二人[エターナル]
短くても続けます。
体が浮かぶ感覚。
小さな衝撃を全身に受け、ユートは目を覚ました。
「いづッ……!」
目を開けば青い空。
ギラつく太陽を遮る木陰に、乾いた風が涼しく感じる。
ユートはひとまず尻もちをついた状態から立ち上がり辺りを確認する。
「ここは……」
ユートの感覚ーーその存在に刻まれた[スワンプマン]ーーが、ソコがどこかを教える。
その感覚をなぞるように、ユートの背後から声が聞こえた。
「ここが何処かは知れないけれど、この世界が今までの世界じゃないことはわかる」
振り向くとイケメンがいた。
全体のシルエットは細く、しかし男らしさを失わない立ち姿。
薄い茶髪がウェーブを描き、その下の笑顔は優しげに甘く、しかし儚げなその様子に、こいつはモテるな。と、ユートには見えた。
「おう、まさにそんな感じだな」
初対面だというのにユートは、彼を信じられる仲間だと自然に思う。
「不思議だね。僕は貴方を確実に信用できると感じている
僕の名前はミチオ。前の世界のことはあまりうまく思い出せないけど、多分30才くらいだった」
「へぇ、俺の名前はユート。
ミチオって呼んでいいか?俺から見たら18とかそれなりに若く見えるぞ。
ってことは俺もそうなのか?
たしか30手前くらいの年だったはずだが」
「あー、うん。ユートも完全にティーンに見えるや」
ニッコリと見つめ合うと握手する二人。
常識外の事が起こっているのはわかるが、それが当たり前のようにも感じる。
そんな不思議な居心地の中で、一人じゃないことが、二人にとって救いであった。
「しかし、ユートが男でよかったよ。」
「ん?」
「いやさ、僕が思い出せる自分のことといえば、女性が苦手ってことくらいでさ」
「おま、いやそれは……」
ユートは甘く引き気味の笑顔だ。
「初対面でそれはなかなかヘビーだろ。
ってもまぁ、この絶対信用できるって感覚はたしかにすごいけどな」
「あはは」
「ま、それなら俺も思い出せること言っておくわ。
俺は30近いのに定職もつかないで色んなとこで転々と遊び回ってたみたいだ」
「うっは、それもまたなかなかヘビーじゃないかい」
あはは。
うはは。
なんて笑い合ってみる二人。
さて、そろそろ現実を見ようなんてもので。
「「さー、これからどうする?」」
よろしくおねがいします