クマクマベアベア01
明けましておめでとうございます。
本日より超熊大戦編の更新再開です。
今月15日発売の書籍版2巻ともどもよろしくお願いいたします。
あと活動報告にて2巻の書影を公開しています。
「ハッハッハ。いきなりシーカーデバイスから警告音声が発せられた時には驚いたぞジャパンの探索者諸君」
「ああ、ラファール。ラファール・ハウザー。大貫さんが見つけたのはあんただったのか。なるほどな。俺よりも強いシロクマ……って言えば、よく考えればアンタも該当するわな」
烈さんがそう言って苦笑しながら頷きました。烈さんも日本国内では上位の探索者ではありますが、確かに彼の前では若干霞んでしまいますか。
この目の前にいるシロクマの名前はラファール・ハウザーさんと言います。
彼は少し前に日本に来日した英国の探索者で、テレビのニュース番組でも特集が組まれるほどの人物(?)です。円卓という英国のトップクランの一員で、見た目はシロクマなのですが、彼はライカンスロープという獣人に変身するスキル持ちなのだそうです。まあ獣人というか、見た目は本当にただのシロクマなのですが。
「そんで、なんでアンタがこんなところにいるんだ? というかこんな熊系の魔獣の生息地にいたら俺らじゃなくても誤射しそうになるだろ?」
「そうですぞ坊っちゃま。そうやって勝手に動いて爺を置いていくから魔獣と間違われるのです」
「って、御剣さん。アンタもいたのか。いや、そりゃいるんだろうが」
いつの間にかラファールさんのそばには執事らしい服装をした老紳士が立っておりました。どなたでしょう?
「彼はラファールの執事兼護衛よゼンジューロー。確か名前はミツルギと言ったわね」
「そういえば、テレビで見た気がしますね」
「まあ、イギリスの英雄に仕えている日本人だからね。一緒に紹介されるのは当然ね」
なるほど。しかし、私の解析解除ではひっかからなかったということは転移で瞬時に近づいたか、フィジカルで100メートルを一気に詰めてきたということでしょうか。どちらにせよ、かなりの実力者ではあるのでしょう。
「はっはっ、細かいことを気にするな爺。吾輩が遠距離攻撃を喰らうわけがないじゃないか」
「手を出されそうになること自体が問題なのですよ坊っちゃま。ベネズエラの時のように国外追放という場合もあるのですから」
御剣さんがそう言いましたが、ラファールさんは笑って返すだけです。とはいえ、御剣さんも否定しない辺り、ラファールさんの防御力は確かなものなのでしょう。ゴールドクラブの皆さんもざわついています。
「すげぇ、本物のラファール・ハウザーだ」
「烈さん、知り合いなんだっけ?」
「海外派遣で一緒に戦ったことがあったはずだよ」
「まあ御剣さんは風間一門とも縁があるらしいし」
「確か気功師なんだったっけか。大貫さんと同じ」
なるほど。御剣さんは気功師なのですか。私……と同じ? ああ、本物の方? それは……マズいですかね?
「あの……御剣さんは、気功師の方なのですか?」
「はい。坊っちゃまのボディガードをするのには、無手でも対応できないといけませんので、わたくしが選ばれました。それにしても大貫様も……」
御剣さんが探る様な目で私を見てきました。ゴールドクラブの方の声が聞こえていたのでしょう。どうやら私が気功師であろうと言われているのを聞いてしまったようです。私自身が広めているわけではありませんので事実ではないことが知られても問題はないのですが、誤解を解いていないのは事実ですので……さて、どうしましょうか。
「……なるほど」
おや? 御剣さんはそう口にして頷くだけで、それ以上は何も言いませんでした。本職の方からすれば、私の嘘などすぐに分かってしまうと思うのですが、どうやら黙っていてくれるようですね。助かりました。
「吾輩がここにきたのは探しものがあるからだよミスター・レツ。うちのフォーチュンテラーが、ジャパンのトーキョーに吾輩が失くしたものがあるかもしれないと口にしていたのでな」
「探し物?」
「そうなのだ。それは吾輩の運命そのものでな。少し前に不慮の事故によって離れてしまったのだが、ようやく手がかりを得たわけで……そうであるな。そちらの美しい毛並みの……ん? むむむ?? うむ?」
ラファールさんが話している途中でラキくんに視線を向けた後、固まってしまいました。
いったいどうしたのでしょうか?
【次回予告】
愛しき者の名を紡ぐ。
恋焦がれ、されどそれは遠く、
その身に空いた穴は未だ埋まらず。
故に奪われた愛を取り戻すべく、
男は猛るのだ。
その先にあるのが絶望と知らぬままに。





