『ヘイト稼ぎ』をしっかり書くために ~アンチコメントを見て腹が立ったなら、それをヘイト稼ぎの参考にすべきである~
昨今のなろうランキング……いや、『環境』と言ってもいいだろう。これでランキングに載るためには、『復讐』と『成り上がり』をわかりやすく描写することが求められる。
そもそもランキングに載るということは、一定数いる『ポイントを入れてくれる層』の頭を刺激して、ポイントを入れてもらう必要があるのだ。
そして、『その層の人口が最も多い』のが『追放ざまぁ』であるというだけの話である。
余談だが、書籍化に求められるブックマーク数はおおよそ一万とする人もいる。パソコンで小説家になろうのトップページの上部を見ると、一発で『合計作品数』と『合計ユーザ数』が確認できるが、筆者が確認した時のユーザ数は『1,990,075人』……ほぼ二百万人であった。
要するに、ユーザの内、約0.5%に訴えかけることができれば書籍化の可能性が高いということだ。これを聞いて絶望する人は正常だろう。
さて、『追放ざまぁ』を書く上で必要なのが『ヘイト文』であろう。
しかし、なかなか書けないのだ。
そもそも、日常社会を生きてきたもの達にとって、ランキングに載るざまぁ対象のような『品性と倫理観が欠如した醜さの塊』のような人間を書くことなどできないのだ。書く時に抵抗があるに決まっている。
しかし、ヘイト文が書けなければ、読者は『コイツが潰れた時は清々しいだろう』という予想を立てることができず、そいつが叩き潰されたときにカタルシスを得ることは出来ない。
あっても不完全燃焼だろう。それでは読者は作品を読むのをやめる。
そのために必要なヘイト文を書く上で筆者が勧めるのは、『現在ランキング上位の作品のヘイト文』を参考にすることもそうだが、『アンチコメント』を参考にすることも同時に勧めたい。
短くまとめられていて、棘と悪意と醜い嫉妬のようなもので構成された『人を不快にさせる文章』である。
敵キャラがしっかりと人の不快感を刺激できるかどうかというのは、現実で起こるアンチコメントを分析することで書けるようになるのだ。
正直なところ、筆者はコメント欄でアンチコメントを見るたびに、『コイツの言語センスは凄いな』と思う。
加えて、その手のアンチコメントを見るたびに、『君、そのセンスで敵キャラのセリフを作って小説書けばいいのに』って思う。
ぶっちゃけ、ランキングに載るような奇抜な文章を書くような人だからといって、作家本人の性格は一般的なものなのだ。
例を挙げれば、『初枝れんげ』先生は主人公が超然としていて、しっかりとヘイトを稼げる文章を書いているが、最近YouTubeで地声配信しているのを聞いていると『普通のおっさん』である。
アンチコメントを書いている人も、きっとそのコメントを書いているときだけ、高い言語センスを発揮しているのだろう。
大変すばらしいことだと思う。一人のなろうユーザーであり、小説投稿者である身としては、そのヘイト稼ぎのセンスはとてもほしい。
というわけで、皆もそれを参考にしよう。
最後に、アンチコメントを参考にするという意識を持っていると、アンチコメントを見た時に、確かに不快感は感じるが、『別の向き合い方』ができるため、『後遺症』が少なくなると個人的に考えている。
『アンチコメントを見ると不安になって筆を折る人』は、一度、考えていただきたい。
アンチコメントが来たら、グサッとくるだろう、イラッとするだろう。
どんな方法をとってもダメージは軽減されない。むしろ、一般的な感性を維持したいのなら軽減されるべきではない。
だが、それを利用しよう。幸い、コメントは全て画面越しだ。対面ではない。君がそれを参考にしようと頭の中で切り替えていく時間は、十分にある。