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八話、会いたいから会いに来ただけですわ!

宿


「・・・なんだろう?」


朝、宿の前が何やら騒がしい為、アーリアはそおっとカーテン越しに覗く。


「!?」


宿の前には馬車がおりなんだこの馬車?と気になった町人が早朝だと言うのに集まっている。


「豪華な馬車だなぁ、誰を待ってんだ?」


「この宿の前があの馬車に乗っている人の待ち合わせ場所で良かったですね、誰を待っているのか特等席で見れますよ!」


「だね!」


三人は服を着替えてからだが来るんだろう?と窓際でワクワクしながら見守る。


しかしいつまで経っても馬車に近付いて来る人物はいない。


「なんか出て来たぞ」


馬車のドアが開き一人のドレスを着た女性が降りて来た。


「・・・なんかアーリアに似てません?」


女性はアーリアに顔がそっくりであった。


「この宿にいるのでしょう!?アーリア、出てらっしゃいな!、あなたのお姉ちゃんである私、レイラですわ!」


「!!、な、なんでここに・・・」


両親ならともかく、国から追い出された経験から兄妹とは会いたくないアーリアはしゃがんで隠れる。


「出て来なさーい!」


アーリアが隠れた事により妹を見つけれなかったレイラは我慢の限界が来ているようで出て来い連呼している。


「アーリア・・・、出ないとずっとあそこに居座るつもりだと思うぞあれ・・・」


「ここにいるのは分かっていますのよ!」


「ほら、居場所もバレてます」


「うううー!」


とにかく会いたくないアーリアは友二人に行った方がいいと言われても行かない!と粘る。


「早く行かないと私から行きますわよ!?、いいのですね!?」


「周りの人の迷惑だぞあれ・・・、めちゃくちゃ煩いし」


「あーもう!」


人に迷惑をかけている時点で血縁者として止めないといけないと思ったアーリアは一階に向かうと宿から出た。


近くで見るとアーリアはレイラが本当に自分に似ているなと思い、違う部分は背と胸の大きさくらいだと思う。


そのたわわな物を見て数年後の自分も有望だぜやったぜもする。


「アーリアー!」


レイラはアーリアの姿を見るときゃーきゃー言いながら駆け出し抱き着いて来た。


「やっと!、やっと会えましたわ!、アーリア!、あなたが産まれた日から十四年間!ずっと会えなかったのに!」


(あ、あれ?、この人クソ兄貴達とは違う?)


自分を追い出した兄二人とは明らかに雰囲気が違うレイラにアーリアは戸惑う。


「あなたが戸惑っているのはあの二人に追い出されたからですわね?、先に言っておきますけど、私はあの二人とは違いますわ」


「だってあなたは可愛い血の繋がった私の妹ですもの、私はあなたをあの二人のように区別したりはしませんわ」


だから安心して?とレイラは妹の髪を撫でた。


その優しい手つきにこの人は本当にあの二人とは違うんだと安心する。


「それじゃレイラ様は・・・」


「アーリアの仲間である二人ならば呼び捨てしても良いですわよ」


「それじゃレイラは何をしにここまで来たのですか?」


「会いたいから会いに来ただけですわ!」


レイラはスッキリ分かりやすくアーリアに会いに来ただけだと言う。


「ふふっ可愛い妹にですわ」


ニッコリと優しく微笑んだレイラは妹を抱き寄せるとギュッとする。




「なんですの?」


魔道通信が入ったのを感じたレイラは適当に誤魔化してから繋いだ。


「アーリアから離れろ、その娘は危険だ」


連絡を掛けて来たのは長男だった。


「断りますわ、私は私がしたい事をする、そして・・・私にはあの子が魔神の巫女かどうかなんてどうでも良い事ですの、私に必要なのはあの子が悪い子か悪い子じゃないかだけですわ」


ここでレイラは魔道通信を開いた際は相手の顔が映るため、兄に対して挑発的な表情を見せた。


「少し触れ合っただけでも分かりましたわ、あの子は悪い子ではない、いきなり追い出したりして良い子ではないと」


「好きにせよ、その代わりお前がアーリアの味方をすると言うその考えを変えない限りは王都への侵入を禁ずる、お前の領地以外の土地にも侵入するな、いいな?」


「フン、構いませんわ」


兄の決定をフン!とそっぽを向きながらレイラは受け入れた。


そしてプッツンと通信を切ってやった。




「相手は誰だったの?お姉ちゃん」


甘えていい相手だと理解すると思いっきり甘えるのがアーリアだ。


戻って来て宿の中の椅子に座ったレイラの膝の上に座ったアーリアは誰からの連絡だったのか聞く。


「ふふっ、秘密ですわ」


レイラは妹を背後から抱きしめながら秘密だと伝えた。


「ええー」


それを聞いたアーリアは不満気に口を尖らせた。


「そんな事よりもあなた達は冒険者をやっているのですわね?」


「そうだぜ、それがどうかしたのか?」


「私も冒険者として依頼を受けたいと思っていましたの、だからこれから私もあなた達と一緒に依頼を受けても構いませんか?」


「王族の方が仕事に加わってくれるなんて心強いです!」


「勿論オッケーだよ!」


アーリア達は一緒に仕事がしたいと言うレイラにすぐ様オッケーだと伝える。


「ヨシ!、ですわ、早速ギルドに行きましょう!、お仕事の後にもやりたい事がありますの!」


やりたい事とは服屋に行って妹の服を選ぶと言う、レイラが姉としてやりたい事である。


レイラと言う臨時メンバーを加えたアーリアのパーティはギルドに向かう。

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