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王族少女は国から追い出されたので生きる為に冒険者になります  作者: ブレイブ
十一章、カーディネル帝国編、プロローグ
201/2220

四話、情報屋の目的は・・・?

八番スラム街、西通り


アーリアとイリシアは八番スラム街の西通りを進んでいる。


「あった、このお店だね」


「入ってみましょう」


西通りを進み二人は先程教えられた情報屋を見つけ中に入る。


「・・・」


中に入ったアーリアはイリシアを押して外に出させると剣を引き抜き横に向けて斬り掛かった、殺意を感じたために自動的にイリシアを守り殺意がした方向に体が攻撃をしたのである。


「いやはや驚いた、なんと言う反応速度、やはり只者ではないね」


攻撃が来ると分かっていたため、防御をしていた情報屋はアーリアの攻撃を盾で受け止めて吹き飛ばされたが生きていた。


「いきなり殺意なんて飛ばすあなたが悪いよね?これは」


「間違いないさ、試すような真似をして悪かった」


「・・・あの受け付けさんの知り合いなのですか?」


ここに来るまでの間に自分達が来る事を知らせる事が出来るのは受け付けの彼女だけだと思ったイリシアは質問をした。


「そんなところだ、さて、君達は上層に向かいたいそうだね?、なんでだい?」


「上層でとある組織を探すためだよ」


「上層にいるとある組織、あぁなるほど、ブラッククラウンかい?」


アーリアは目の前の男の口からブラッククラウンと言う名が出るとは思っていなかったため目を見開く。


「ふふっその反応、君達の目的があの組織であると言う事で間違いないようだ」


「あぁそうさ、あの組織に用があるから私達は上層に行きたい、あなたは行き方を知っているの?」


「知っているよ、しかし、簡単には教えられない」


「代金が必要と言う事ですね?」


イリシアはアーリアのポーチの中から五万ネルが入った袋を取り出す。


「・・・これじゃ足りないね、上層に向かうのならば道案内役も必要だ、じゃないと道の中に張り巡らされた探知魔法に君達は確実に見つかってしまう」


「その案内役をあなたがしてくれると?」


「あぁ、僕達の活動の味方になってくれるのならね?」


ここで情報屋は自分達の味方になれと持ちかけて来た、恐らくなると言わないと絶対に道案内をしてくれないのだろうとアーリアは理解した。


「あなたとその仲間は何をするつもりなのです?」


「反乱さ、上層に住める者だけが良い暮らしをしそれ以外のこの下層や他の町に住む者達は苦しい生活を強いられるこの狂った国を僕達は変えたい」


「その反乱に協力しろと?」


「あぁ、君は僕達が求めていた存在だ、圧倒的な力を持つ強者、僕達はずっと君のような人が現れるのを待っていた、頼む、僕達を救ってくれ・・・!」


彼は本気で自分に救いを求めていると目を見てアーリアは理解した。


「その目嫌いじゃないよ」


彼の目が気に入ったアーリアはフードを取ると顔を見せる。


「!、通りで強いわけだ」


情報屋はアーリアの顔を見てその実力の高さに納得をした。


「ブラッククラウンはこの国の上層部と深い繋がりがあるのは私達も把握している、その時点で組織の居場所を見つけて戦闘になればどうせここの軍とも戦うことになる、なら、あなたの頼みを受けてこの国をひっくり返してやろうじゃないか」


どうせこの国と戦う事になるのならばついでに一国全てを救い幸せに暮らせるようにしてやろう、アーリアはそう思い反乱に協力する事に決めた。


「シオンが聞いたら卒倒しそうな事が決まってしまいました・・・」


「これも人助けさ、シオンも分かってくれる、師匠はやっておしまい!、って既に言ってるし」


メリアルナはアーリアの頭の中で貧困に苦しむ大量の者達を救う反乱に協力する事に、やっておしまい!、とアーリアの頭の中で言っている、メリアルナが許しているのならばアーリアとしては止まる理由はもうない。


「ありがとう、ラーメイヤのクイーン、頼りにさせてもらうよ・・・」


情報屋は嬉しそうに協力をしてくれるアーリアの顔を見た。


「協力はする、でも条件がある、一つは私の軍は使わない事、私の国の軍を使った時点でそれは戦争で反乱じゃなくなる、あくまでもうちの国からあなた達反乱軍に加わるのは私と私のパーティだけだ、良いね?」


「構わない」


他に四人も加わってくれるならラーメイヤ本国の力を借りれなくても構わない、情報屋はアーリアの言葉に構わないと答えた。


「次、上層の住民に被害を出す作戦を立案した時点で私達は二度とあなた達には手を貸さない」


「分かっているさ、悪いのは上層に住む住民ではない、僕達下層に住む者達から何もかもを奪い去って行く政治家達と軍だと」


反乱を起こそうとしている者達も贅沢を謳歌している上層に住む者達に思う所はあるが殺したいとは思っていない、ちゃんと倒すべき敵を認識している組織なのである。


「それが分かっているのなら私から言うことはない、上層に住む人にも下層に住む人にも被害を出さず、軍と政治家とブラッククラウンを叩き、この国を救うよ!」


「あぁ!」


情報屋はアーリアの言葉を聞くと力強く頷いた。


「更に聞きたい事があるんだけど、あなたの名前とあなた達のリーダーに会いたいのと、組織名は?」


「言い忘れていたね、僕の名前はヘブだよ、リーダーには君が協力してくれると伝えるよ、すぐに会いたいと言って来る筈さ、最後に組織名はエンジェルだ、この国を救うために作った組織だから天使の名前を与えた」


「良い名前だ、これからよろしくね、ヘブ」


エンジェルの新しい構成員となったアーリアは仲間である彼に手を差し出す。


「心強いよ、本当に」


ヘブはその手を取り強く握手をした。



「おっどろいた!、マジで女王様なのかよ!」


夜になりギルドの仕事を終えたアミラが情報屋にやって来た、中にあるアーリアの姿を見て人助けをして回っているラーメイヤの女王本人であると理解して驚く。


「マジです、ふふっ、さっきは随分と言ってくれたね?」


「すいませんでした!」


ニヤリと笑うアーリアを見てアミラは綺麗なジャンピング土下座をした。


「怒ってないのになんで土下座なんてしてるのかなー?」


(うわぁ・・・大人の女としての雰囲気がないって言われた事へのやり返ししてる・・・)


アミラを揶揄って遊ぶ姉を見たイリシアはうわぁ・・・と身を引いた。


「さて、アミラ、君を呼んだのは、彼女を紹介したいからだけじゃない、一週間前に軍の施設の爆破任務中に見つかり収監されている同胞の救出任務を実行したいからなんだ」


「みんなを助けるのか!」


作戦に参加する予定だったアミラだが、エンジェルの構成員達は作戦の決行日を前倒しにしたためアミラはギルドで働いており作戦に参加出来ず無事であった。


仲間は全員捕まったのに自分だけは今も自由の身である時点で仲間は自分を売ったりしていないと理解しているアミラは、絶対に仲間を助けたいと思っている。


「あぁ、彼女が加わってくれたのなら容易だ、ここにある軍の施設に取られられている同胞を救い、九番スラム街にある本部に連れ帰る、それが今回の任務だ」


「望む所だぜ、アーリアの姉御!、私は絶対に仲間を助けたい、よろしく頼む!!」


「おうよ!」


拳を差し出して来たアミラにアーリアは気前良く返事をしつつ自分の拳を合わせた。


「僕達のリーダーが既に軍の施設の側に待機している、今回の作戦は彼と共に実行するからまずは彼に会いに行こう」


「分かりました」


今回は捕られられている仲間を救うための仕事だ、まだ正体を晒すわけにはいかないアーリアとイリシアはフードを被り外に出る。


「こっちだ、着いて来てくれ」


アーリアとイリシアとアミラは彼の案内に従い夜の闇に紛れて軍の施設に向かう。

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