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告白の1 異世界転移は突然に

「本当にこいつがそうなのか?!」


 目が覚めたら、そこは異世界だった。

 なんだかすごい重低音が頭に響いて、目を開けるとそこにはものすごく仏頂面をした黒髪のごつい男の人と、ものすごく線の細い金色の髪のイケメンが私を見ていた。

 私の名前は、古浦(こうら)友梨亜(ゆりあ)。ごく平凡な人生を送り、ごく平凡に先日大学を卒業し、ごく平凡に就職浪人になろうとしていたところ。

 ていうか、人を指さすのはいけないんだぞ?! ばーちゃんがよく言っていた。


「誰? あなた」


 思わず、声を出してしまった。

 私のことをぎろっと睨む目は濃い青色。そしてよくよく見れば、私の周りにはたくさんの人が居て私の様子をうかがっているのが分かる。何ぞ、これ?

 待てよ。これは前にちょっと読んだことのある、異世界に召喚されましたってやつじゃないの? そう考えてみれば、座り込んだ私の足元にはぐるっと魔法陣のようなものが描かれている。

 周りはいつだったか図書館で開いた外国の神殿のような雰囲気だし、もしかするともしかするのかもしれない。


「……~っ! お前などに名乗る名などっ!!」


 ……しかし歓迎されていないな。普通こういう時ってもっと歓迎してくれるもんじゃないのかな。いや、その前に、何を目的として呼ばれたかに寄るのか。


「……」


 ぽしょぽしょとすごく小さい声で線の細いイケメンが黒髪のごついのに耳打ちをする。かわいい。男の子、だよね? なんかかわいいな。


「……くっ」


 なんかすごく苦々しい顔をして、ごつい男は私をじっと見る。何なの。


「俺はこの王国の近衛騎士団団長カーライル・フォン・ダグラムだ」


 ほう。そういう方で。ああ、でもなんか本当に異世界なのか。ここは。近衛騎士団だってーへー。

 私がぼんやりと自分の置かれた処遇を考えていると、金色の髪の線の細いイケメンがおずおずと私に近づいてきた。


「……て、ください」


「はい?」


 よく聞こえなくて反射的に問い返してしまったら、何かすごい視線が飛んできた。痛い痛い。ていうか、殺されかねないこの視線から察するに、この少年はやんごとなき血筋の方ってやつなのかな。


「愛していると、言ってください!」


 まっすぐに私を見る瞳は春の空のような淡い水色。消えそうな雰囲気の白い肌。美少年はそして、私の手を取った。

 ……いや、なんでそんなこと言わないといけないの!?


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