Pro.プリーズヘルプミー!!
思い切って、連載ものを始めちゃいました。
こんなピュアな話は、純なうちしか描けないから。
よろしくお願いします。
可愛い彼女と、初デート。
普通、胸が躍るだろう。
私服探しにデートコースの研究。
前日の夜は、眠れやしない。
そう、ワクワクしてた。
……してたのに。
「悪い……風邪、引いちまって」
電話越しに聞こえる弟の声は、確かにガラガラだ。
「……だったら、まず先に彼女へ電話するだろ? "風邪引いたから行けない"って」
俺は当然の解答をした。
「灯香を悲しませたくないんだよ…頼む……兄貴、代わりに…」
いや、いくら何でもバレるだろ。
「だ、大丈夫だよ……俺達は、双子なんだから…」
「って、言われてもなぁ……」
突然、そんなこと言われても困るだろ。
しかも、実の弟の彼女とデートって。
「じゃあ……十時半に、スケート場な。よろしく」
そう言って、電話が切れてしまった。
「あ、ちょっと、おい!!」
ツー、ツー、ツー。
……一体、どうしたことか。
スケートデートならぬ、身代わり(スケープゴート)ではないか。
とにかく……十時半に、スケート場だったな。
腕時計を見ると、十時を回っていた。
「やっべ!!」
俺は慌てて家を飛び出した。
普通なら、初デートには色々と気を使いたいのだが……。
そう。
俺は彼女いない歴=年齢。
……つまり俺も、弟に負けず劣らず初デートなのである。