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五話

王都リーファーレ、アーリア達の家


アーリアは両親と姉と共に家の前まで来ていた。


「あらあら、可愛らしい家じゃない」


母は背後からアーリアを抱きしめつつ目の前の家を可愛いと言う。


「でしょー、この可愛いデザイン、私のお気に入りなんだー、それじゃ入って!」


尻尾を誇らし気にピーンとさせたアーリアは取り出した鍵で扉を開けると中に入った。


「あら、お帰り・・・って、ラーメイヤの!?」


ラーメイヤに訪問してした事があるシオンはアーリアとレイラの両親と聖女として謁見した事があるため二人の顔を知っていた、そのためアーリアが両親を連れて来たのを見て驚く。


「ど、どうして?」


そして何故二人がここにいるのかを聞いた。


「久しいな教会の聖女よ、ここにいる理由だが簡単に言うとアーリアの様子を見に来たのだよ、親としていきなり一人にしてやって行けているのか心配でな」


「でもいらない心配だったわ、アーリアは家まで買って友達も出来てて、あなたたちと一緒にだけど立派に生きてる、ふふっ、よく頑張っているわね、アーリア」


よく頑張っている、娘にそう伝えた母はアーリアの髪を撫でた。


アーリアは両親の言葉が嬉しくて涙目になるが涙を流すのを堪えて微笑んだ。


「ここにいる理由は納得しました、ここは隣国の王都、あなた方がここにいるのがこの国に知れれば面倒な事になるのでお気を付けて下さい」


隣国の王が王都に入れるのが知れれば、サレナの国としては歓迎をしないといけなくなる、そうなればお忍びではなくなるだろう、だからこそシオンはバレないようにと警告する。


「分かっていますわ、だからこそ変装をしてもらっているのですから」


変装と言っても先程アーリアには迷わず父と母だと言い当てられしまっており、家族には通じないようだ。


シオンが二人に気付く事が出来たのはアーリアと一緒にいるのと謁見をした時に顔を見ていたからである。


「分かっているのならばそれで良いわ、ようこそ私達の家に」


シオンは二人に一礼する。


「うむ」


「お邪魔するわね」


「それじゃリビングにいこー」


アーリアは皆を先導してリビングに向かう、扉を開けるとダリアとリアリンが寛いでおり、二人は帰って来たアーリアが連れて来た二人を見て誰・・・?となる。


「この二人は私の父様と母様だよ」


二人の顔を見て二人が何者かアーリアは二人に教えた。


「ええ・・・、国王様と王妃様がこんな所まで来ちゃったのかよ・・・」


「流石はあなたの両親と言うか何と言うか・・・」


ダリアも大丈夫なのか?と言った顔を見せ、リアリンはあははーと笑っていた。


「それじゃ夕ご飯にしよっか、私が作るね」


聖域で一人暮らしをしていたのと追い出された日に料理を両親に披露しようとしていたが、食べてもらえていなかったのを気にしていたアーリアは、今日自分が作った料理を二人に食べてもらうためエプロンを身に付け料理を作ると言う。


「何食べたい?」


「ハンバーグが良い!」


「了解、早速作るから待っててねー」


ダリアのリクエストに頷いたアーリアはハンバーグを作り始めた。


風呂場


皆でテーブルを囲み夕食を食べたあと、アーリアは母と共にお風呂に入っていた。


「ふぅん」


母は十四歳の娘の裸を見てふぅんと声を出した。


「成長してるのね」


「・・・どこを見て行ってるのかな」


「秘密よ」


「胸見てましたよね?」


「秘密よ」


「・・・」


胸を見て言っていたと指摘しても惚ける母、そんな母にアーリアはズイっと身を近付ける。


「うふふ、秘密よー」


「むぅ」


本当の事を言えー、とアーリアは母に圧力を送るがニヤニヤと無視された、アーリアはむむむとなり母の顔をジーと見つめる。


「そんなに私の顔を見ても私は何も答えませーん」


「むー!」


あくまでもからかって答えてくれない母にむー!となったアーリアはプイッ!とそっぽを向く。


遂に我慢の限界が来たかと思った母は体ごとそっぽを向くアーリアを背後から抱きしめる。


「その紋章があるのにラーメイヤの王家でここまで成長出来たのはあなただけなの、私はそれが嬉しいのよ、アーリア」


アーリアの成長が嬉しい、娘に母はそう伝える。


「そしてあなたがこれからも大きく成長してくれるのを私は望んでる、だからあなたの生き方であなたらしく成長して行きなさい、それがあなたの母親としての私の願いよ」


「うん、頑張ってこれからも大きくなるよ、私、だからまた会いに来てね」


「ええ、またレイラに連れて来て貰うわ、さて上がりましょうか」


娘と母は一緒に風呂から出ると仲良く話しながら服を着替え寝室に向かうのであった。


部屋には父とレイラもおり、アーリアは家族には囲まれての夜を楽しく過ごした。


夜を家族と共に過ごしたのは私にとってはこれが初めてでした、本当に嬉しかったんです。

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