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七話、魔神になるよ私は

夢の世界


「最近よく来るなここに・・・」


アーリアは気付くと夢の世界にいた、アリエルもいる。


「またあなたが私を呼んだの?」


アーリアはアリエルが自分を呼んだのか尋ねる。


「今回は呼んでいないぞ」


しかしアリエルは首を振って呼んでいないと答えた。


「じゃあ誰が・・・」


「私ですよ」


夢の世界に光が差し込み上から誰かが降りて来た。


「なっ!?貴様・・・!」


アリエルは現れた者の姿を見て怒りの表情を見せる。


何故アリエルがそのような顔を見せたのか?、何故なら現れたのはメリアルナだったからだ。


宿敵が目の前に現れたアリエルは尻尾をジグザグにさせて警戒し隣でアーリアも隣で警戒する。


「よくも!アーリアの中に・・・」


「ふむ、あなたがそこのちびっ子の生まれ変わりですか」


ダレガチビッコダー!。


無視された。


「ならなんだヤルのか?」


ズイっと近付いてくるメリアルナにアーリアは精一杯の怖い表情を見せる。


しかしその表情は全く怖くない基本的に良い子であるアーリアにはそう言う表情は向いていないのだ。


「クスッ、あなたはそこのちびっ子とは性格が大きく違うようです、無理はしない方が良いですよ」


クスッと笑ったメリアルナはアーリアの髪を優しく撫でる。


アーリアは前の自分の宿敵であった女に頭を撫でられグヌヌとなった。


「無視するな貴様、我の生まれ変わりの中に何をしに来た!」


無視されてイー!としているアリエルはアーリアの中にメリアルナが何をしに来たのかを聞く。


「どうやらあなたはこの子を新たな魔神としようとしているようなので止めに来ました、あなたと言う存在がいなくなって平和になったこの世界に新たな危険分子を作る訳にはいきませんから」


アリエルを排除すると言うメリアルナの言葉を聞いたアーリアはアリエルを庇うように彼女の前に立った。


「ちょっと待て、何を勝手に言ってるんだ、ここは私の中だ、だからアリエルを住まわせるのも排除するのも私の自由だ」


「・・・自分が何を言っているのか分かっているのですか?、そのちびっ子は精神体だけであっても危険な存在です」


「ふぅん、なら私も危険な存在になるから排除しなよ、魔神になるよ私は、今じゃないとしてもね」


アーリアは力が必要になった時、前の自分の力を継ぎ魔神となるつもりだ、そのためメリアルナが魔神であるアリエルを排除すると言うのならばその候補である自分も排除しろよとアーリアは言っている。


「・・・世界の敵になるおつもりですか?」


メリアルナは剣を構えながらアーリアに世界の敵になるのか?と問う。


「ならないさ、そもそも世界が欲しいってわけじゃないからね、私は」


「・・・」


メリアルナはアーリアの瞳をジッと見つめる、見た結果アーリアは嘘を言っていないと理解する。


「良いでしょう、その代わりにです、そのちびっ子が悪さをしないようにあなたが管理しなさい、良いですね?」


「分かってます」


「よろしい、この決定はまだ弱いのに私相手に物怖じしないあなたの瞳が気に入ったからこその決定だという事を忘れないように」


「ありがとう」


アーリアはアリエルを生かす計らいをしてくれたメリアルナに対し感謝してペコリと頭を下げた。


「うっうう・・・、アーリアァァ、魔神になってくれるのかぁ?、我の後を継いでくれるのかぁ?」


「力は継ぐけど後は継がないよ」


ビシッとアーリアはアリエルに勘違いさせないためにも後は継がない事を伝える。


「・・・流石は我の血を継ぐ者だ、欲しいものだけを得るつもりか」


「うん」


「フン、魔族らしくなって来たではないか、良いぞ、その時が来て我に勝てたら魔神と覚醒するためのきっかけをお主にやろう、きっかけさえ得ればお主は我の産まれ変わりそこからは早い筈だ」


つまりはきっかけを得れば後は体が勝手に魔神に覚醒すると言うわけだ。


「気に入ったついでですが、私もあなたを鍛えてあげましょう、魔神となる存在とは言え正しい心を持っているあなたは勇者なきこの世界を守る存在となり得るでしょう」


「貴様!アーリアを鍛えるのは我だけの特権だぞ!」


「煩いですよちびっ子、あなただけに任せるとあなたの生まれ変わりなのに良い子なこの子が絶対に間違った方向に成長してしまいます、そうはさせません」


本当にアーリアの事が気に入った様子のメリアルナはギュッと抱きしめる。


「あー!貴様がアーリアを抱きしめるな!我に貸せ!!」


「断りまーす、それではアーリア、魔族であるあなたは精神世界で鍛えても現実世界で効果が出ます、早速腕立て伏せとダンベルスクワット百回にランニングと行きましょうか!」


やるぞ鍛えるぞ、とフンスフンスしているメリアルナ、意外と脳筋だなこの神様と思うアーリアは強くなれるのならと真面目にトレーニングを始めるのであった。



私に師匠が出来ました、でも魔族の宿敵の神様です、なんだかダメな気がします・・・。



アーリア達が泊まる部屋


「鍛えたのに!筋肉痛じゃない!」


「またいきなりどうしたんだこの子は・・・」


朝起きるなり筋肉痛じゃない!と騒ぐアーリア、その声に目を覚ましたダリアはどうした?と尋ねる。


「夢の中で師匠が出来てね!、夢の中で鍛える事になったの!、それで鍛えてるのに筋肉痛じゃないんだ!」


「魔族ならではね・・・、夢の世界でした事の都合の良い部分だけが現実の体に影響するなんて・・・、それでその師匠って誰?」


「メリアルナだよ!」


「!?!?」


メリアルナ教会のシスターであるシオンはアーリアの師匠となった者がメリアルナだと聞き驚きすぎて尻餅を着いた。


「め、メリアルナ様があなたの中に来たの!?魔族であるあなたの中に!?」


「うん、アリエルも驚いてた」


「・・・アーリアってやっぱり凄いよね」


リアリンはメリアルナを師にしたアーリアに感心した視線を送る。


「それでさ、みんなも私と接続して一緒に鍛えてくれるんだって、だからさ!みんなで強くなろう!!」


let'straining!、アーリアはみんなで鍛えようと仲間に誘いを掛ける。


「神様トレーニングか!、強くなれそうだ、私はやるぞ!」


「私も!!」


「そ、そんなメリアルナ様にお会いするなんて恐れ多い・・・、でも会ってみたいから私も行くわ・・・」


信仰する存在に会うのに気が引ける気持ちと会いたい気持ちどちらもあるシオンは、会いたい欲の方が勝ったため彼女もアーリアの中で鍛える事に決めた。


「それじゃ決定だね!、今日からみんなで一緒に頑張ろう!」


尻尾をピーン!と立たせたアーリアはやるぞー!おー!する。仲間達もアーリアに合わせて腕を振り上げた。


夜に夢の中で鍛えるのならば朝の鍛錬はいらないなとなったアーリア達はゆっくりと朝の時間を過ごしてから朝食を食べ。


今回も教会の依頼を受ける為に部屋を出た。

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