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九話、お姉ちゃん戦います

ギルド


レイラがギルドに入った途端にザワッと注目を浴びる。


レイラは父に頼まれての外交をそれなりに行なっており、各国にそれなりに顔が知れている。


そんな隣国の王女が現れたとなれば注目を浴びるのも当然である。


「お姉ちゃん、凄く着目されてるよ」


「みたいですわね、でも、あなたも注目されているみたいですわよ?」


レイラに注目されていると言われたアーリアは周囲の人々の言葉に耳を傾ける。


「ちょっと前に入ったあの子、誰かに似てるなと思ったらそう言う事か」


「ラーメイヤのレイラ姫に似てるんだ」


「それじゃあの子はラーメイヤの第二王女なんだ!」


聞いてみた結果、レイラの隣に立ち比較された事でアーリアの顔がレイラにそっくりであり第二王女であることがギルドの者達に知れ渡った事が分かる。


「・・・大丈夫でしょうか?」


謎の存在とされている第二王女であるアーリアの正体が他国の者に知れそして確実に広まることに対しリアリンは心配をする。


「バレたとしてもこいつは金無し王女だぜ?、無問題だよ」


「い、いつかお金持ちになるもん!」


「いつの話だよ、Cランクだと毎日の生活が出来るくらいにしか稼げないぞ」


「早く上のランクになるもん!」


「おー言ったな?、協力してやる」


ダリアは基本的にアーリアに協力的だ、そのため早く上のランクになると言った彼女に対し即答で協力してやると言った。


「さて、ここにいても注目を浴びるだけですし、依頼をパパッと受けて外に出ましょう、私が選んでも良いかしら?」


レイラはババン!と胸を張り依頼を選んで良いか聞く。


「良いよ!」


「ヨシ!来た!ですわ!」


妹に依頼を選んで良いと言われたレイラは迷わずSランクの方に行く。


それを見たダリアはおいおいと姫君の肩を掴む。


「アンタは行けるかもしれないけど!私達まだ新人冒険者だから!か弱いから!、Sランクはやめて!」


「あら?、そうですの?、ならAランクに・・・」


「それも無理だからね!?」


「煩いですわねぇ・・・、ならBにしておきましょう」


「そもそもアンタ依頼受けれるの!?」


「王族権限」


「問題なかったね!」


レイラはBランクの依頼の中から今日受ける依頼を探す。


「沢山ありますわねぇ、悩みどころですわ・・・」


レイラはうーんと悩みその間に何度かアーリアの髪を撫でつつ一つの依頼を選んだ。


「ゴブリンキングの討伐」


「ゴブリンか!、ヤろう!!」


「やろうのやの部分がヤになってんぞアーリア」


「・・・何かあったのです?」


「ダリアに聞いた話によると畑がゴブリン達に何度も荒らされたようで、そのせいでアーリアはゴブリンとなると豹変するみたいです・・・」


リアリンがアーリアの様子がおかしくなった理由をレイラに教える。


「どうしたの!行くよ!、ヤル!よ!」


「ヤル、になってんぞ!」


「食べ物の恨みと言うわけですか・・・」


「みたいです・・・」


「それでは受けて来ますわ」


「行くぞぉぉ!」


「落ち着け!?」


レイラは仲良く漫才をしているアーリアとダリアを見てクスクスと笑ってから王族権限でBランクの依頼を受けた。




イート平原


レイラを加えて四人パーティになったアーリア達はゴプリンさん宅を回っていた。


「見つけたぞぉぉ!」


「今日の目標はゴブリンじゃねーから!、ちょっと待て!!」


ゴブリンを見つけるならアーリアは走って行く、ダリアも大剣を引き抜いて先走るアーリアを追った。


「・・・あの豹変、なんとかして矯正しないとマズイですわね・・・、ここにいるゴブリンは平原ゴブリンですからそんなに強くありませんけど、もっと上位のゴブリンに囲まれればただでは済まないでしょうし・・・」


「はい・・・、治してあげてください・・・」


三分後、スッキリした様子のアーリアと疲れた様子のダリアが戻って来た。


今回のお宅には十体のゴブリンがいたため、それなりに大変な戦闘だったのだ。


「それではキングを探しましょうか」


「探す必要はないよ!、前見つけたから!」


そう、アーリアとダリアで以前ゴブリン狩りをした時にキングを二人は見つけている。


そのためキングのお宅がどこにあるのか分かるのだ。


「それはちょうど良いですわね、案内して下さい」


「こっちだよ!」


アーリアは嬉々として姉をキングの元に案内する。




ゴブリンキングさん宅


ゴブリンキングさん宅には今日もキングがいた、ゴブリン達が貢いだのであろう果物を食べている。


「戦闘開始だよ!!」


「・・・もう何も言わん」


ヒャッハーとお宅に来た途端飛び出すアーリア、ダリアは呆れつつも走る彼女を追う。


「あの二人は大丈夫でしょう、それよりもリアリン、あなたはどんな魔法が使えますの?」


「水と氷です」


「ふむ、なら前衛の二人がキングを追い詰めたと思った瞬間にキングの真上に水を降らせて下さい、その後は私がやりますわ」


「分かりました!」


リアリンとレイラが作戦を決めている間に、走ってくる二人に気付き大きな鉈を手に持ったキングはアーリアとダリアは相対していた。


キングは大きな鉈を全力で二人に向けて振り下ろす、それをダリアが受け止めたがキングの攻撃は重い、その攻撃を受けたダリアの体は沈み片膝を着かされた。


「分かっていたがゴブリンとは格が違うぜ!」


「みたいだね!!でも!、ダリアちゃんに攻撃をした事で隙は出来た!、そこを突く!」


アーリアはダリアを押し込もうとしているキングの胸元に向けて突きを繰り出すが、胸元を狙った攻撃に反応したキングは体を捻って避け、アーリアの顔に蹴りを入れた。


「くぅ!?」


顔に蹴りを喰らったアーリアはよろめく。


「くっ!」


その間に横振りの斬撃を繰り出すキング、ダリアが受け止めてアーリアを庇う。


「ありがと!!」


目眩から回復したアーリアは今度は避けれないように懐に潜り込んでから剣を振り上げる。


「クッ!、ヤルナ!」


胴体を斬られたキングはアーリアの腹に膝を叩き入れる。


その攻撃でアーリア足が浮き、続けて蹴られアーリアは地面を転がる。


「オマエモダ!」


次にダリアが顔を殴られ尻餅を着く。


(明確な実力差、普通なら勝てないでしょう、さぁどうする?)


「このままじゃジリジリとやられる!、どうにかしなきゃ!」


容赦なく鉈を振り上げ自分に迫って来るキングを見てアーリアはどうするか考える。


「シネェ!!」


キングは自分の鉈がアーリアに当たる距離まで来ると振り上げ振り下ろす。


「やられてたまるかぁ!!」


攻撃が当たる前にアーリアは前に飛びキングの股の下を通って鉈を避けた。


(あの状況で前に飛ぶ勇気を見せたか、やりますわね、アーリア)


股の下を通りキングの背中に取り付いたアーリアは背中からキングの腹を刺し貫いた。


「くらぇえ!!」


立ち上がったダリアも大剣でキングの左腕を奪う。


二人の攻撃に大ダメージを負ったキングは痛みによりすぐには動けない。


「ここですわ!リアリン!」


「はい!!」


リアリンは作戦通りキングの真上に水を降らせる。


「サンダー!!」


レイラは得意属性である雷を放つ。


降り注ぐ水により出力を増した雷はキングに命中する。


強力な雷を喰らったキングは力無く地面に倒れた。


「勝ったねぇ・・・」


「あぁ疲れた」


アーリアとダリアは黒コゲになったキングの姿を見てホッと安心した。




ホーワの町


キングを倒した四人は町に戻り報酬を受け取っていた。


「それでは私はこれで帰りますわ、また会いましょう」


「うんまたねお姉ちゃん」


アーリアとレイラ、すっかり仲良くなった姉妹は最後に抱き合うと離れ、レイラは手を振りながら馬車に乗り込み、発車した馬車はあっという間に遠くまで行ってしまった。


「さっ、夕飯にしよう」


「おう」


「はい!」


姉を手を振りながらアーリアは仲間達に夕食を食べようと誘う。


ダリアとリアリンはその言葉に頷き三人はレストラン街に向かっていった。

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