人間なんて脆いんだから。
「ちょっと、そんなことしてていいの?」
僕がくつろごうと思ってコーヒーを手にした途端、彼女が後ろから覗き込んで言う。
「……うるさいなぁ」
「うるさいじゃないわよ。そんな暇してる時間あるなら、今しか出来ないことやりなよ。明日死んでも後悔しないように」
「……何でそんなにこだわるんだよ」
「だってよく言うでしょ? ‟明日やろうは馬鹿野郎だ!!”って。本当にその通りだよ」
「……」
「ちゃんとごめんなさいって思った時に言う。相手の目を見てありがとうって伝える。……好きって思ったら、ちゃんと言葉にする。……まあ、恋愛はタイミングが大事とか言うけどさ」
彼女はクスッと微笑んだ。
「……そうだな……」
「そうだよ。明日死んでも後悔しないような生き方しなよ」
だからどうしてそこまでこだわるんだ、と言おうとして口を紡ぐ。……まあ、仕方ないか。
だって、彼女は昨日死んだのだから。
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