完璧王子
乗りと勢いとで書き上げたモノです。久々の投稿なので緊張する………
辻褄が合わないところが合ったら目をつむってくださいな(;>_<;)
僕は、なりたいものがあった。
最初は憧れで、時が経つ毎にそれは夢へと変わった。
でも、僕がそれを叶えれることはなかった。
僕は王子だ。第一王子。生まれながらにして王になる定めを持った男。
王になることを臨む両親。
側で見守ってくれる婚約者。
共に国を守ろうと誓った仲間。
言えるはずがなかった。
夢を諦め、期待に応えるために、血反吐を吐くように努力した。
剣を握るよりも本を読むことが好きだった。
政治の駆け引きよりも物語を考えるのが好きだった。
誰かと笑い合うよりも1人で過ごすことが好きだった。
王になることを臨む両親?
違う、彼らは王になるのは別に誰だって良いのだ。自分の子供なら。たまたま子供が僕と病弱な弟だけだったから、僕を後継者に選んだ。
別にこの国は長男が跡継ぎになる必要はないのだから。事実父上は三男だ。
側で見守ってくれる婚約者?
ただ、いるだけ。であった当初から冷たい眼差し。彼女が誰に思いを寄せてるなんか一目瞭然だった。だから、僕も彼女を好きなるなんてできなかった。家と家を繋ぐための契約。ただ、それだけで繋がっているだけ。
共に国を守ろうと誓った仲間?
そんなこと誰が誓う。嘘ばっかりの貴族の彼らにとって誓いなんてものはないに等しい。僕は知っている。僕がいないところで、政敵と繋がっていることを。
努力したのは、両親のためじゃない。
努力したのは、婚約者のためじゃない。
努力したのは、仲間のためじゃない。
努力したのは、国のためじゃない。
努力したのは──自分のためだ。
いつか、時を見て、僕はこの国を捨てる。
そのために、必死に剣の腕を磨いた。
いつ身一つで捨てられても良いように。
政治の駆け引きも嘘ばかりのパーティーも積極的に参加した。
いつか役立てれる時がくると信じて。
どれも計画に役立った。根回しもすんだ。
そんな中彼女にであった。
退屈そうに笑う、僕と同じ人間。
それは、教育の一貫で押し込まれた学園での事だった。