五話、アーリアの魔族としての特徴とバトルコスチューム
リームル川
「そういえば、あなたって角や尻尾ないわよね?」
「生まれてこの方生えた事はないね!」
魔人族にはツノや尻尾が生えている者と生えていない者がいる、アーリアは・・・?。
『ツノや尻尾のことならお主も生やせるぞ、しかも出し入れ自由だ!、ちなみに普通の魔人は消せん!、魔神特権だな!』
前者かつ自由な出し入れが可能なようだ。
「ほほう、ツノを生やす事で何かメリットとデメリットはあるの?」
『メリットは我等の場合は出していた方が魔力の流れが安定する、デメリットは特にない!」
『と言うわけで生やしてみよ!アーリア!!』
「う、うん!」
はえろーとアーリアは力み始めるが生えない、それもその筈、今まで生えてなかった者が正確なイメージなしで生えてくるわけがないのだ。
『過去の我の姿を脳にインプットしてやろう、その姿通りにツノと尻尾を生やしてみよ』
「なんか浮かんで来たー!」
インプットされた情報のおかげでイメージがし易くなり、アーリアは頭からクロワッサンのような白く立派なツノと、根本から先端までは細く先端はハート型になった尻尾が現れた。
「おお・・・、尻尾が生えると魔族らしさが出るな・・・」
「アーリアが魔族だって事、今本当に認識出来たかもしれません」
今までは普通の人間の姿であった為、ダリアもリアリンもアーリアが魔族である事の認識が曖昧であった、そのためツノと尻尾を生やしてみた今日この日初めてアーリアが魔族であると二人は認識が出来たのだ。
「どれどれ?」
ダリアは尻尾を手に取る、するとトクントクンと血が流れているのを感じた。
「なっ?、触られてどんな感じだ?」
「イメージとしては指先で少し触れられてるくらいの強さで触られてる感じ」
「ほほう」
続いてリアリンがツノを握る。
「こちらはどうですか?」
「何も感じないや」
戦闘中に折れる可能性がある為魔族のツノは痛覚がないように進化している、尻尾も同じく痛覚を感じないように魔族達は進化中であり、現在は触られている感じが弱く感じる程度の痛覚になるまで進化は進んでいる。
アーリアの次の世代の魔族になるともう尻尾にも痛覚はなくなるだろう。
「ツノと尻尾が生えたことで何か変わった事はある?」
アーリアの監視が仕事であるシオンはツノと尻尾が生えたことによりなにか変わった事がないか聞く。
「魔力が安定したかな、コントロールがしやすくなった」
コントロールがしやすいそう言ったアーリアは黒炎の炎をボッ!と灯す、炎は生やす前より火力が増しているがアーリアの魔力コントロール能力が向上した事により少ない魔力で高火力を実現できている。
『してアーリアよ、我からの二つ目のプレゼントだ、受け取れ』
一つ目のプレゼントは黒炎の力である。
二つ目のプレゼントは・・・?。
「!?!?」
紫を基本とし金と赤のワンポイントが入った服であった。
『我が着ていたバトルコスチュームだ、戦闘用の服なので動きやすいししかも身体能力と防御力と魔力量が上がるおまけ付き!、これを着ればお前は更に強くなれるぞ!』
「こ・・・」
「こ?」
「こんなの着れるかぁー!」
アーリアの顔は真っ赤である、その理由はとにかく肌が露出している場所が多いからである。
谷間は勿論太ももは勿論の事お腹も大胆に晒されており脚は上半身よりはマシと言えど靴の部分以外はストッキングのようにピッタリと脚に吸い付くロングブーツに包まれている影響でアーリアの脚の綺麗なラインが余計に強調されている。
正直言うと裸より恥ずかしい格好だ。
『えっ?、これでも我って布面積多過ぎって言われてたんだが・・・、だって魔族の女は丸出しな奴が多いからな』
「丸出しよりはマシだと思えと!?」
『うむ、何よりこれを着る事で強くなれるぞー』
「・・・分かったよ、どうしても勝てないって敵にはこれを着てみる」
文句を言ってると丸出しにされそうだと思ったアーリアはそのうち自分でコスチュームを作り替えてやる事に決め一先ずはこの服を着る事に決めた。
「と・・・と言うわけでこれが私の本気の!本気!の戦闘服だよ!」
アリエルとの会話を終えばっ!と仲間の方に振り返ったアーリア。
その姿を見たダリア達はポッと頬を赤く染めると顔を逸らした。
「魔族って大胆なのね・・・」
「・・・」
シスターに恥ずかしい格好だと言われたようなものであるアーリアはやっぱり着ないようにしようかなと思ったが、脳内でマシンガントークしてくる過去の自分に言いくるめられ結局は着る事に決めた。
バトルコスチュームを着たままアーリアは茂みの中で川の監視を行なっている。
「あっくそ、また噛まれた・・・」
川の近くと言う事もあり蚊がそれなりの数ある。
その為ダリア達は蚊にそれなりの回数噛まれていた。
(・・・私一回も噛まれてない)
対するアーリアは一度も噛まれていない。
バトルコスチュームが蚊を寄せ付けないのである。
「痒いじゃなくて・・・、何か来ました!」
実はアーリアの服と少しマシなくらい肌が露出している魔女っ子服を着ているリアリンが指差す先、そこにはリザードマン達がいた。
「犯人はあいつらか、何をするのかしら?」
アーリア達がリザードマン達の様子を見ていると、彼等は尻尾を川に付け何か魔法を使った。
すると川の水は魔力に変換され水晶体となりその影響で川の水位が減った。
「犯人はあいつらだね、あの怪しい行動を見ても仲間がいるはず、解決のためにも一網打尽にしよう!」
「おう!」
アーリア達は犯人であるリザードマン達を討つため彼等の後を追い始めた。




