合、ペナルティとして一週間転送装置が起動不可となり、特殊な方法以外で訪問が出来なくなります。



 地域別難易度


 報酬:難易度によって報酬に違いはありません。


 火星:ハード

 防衛対象:火星の活動拠点


 NPCの支援がほぼ受けられません。

 強力なエネミーが多く出現します。

 最終目標の特定エネミーが出現するポイント。



 地球:イージー

 防衛対象:地球の活動拠点とその周辺、及び各企業本社


 NPCの充分な支援が期待できます。

 戦闘が苦手、或いはゲーム初心者に推奨の地域。



 宇宙空間:ノーマル

 防衛対象:軌道エレベーター、宇宙艦隊の旗艦


 NPCの支援をそこそこ受けられます。

 エネミーの出現が最も多く、忙しい地域。

 推奨装備が必須。 

 兵器に関しては宇宙用のカスタマイズが必要。



「これはまた……気合入れないとなぁ」


 ウィンドウの内容を読み終えたベネットは、今受けている依頼が達成したと判断して帰還を始めた。


 が、すぐにアルバから通話があり、立ち止まって応じた。


「はい、こちらベネット」

「アルバだ。大規模クエストをどうするかで会議を開きたい。すぐに戻れるか?」

「あー……無理」

「無理? 今、戦闘中か?」

「いや、戻る為の手段がない。数時間は掛かる」

「……ベネット、テレポートストーンは持ってないのか?」

「何それ?」

「…………」


 基本的なアイテムを所持していないどころか、知らないという事実に、アルバは呆れて言葉が出なかった。


『テレポートストーン』

 ワールドシップや活動拠点のアイテム屋で売っている、使い捨ての帰還用アイテム。かなり安い。帰還場所はワールドシップに限定されているが、基本的にどこでも使える。

 ただし、周囲にエネミーがいたり、ダンジョンやボスエリア、特殊な状況では使用できない。


「……持ってないのならいい。いつ頃戻れる?」

「わからん。それに今日は疲れたから、会議に参加しても寝るぞ?」

「……わかった。明日にしよう。集合時間はベネットがログインする時間帯でいいか?」

「そうしてくれ」

「じゃあ、俺は他のチームと話し合いの場を作っておくよ」


 通話が終わり、ベネットは再び歩き始めた。


 地下施設からある程度地上へ近づき、マナ粒子が薄くなって通信が回復した直後、ニーナから通信が入った。


「ベネットさん、無事ですか!」

「ああ、無事だ。大規模クエストが発生したが、そっちの様子はどうだ?」

「企業と政府は対応に追われています。プレイヤーの皆さんは……とても楽しみにしていますね」

「そうか。依頼は達成したから、報告よろしく」

「わかりました。お疲れ様です」


 ニーナからの通信も終わり、ベネットは地上に戻った。酸素の関係で輸送機は待機せずに帰ってしまっているので、TAアウルムで飛んで帰還する。

 自動運転で空を飛び続けたベネットは火星の活動拠点の近くまで戻った時、宇宙に大きなひび割れが三つあることに気付いた。

 一つは火星のすぐ傍で、もう一つは地球と火星の間、もう一つは地球の傍だ。


「……確かにこれは、英雄一人じゃどうしようもないな」



 活動拠点に到着したベネットは、TAをハンガーに固定してから機体の修理とメンテナンス、使った弾薬の補給を行った。

 それからいつもの夏用の軍服に着替え、チームのリストからハカセの居場所を確認して設定で道案内の表示を出し、探しに向かった。


 ハカセはハンガーのコンソールを使って忙しなく手を動かしていた。大規模クエストに向けて、自分やベネット、ドルークの為の長期戦を考えたオリジナルウェポンの作成だ。


「ハカセ、今いいか?」


 ベネットに声を掛けられ、ハカセはピタリと手を止めて振り向いた。


「何かね? 今私は忙しいのだが」


 その顔に笑みは無く、邪魔をされたことで少し不機嫌であった。

 ベネットもそれを理解しているが、必要なことだと理解すればすぐに機嫌を戻すことも知っており、恐がらずにメニューのアイテムリストから古代文明の技術が詰まったディスクを取り出して差し出した。


「ハカセ、これを調べてほしい」

「……これは?」

「古代文明の技術のデータが入っている」

「へぇ、どれどれ」


 受け取ったハカセは、ディスクがコンソールに使える規格であることを確認するとすぐに挿入し、中のデータを閲覧した。


「っ! これは……クックック……フハハハハ、ハーッハッハッハッハッハ!」


 中身を閲覧したハカセは大きく笑い、データを基にして新たな技術の調整に着手し始めた。


「悪いがベネット、作業に取り掛かりたいから話しはこれで終わりにしてくれ」

「わかった。いい物が出来そうか?」

「誰に物を言っているんだ? この私に掛かれば確実だよ。それに、この技術はイレギュラーたちに革命を起こす。独占なんて勿体ない!」

「そうか……では、また明日な」


 別れを告げたベネットは、その場でログアウトした。 


次回、大規模クエストに向けての準備回です。

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― 新着の感想 ―
[一言] ベネットが育った世界とはいえ、しばらく他のメンバー見てないからちょっと寂しいなぁ。 でも、この世界でついて来られそうなのミグニコくらいだからなぁ。
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