清貧の心得
あれも欲しいし、これも、それだって欲しいです。
なんてつまんない
いいことの花を咲かすより
やなことの芽を摘んでたらさ
カウボーイもいない荒野そのもの
寝っころがれる芝生も残ってないや
多くを望んで生きることに
なんか疲れちゃったって言ったら
少なくにあまんじて生きるように
しいられるのも どうかと思うぜ こんにゃろう
強欲にまかせてりゃ
悲喜交々のいいとこどりで
札束の厚さを つらの皮と比べてる
つまらなくはないが そんなのが最高に愉快だと
悟りをひらけないおれは
つまらねえ 愚か者がふさわしい
なんてつつましい
牙たてて生き血すするより
重箱のすみで食いつなぐ
ハンバーグだなんて夢の果てだよ
煮っころがしの里芋 残ってないか?
腹八分目でじゅうぶんだと
ふくれたおなかをさすって言ったら
空腹をかかえこみ生きるまでに
削られるとは きいちゃあいないぜ ちきしょうめ
暴食を楽しめば
酒池肉林に鎮座しながら
ステーキの厚さを 横っ腹と比べてる
つつましくはないが そんなのが最上の贅沢かと
メニューをひらけないおれは
つつましく 残りものをたいらげる
だから、どの口が言うってやつです。