サキュバスの正攻法
アーリア達が泊まる部屋
夜、各々が眠りに就くまでの時間、アーリア達はそれぞれ好きな事をしている。
「それにしても」
スマホを枕元に置いたメリアがアーリアの上に乗ってから喋る、アーリアは何故乗る?と言うが無視された。
「相手がすぐそばにいるなら相手の中に入り記憶を盗み見る事が出来るサキュバスと言う種族は敵からすれば物凄く厄介だろうな」
「味方が一人でも捕まったら私を通して情報ダダ漏れだもんねぇ、厄介な存在だと思うよ」
「実際、過去の傭兵が全盛期だった頃は、サキュバスを雇って他の組織の情報を抜き出して貰っていたりしたそうよ」
「敵の情報はどんな方法でも手に入れたい物だからネ、サキュバスがいれば敵の記憶から情報を抜きやすくなるのだから雇う組織は多かったのだろウ」
しかし傭兵達はサキュバスを便利に扱いすぎ嫌になった彼女達は傭兵からの仕事を断るようになってしまった。
それからは傭兵達はサキュバスを多く雇い情報の抜き出し合戦をやっていた前の時代のように自分達で敵の情報を調べざるを得なくなってしまったのである。
何事も節度が必要なのだ、それを越えると過去のサキュバス達のように協力するのが嫌になってしまう。
「私のやり方はこの世界の過去のサキュバスと同じって事になる、しかもこう言う能力があるのだから、私達サキュバスにとってはこれが正攻法なんだよね」
「先に情報を得ておく事で仲間の安全も守りやすくなるし賢いやり方だと思うわ」
「そうだネ」
サキュバスの正攻法についての話を終えたアーリア達は、次の話題としてサキュバスは報酬を何を貰っていたのだろうと言う話になる。
「・・・予想が付く自分って、私もサキュバスなんだなぁって思うよ・・・」
「まぁ確実にアレを貰ってたんでしょうね、アレが貰えても働かされすぎるのは嫌だからみんなで協力するのをやめたのでしょう」
「な、なんのことだ?」
「あなたはまだ知らなくて良いことだよー」
アーリアの言葉を聞きたメリアは子供扱いするなと言うが、アーリアははぐらかす。
「アレといえばあなた自身アレいらないの?」
「私はエレムスのしかいらないので」
「なるほど・・・サキュバスの癖に本当に一途ねぇあなた」
「私はエレムス専用なので」
「だからなんの話だ」
お子様メリアが何の話だと首を傾げる様子を見たアーリアは、頑張って君も大人になりなさいと言ってから目を瞑る、メリアはその顔を暫くジーと見つめた後自分も目を瞑り眠り始めた。




