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ハーディダーティ2

 ラキくんの装備も無事購入できましたので、その翌日に再び秩父ゲートから深化の森に向かうことにしました。


「ありがとーおじさん。ラキくんもティーナちゃんもまたねー」


 入り口ではまたもや探索者の女性陣に囲まれて写真撮影を頼まれました。ラキくんとティーナさんは人気者ですね。

 フォーハンズをパシャパシャ撮ってくる男性の方もいらっしゃいまして、聞いてみるとSF映画が大好きな方だそうです。どこで手に入れたのかとも聞かれましたので、遺跡の隠しエリアからと返しましたら「なるほど」と頷いておられました。

 フォーハンズ自体は比較的発見はされているらしいのですが、基本的に遺跡の調査は探索協会が主導で行なっているため、あまり一般には出回ってはいないそうです。売ってもらえないかとの問いにはもちろんノーと返しております。

 そもそもうちのフォーハンズはティーナさんが手を加えているため、彼女以外には扱えないのですけれどもね。

 それではそろそろ探索のお時間です。今回は前回よりも少し奥のテーブルマウンテンに向かいます。




―――――――――――




「おやおや、ここもやられておりますか」


 ラキくんに乗って前回のところから少し離れたテーブルマウンテンにまでやってきましたが、どうやら今回も先客がいたようです。恐らくですが何かしらの飛行スキル持ちの探索者がテーブルマウンテン間を飛び回って手当たり次第に兄切草の新芽だけを採っているようです。この付近はみんなやられている可能性が高いのではないでしょうか。


「まあ私たちには関係のない話ではありますけど」

「いや、荒らされてない方が良いのは良いわよ。魔力の消費も少ないし」

「なるほど。それはそうですね」


 ともあれ、お仕事の時間です。

 ティーナさんに兄切草を元気にしてもらって、フォーハンズが伐採、私が収納空間に詰めて高純度ポーション原液に分離させて瓶詰め。その間はラキくんとサーチドローンが周囲の警戒を行います。

 水晶窟に比べてこちらの方が実入りが良い上に分業ですので随分と楽です。あちらは中腰の作業で腰を痛めそうでしたし。


「クキャァアア」

「ガッ」


 ただエンカウントする魔獣は吉川ゲートよりもずいぶんと強いのですけれどもね。現在ラキくんが相手をしているのはアーマーモンキーという全身を鎧のような甲殻で覆っている猿っぽい魔獣です。これが三体エンカウントしてきました。

 本来は森の中にいるタイプで、木があまり生えていないテーブルマウンテンの上にはいないはずなのですが、私たちを追って下から登ってきたのかもしれません。


「ラキくん、お手伝い必要ですか?」

「ガッ」


 いらないそうです。

 アーマーモンキーはそれなりに強敵ですが、ラキくんのパワーには勝てませんし、ガントレットクローの一撃は甲殻をも砕いて破壊します。買って良かったガントレットクロー。

 そしてラキくんがまず一体を倒し、残り二体の内一体を両腕を振り下ろして地面に叩きつけて仕留めました。最後の一体ですが、ラキくんに怖気付いたようで、崖に向かってジャンプして逃げていきました。落下死するかと思いましたが崖を器用に降りていってますね。

 

「あの魔獣、ここまで登ってこれるんですね」

「やっぱりダンジョン内は警戒していないとダメね」

「キュルッ」


 なんにせよ、カタはつきましたので作業に戻ります。

 それとラキくんがアーマーモンキーを倒してくれたことでレベルが上がりました。これで私もレベル11です。また出せる収納空間がひとつ増えました。これで収納空間は11個作成できるようになりましたね。今後もレベルアップのたびに収納空間のストックは増えていくのでしょうか。

【次回予告】

 その男に近づいてはならない。

 その男に触れてはならない。

 その男は狂犬だ。灯蛾を誘う篝火だ。

 故に男は容赦なく汝らに噛み付くだろう。

 そして笑みを浮かべて、嬉しそうに喰らうのだ。

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収納おじさん【修羅】の書籍版1巻はアース・スターノベル様から発売中です。
WEB版ともどもよろしくお願いします。

収納おじさん書影

【収納おじさん特集ページはこちら】
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― 新着の感想 ―
流石の『赤い悪魔』ラキくん、肉球ぷにぷにだけど、パンチ(平手打ち)が唸るぜ! レッサーパンダを画像検索して頂くと丸わかりですが、レッサーパンダは頭~背中が赤茶色の毛並みをしています。
[一言] 採取場所が被ってるというのはそのうちバッティングしそうだなあ 穏便に……いかなそうだ
[一言] 次回は孤独(ソロ)のグルメの食事回? 赤って何だったんだろ。
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