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「誰」
ブランコに乗ったは良いものの酔い過ぎて漕ぐことはできず、ただ座って夜風に当たっていた。
しばらくして横のブランコに誰かが座った。
なんとなく、顔を見た。
驚きで手に持っていた缶ビールが落ちる。
その間が永遠にも思えた。
一気に酔いから醒める。
と同時、体中の血の気が引く感覚を覚えた。
「…”%&#’」
興奮してどうにか声をだそうとしたが言葉にならない声が出るばかり。
そんなことをしていると彼はこちらに気づいた様子で言った。
「こんばんは」
久しぶりに君の声を聞いた。
私も声を出そうとするがどうも出てこない。
彼が手にペットボトルを持っているのに気づいた私は頂戴と言わんばかりに指をさした。
「水?」
私は首を激しく縦に振った。
私がもらったペットボトル水を飲んでいる間。彼は何も言わず、どこか無気力を感じさせる目で空を見上げていた。
「あの!」
思ったよりも大きい声が出て自分の顔が赤くなる
「久しぶり…だね」
しかし、彼は目に少し涙を浮かべた後、言った。
「貴方は…誰?」