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バーサスレッサーパンダ1

 エーテル結晶(大)4、コボルト魔石2、マナジュエル5、大蜘蛛魔石1。

 無事に元の世界に戻ってきた私の今回の成果がこれです。大蜘蛛はメガマナタラント、小蜘蛛はマナタラントという魔獣だそうで、魔力結晶のそばでエーテルを喰らいながら生きている魔獣なんだとか。吉川ゲートでも奥地の方では何度か確認されていて、初級探索者は近づかないようにとの警告が入り口前に貼ってありました。なるほど、すっかり見逃していましたね。

 まあ、蜘蛛たちがあの数で攻めてきたら対抗手段のない探索者では対処は厳しいでしょう。上手く嵌められれば経験値の肥やしになりそうなのですが。

 ともあれ、私は予定通りにマナジュエルをふたつ売却し、残り三つは自分で利用するためにキープしました。

 マナジュエルは使えば消費されるマナバッテリーと違って大気中の魔力を吸って自動チャージするので、これがあればマナバッテリーを使用する機器のエネルギーコストを実質ゼロで利用できるわけです。

 そして今回得た稼ぎは105万円。

 100万円がマナジュエルで、4万円がメガマナタラントの魔石で、残りがエーテル結晶(大)とコボルトの魔石です。マナジュエルの恩恵がとても大きいですね。

 ちなみにマナジュエルは長い年月をかけてエーテル結晶の中で生まれるので、一度採ってしまうと再度その場での発生は数百年かかるそうです。そういう貴重なものなのでお高いのだそうな。


『大貫様。今回、提出していただいた記録内に新規の採掘場の情報がありましたが、公開いたしますか?』

「いえ。非公開でお願いいたします」

『承知しました。マナタラントの新規の生息域情報については公示いたしますのでご了承ください』


 ただいまのAIからの問い合わせですが、これは提出したシーカーデバイスの記録をAIが解析した際に有用な情報があると探索者に問い合わせをすることがあるそうで、今回のパイプ先の情報がそれに当たったようですね。公開する場合には有償か無償かを選べるのだとか。とはいえ、あそこはひとまず私だけの稼ぎどころにするつもりですし、しばらくは手放しません。

 ちなみにシーカーデバイスで録画した映像のAI解析は基本的にはプライバシーを守る形で運用されるようになっています。だから勝手に情報が漏れることはありませんが、魔獣の大量発生の危険があれば情報はすぐさま公開されますし、国家安全に関わるような内容だと協会の上層部に通知されてお話し合いが発生するそうです。怖いですね。

 ともあれ今回は反省もありました。やはり魔獣の接近は恐ろしいということです。あの数の蜘蛛に気づくことなく接近されていたら普通に殺されていたでしょうし、仲間のいない現状ではやはり魔獣感知用のサーチドローンを買っておくべきだと痛感いたしました。

 高額ではありますが、特にソロではアレがあるのとないのとでは安全性に大きな差が出ます。何しろサーチドローンは所有者の頭上を飛んで360度を見張ってくれるので、基本的に死角が無いのです。そして私は今回サーチドローンを買えるだけのお金を手にしましたし、エーテル結晶を売却し続けることで今後も問題なく金銭を得られるはずです。

 であれば善は急げでしょう。私はサーチドローンを買うことにしました。

 インターネットで購入することも可能ですが、こういうものはやはり実物を見て決めたいですし、明日にでも探索者御用達のショッピングモール『ダンジョンタウン』に行ってみようと思います。ふふふ、楽しみですね。自分の要望にあったものが見つかれば良いのですけど。

【次回予告】

 ダンジョンタウン。そこは戦士たちのヴァルハラ。

 戦うために、勝利するために、男は新たなる眼を欲した。

 選択はふたつ。そして男が己の命をベットし選んだものとは?

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― 新着の感想 ―
[一言] ステータスの低い主人公、接近戦は死に直結するからね! サーチは大事
[一言] マナジュエルの発生の仕組みってそんなだったのかあ 道理でお高いわけですわ
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