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グリーンモンスター4

『それでは安全安心を旨に、素晴らしい探索者生活をお楽しみください』


 秩父ゲートも入り口は吉川ゲートと大差なく、やはり入り口にガトリングガンが設置されています。世の中、制圧力がものをいうということなのでしょうね。戦いはやはり数です。早くレベルを上げて収納空間を増やさねばと思います。

 ともあれ、私たちはそんな秩父ゲートを抜けてダンジョン『深化の森』へと入りました。吉川ゲートの水晶窟はまんま洞窟でしたが……いえ、ここも洞窟内なのは確かなのですが、周囲には木々が生えていて、ゲート入り口付近はキャンプ場のようになっています。

 そんな中を進む私たちに視線が集中していますが、それは元の2メートルサイズに戻ったラキくんにサーチドローン、ティーナさんを乗せたフォーハンズを引き連れているからでしょうかね。

 それを率いているのが私というしがないおじさんなのですから、なおさら目立っているのかもしれません。

 もっともダンジョンに入ってしまえばそれも関係はありませんがね。ここから先はビジネスの時間です。うわついた気持ちは捨て、いざ冒険の旅へ。


「あのーおじさん。そっちのレッサーパンダくんと写真撮ってもいいっすか? あの妖精さんも一緒にお願いしたいんですけどー」

「あ、はい。ラキくんとティーナさんが良いなら良いですよ」


 ハァ、近頃の学生さんは積極的ですね。まあ、ビジネスタイムは森に入ってからでよろしいでしょう。最高の探索者を目指すのであれば、こういうファンサービス的なことも邪険にしてはいけないのです。多分。




―――――――――――




 あれから三組の若い人たちに続けて写真をと頼まれ、撮影いたしました。私も一緒にとお願いもされたのですが、私のような普通のおじさんを写しても楽しいものなのでしょうか。若い方にチヤホヤされるというのも悪い気分ではありませんけれども。

 ともあれ今度こそビジネスのお時間です。

 秩父ゲートの先にあるダンジョンは深化の森と呼ばれている森です。

 なぜ地下世界に森が……と思われるでしょうが、頭上をご覧ください。天井は見えず、キラキラと輝く緑の雲が漂っているでしょう。

 迷宮協会の説明によりますとアレは魔力の雲なのだそうです。ダンジョン内には常に魔力の河のようなものが流れているそうでして、ああして空中を漂えば魔力の雲が発生し、地中を流れれば魔力結晶が地面から発生するのだとか。

 つまりダンジョンにとって魔力の河は太陽の光のようなもの。推定地下世界のこの場所であっても魔力の光によって森が生まれるわけです。

 ポーションの元となる薬草も魔力の光で光合成しているそうでして、地球での栽培が成功していないのもそうした環境整備が上手くいっていないからなのだとか。

 そしてこのダンジョンですが、森と名付けられただけあって、生態系はそれなりに豊かで吉川ゲート先の水晶窟と違って収穫できる素材も魔獣の種類も多いのが特徴です。ランクもふたつ上がってランクDダンジョンとなっております。

 今回は薬草メインで探索する予定ですが、別のものも狙えるなら狙っていきたいですね。

 それでは出発です。いざ冒険へ。

【次回予告】

 深き森の奥へと男たちは歩み続ける。

 闇の中から飛び出すは鬼か大蛇か。

 そして闘争が始まる。

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― 新着の感想 ―
[一言] 取り敢えずコボルトかゴブリンやろか。
[一言] おじさんは入らないで!とか言われないのか 優しい世界
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