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幼馴染の事がキライ

作者: monokaki

「ゆうくん、おっはよー!」

平日の朝、元気の良い幼馴染の声に起こされ、僕の一日が始まる。

もう何年も続けているのだが、飽きないのだろうか。

そんな事を疑問に思いながら登校の準備をしていると、幼馴染がまた声をかけてくる。

「ゆうくん、もう時間ないよ!早く準備して!」

……一人でいけばいいのに、その言葉をパンと一緒に飲み込み、学校へ急ぐ。


僕の隣人兼小学校からの幼馴染はいつもこうやって僕の事を気にかけてくる。

朝、昼、晩、もしかすると幼馴染と一緒じゃない時間の方が少ないかもしれない、というぐらいだ。

その事を友人に話すと「本当に付き合ってないのか?」と返された。

僕は一瞬間を置いた後「付き合ってないよ。」と言った。

本当の事を言うならば「付き合わなかった。」の方が正しいが。


一年程前、自宅の自室の中で僕は幼馴染から告白を受けた。

いつも元気で明るい幼馴染が顔を真っ赤にし、か細い声で「付き合って下さい。」と僕に言った。

本当に良くしてくれて、感謝もしていたが、そういう目では見られなかった。

「ごめんなさい」と返すと、泣きそうな表情で「いいの、それじゃまた、明日。」と言い、家に帰っていった。


自分が幼馴染に抱いている感情は良くわからなかった。

大事な人である事には変わりないし、出来る事なら一生付き合っていきたいと思っている。

しかし、恋人になるとなれば話は別だ。

自分はこれ以上の関係を望まないが、幼馴染は恋人以上になりたいと願っている。

一番大事な人を突っぱねる僕は、きっと幼馴染の事が好きではなく、キライなのだろう。


翌日、幼馴染はいつもの態度で僕に接してきた。

初めはとまどったが、家を出る頃には僕もまた、いつもの態度で接する事が出来るようになっていた。

これほどまでに自分を好いてくれている事を感じた僕は、とても申し訳なく思った。

また、キライな幼馴染との日々が始まっていくのであった。







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